家電製品ミニレビュー

インテリアライトとしても使える! 2つの顔を持つLEDデスクスタンド

 やわらかな間接光でインテリアを優しく演出する、手元をしっかり照らしてじっくりと読書……。まったく異なる2種類の光の演出が、1台でいとも簡単に使い分けられるLEDスタンド、それが、パナソニックの「LEDデスクスタンド SQ-LE530」だ。

メーカー名パナソニック
製品名LEDデスクスタンド
品番SQ-LE530
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格12,963円

 SQ-LE530は、「くつろぎのあかり」と「活動のあかり」という相反する2つの明かりの質を、セードの開閉だけでまるで気持ちを切り替えるように、ドラマチックに変えられるユニークなLEDスタンドだ。セードを閉じれば印象的なオーバル(楕円)フォルムになり、150lmの電球色の間接光が室内に柔らかく放たれる。セードを開けば350lmの昼白色に自動的に切り替わり、長時間の読書にも向く実用的な明るいスタンドになる。もちろん、どちらも調光に対応している。

 カラーはホワイトとダークグレーの2色あるが、今回はダークグレーを購入した。

パナソニック「LEDデスクスタンド SQ-LE530」。セードを開閉するだけで明かりが切り替わる、2WAYのLEDのスタンドだ

準備も簡単、操作も簡単

 準備はとても簡単。付属のACアダプターをベース裏に差し込み、コンセントに差し込むだけ。あとは好きな場所にポンと置くだけだ。

開梱すると、本体とACアダプターが出てくる
本体裏にACアダプターのプラグを差し込み、コードを凹みにひっかけて準備は終了。簡単だ

 セードを折りたたんだ時の高さは314mm、セードを開いた場合は386mm。セードの長さは264mm、ベースの直径は185mm、重さは1kgだ。セードを開いてもコンパクトなので、奥行きのない棚、デスクの端などにも簡単に置ける。ACアダプターの大きさは40×63×38mm(幅×高さ×厚み)で、重さも55gと小さくて軽い。差込口付近に厚みがあるタイプなので、スイッチ付きの延長タップなどにも気軽に繋げられる。コードの長さは約1.7mだ。

セードを折りたたんだ時の高さは314mm、開けば386mm。セードの長さは264mm、ベースの直径は185mm、重さは1kgだ
間接光のオーバルフォルムにしても、セードを開いてもコンパクトでスタイリッシュ

 点灯・消灯はベースのスイッチに触れるだけのタッチセンサー方式。調光もタッチ式で、タンタンッと触れれば5段階(20/40/60/80/100%)、触れ続ければ20~100%を連続で調光できる。点灯・消灯、調光スイッチは、電球色、昼白色とのどちらも同じように作用する。

 光色の切り替えはセードを開閉するだけだ。アームは最大で110度開くが、セードを閉じた状態から約30度に開いたあたりで、電球色から昼白色に切り替わる。昼白色に切り替わったあたりから、約70度の間は好きな角度で固定できる。ベースに手を添えなくてもほぼ片手だけで操作できた。

 光色は、電球色は2,700K、ニュートラルな昼白色は5,000K。平均演色評価数はどちらもRa83(最高がRa100)と、LEDの中でも良好。照らされた物の色の偏りも感じられず、自然な見え方だ。

スイッチ、調光ボタンはどちらも触れるだけで操作できるタッチセンサー方式
調光している様子。光色にかかわらず20~100%の範囲で、5段階または無段階調光ができる
光色は、セードを30度開いたあたりで電球色から昼白色に自動で切り替わる

電球色は柔らかな間接光、昼白色はしっかり明るくて拡散性が高い

 SQ-LE530には、間接光専用の電球色、スタンド専用の昼白色と、独立した2種類のLEDが距離を置いてセードに組み込まれている。

 間接光用の電球色LEDは、セードのヒンジ近くの内側にある。光はセードの半透明のカバーを通過し、断面が弧を描く幅広の支柱に反射して柔らかく拡散する。印象的なオーバルフォルムの内側に眩しい光源を隠し、器具だけで反射光の柔らかい間接光を作り出す。間接光のテクニックを美しく織り込んだデザインがなんとも心憎い。点灯していない姿もオブジェのようで、普通のスタンドでは醸し出せない雰囲気が漂う。

間接光専用の電球色のLEDは、セードの内側に組み込まれている。カバーを通した光が支柱に反射して、柔らかな間接光を生み出す

 スタンドライトとしても、長時間の読書、デスクワークにバッチリ使える。昼白色のLEDは、セードの先端に組み込まれている。最大角度に開いた時、光源と机上面までの距離は約380mm。100%で点灯し、ベースから30㎝離れた所を計測すると、明るさは680lxもある。細かな文字を長時間ラクに読めるほど明るさは十分。しかも、新聞の見開きを照らして、光が手前まで届くほどよく拡散する。スタンドライトとしての実力がしっかり備わっている。

昼白色のLEDはセードの先端にある。1灯タイプのLEDだが光がよく広がる
セードを最大に開くと高さは約380mmだが、見開きの新聞の手前まで光が届く。十分な拡散性がある
ベースから30cm離れた所の明るさは680lx。仕事に長時間の読書に十分な明るさだ
拡散性が高いので、デスクの端に置いても手元はしっかり明るい

 便利なのは、電球色の間接光、昼白色のスタンドの明るさを個別に記憶できる点だ。消灯、または光質を切り替えても、コンセントを抜かない限り、次に点灯、または切り替えた時に、最後に調節した明るさで点灯する。つまり、使うたびにイチイチ調光するような煩わしさが無い。

セードの開閉で、雰囲気も気持ちも切り替わる

 「二兎追うものは一兎をも得ず」ということわざがあるが、それはSQ-LE530には当てはまらない。間接光のインテリアライト、明るさ・拡散性が要求されるスタンドライト、どちらも満足できる使用感があり、「二兎をも得られる」と実感できたからだ。実際に使ってみたが、多くの生活シーンに活用できる。

 デスク上に置けば、仕事用のスタンドとしてしっかり機能する。セードを開いた高さは24インチのディスプレイより低いが、隅に置けばディスプレイを邪魔せずに光が手元まできっちり届く。仕事が終わり、セードを閉じればくつろぎの時間を演出するアクセントライトに一瞬で変身する。全く違う形になるので、気持ちも切り替えられる。

 ベッドサイドは特にお勧めだ。就寝前の軽い読書はもちろん、セードを閉じればほのかな明かりのナイトライトに変身する。スイッチの位置を枕元に向ければ、直接光が一切顔に当たらないので、眠りの妨げにもなりにくいだろう。寝室を真っ暗にしたくない人には便利だ。

普段はしっかり明るいデスクライト。セードを閉じてアクセントライトとして活用できる
ベッドサイドに最適。読書灯、眩しさをコントロールしたナイトライトとしてどちらも重宝する

 リビングのテーブル、椅子やソファの側にも、寄り添うように収まる。くつろぎの時間は、間接光の柔らかな光で空間を演出し、手元に明るさが欲しい時は、セードをサッと開けばたちまち読書にも十分な明るさが広がる。

リビングルームのアクセントライトとして、くつろぎの時間を柔らかな光で演出。セードを開けば一瞬で手元を明るく照らせる便利さがある
空間を彩るインテリアライトとして使っていても、側に椅子置いてセードを開けば読書コーナーができあがる
電話機の側に置けば、話しながらメモを取るのに便利だ

 消費電力は、電球色、昼白色ともに最大6Wで、最小は1Wだった。最大の明るさで1日8時間点灯して、1カ月の電気代は32円程度。LEDらしく電気代はかからない。LEDは取り替えられないが、寿命は40,000時間。1日8時間点灯して14年以上使い続けられる。長時間点灯してもセードは温かくなる程度なので、安心してセードに触れられる。モスキートノイズもなければ、AMラジオの側で点灯しても雑音は入らなかった。

 唯一、気になったのは、セードを開いて点灯した際、LEDの真下に黄色いシミのような色ムラがわずかに浮かぶことだ。LED素子を覆う透明カバーの中央にある、凹みが影響しているようだ。よく見なければわからない程度の薄い色ムラだが、白色のものを照らした時に気になるかもしれない。これは惜しい。

消費電力はどちらの光色でも最大6W。最小の20%に絞って1Wだった。待機電力は0W
白い物を照らした際、器具の真下に直径15cmのぼんやりとした黄色い色ムラが浮かぶ。気になるかもしれない

 とは言うものの、間接光のインテリアライトとして、明るい実用的なスタンドとして、どちらをメインにしても完成度の高さが実感できるLEDスタンドだ。価格は必ずしも安くはないが、セードを開閉するだけで、そこにスタイリッシュに新たなシーンが加えられる楽しさ、便利さは、他の器具には無い魅力がある。生活をより豊かにする明かりとして、ぜひ、おすすめしたい。

藤原 大蔵