家電製品ミニレビュー

片手で持てる本格派の電動「大人の氷かき器」

ドウシシャ「大人の氷かき器 DHIS-140」

 暖かくなるとコンビニや飲食店で見かけるのが、かき氷だ。あの細かい氷のシャリシャリ感が好き、という方も多いだろう。しかし、日暮里のひみつ堂のような有名かき氷店は、冬場も行列ができるほどの人気を誇る。

 私もかき氷ファンの1人で、冬の暖房をつけた部屋でカップのかき氷をほおばってしまうほど、一年を通してかき氷を楽しみたいのだが、専用のかき氷機はかさばるため、自宅への設置は諦めていた。

 そんな折に見つけたのが、ドウシシャの電動氷削り機「大人の氷かき器 DHIS-140」だ。ご覧のようにスティック型で、手に握って氷を削れるアイテムなのだ。一見かき氷機には見えないほどスリムで、これなら出しっ放しでもかさばらない。ついに自宅で好きな時にかき氷を作れる! というわけで、発売後すぐに購入した。

メーカードウシシャ
製品名大人の氷かき器
品番DHIS-140
参考価格4,093円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,057円

 大人の氷かき器は円柱型ボディで、本体サイズは92×120×305mm(幅×奥行き×高さ)。2Lのペットボトルよりも一回りスリムだ。重量は800gあり、氷を入れるとずっしりと重くなる。カラーはレッドとブラックがあり、マットなブラックを選んだ。本体の手触りはスベスベで、安っぽくない。付属品として、スタンド、取り扱い説明書、アレンジレシピ集が同梱される。

 本体は、上部の電動部と、下部の氷を入れるケースに分かれる。電動部はスティック型のフードプロセッサーのような外見で、先端にスクリューが付いており、裏側には約1.3mの電源コードが生えている。本体下部には氷を削る刃が付属する。

 使い方は、下部に氷を入れて、上部をセットし、運転ボタンを押す。すると、スクリューが回転しながら氷を刃に押し付け、氷が削られる仕組みだ。電源はAC100Vで、消費電力は10W/12W(50Hz/60Hz)、連続使用可能時間は1分となっている。

本体は上下に分かれる。さらに、下部から刃の部分と氷ケースを取り外せる
付属の説明書とアレンジレシピブック
2Lペットボトルと並べたところ。高さはほぼ同じで、ペットボトルより若干スリム
本体下部に付属する刃のパーツ

まずはかき氷を作ってみた

 かき氷を作るには、まず本体を開け、氷ケースに氷をセットする。セットできるのは、冷蔵庫の製氷機で作った四角い氷で約8個。なお投入できるのは、水を凍らせたブロック氷のみ。凍らせたフルーツやミルクを入れることはできない。

氷ケースに氷をセットした様子
本体上部には氷を削る可動部が付属
氷に接するスクリュー部。運転ボタンを押すと回転し、氷を刃に押し当てて削る

 氷を入れたら本体をカチッと音がするまで閉め、電源プラグをコンセントに差し込む。あとは本体上部の電源ボタンを押すだけだ。

 電源ボタンを押すと、ガリガリと氷を削る音が聞こえて、みるみるうちに細かな氷が器に重なっていく。削るスピードや氷の細かさは調節できない。ボタンを押している間は一定だ。ボタンから手を離すと、運転が止まる。

氷を入れたら本体をはめる。スクリュー部にはバネが付いていて、強く押さえつけないとしっかり閉まらないので注意
操作はボタンを押すだけで簡単だ
本体下部から勢いよく細かな氷が出てくる

 わずか20秒ほどで、こんもりと器一杯のかき氷が現れた。かき氷ケースに氷をフルに入れると、ちょうど器一杯分のかき氷が作れるというわけだ。

削る前のブロック氷
削った後の氷。細かすぎず、粗すぎず、かき氷にピッタリ

 氷を削る音は予想していたほどうるさくなかった。氷を削っている間、同じ部屋で家族がテレビを見ていたが、音声の妨げにはならなかった。

 はじめに作ったのは、いちごをふんだんにのせたかき氷。練乳をかけていただいた。

 削った氷は、ふわふわすぎず、粗すぎず、適度なシャリシャリ感があって、美味しい。氷の粒は、舌の上でひんやりととけた。練乳やいちごの味と絡み、ほんのりと甘くヘルシーな味わいだ。

 以前使っていた手動のかき氷機は、腕が疲れて、家族皆の分を作るのが大変だったが、こちらは電動なので、ボタンを押すだけであっという間にかき氷ができあがる。腕は疲れないし、拍子抜けするほど簡単だ。

1回で器1杯分のかき氷が作れた
練乳をかけていただいた

かき氷のほかに、アレンジメニューも自在

きめ細かい氷とじっくり煮込んだ小豆が合う

 これなら色々作ってみたい! と思い、次に手がけたのは、じっくり煮た小豆とアイスをのせたかき氷。こちらは高齢の祖母に好評で、祖母は一杯をペロリとたいらげながら「これがかき氷機なんて信じられない。私も買いたい! 皆さんに勧めたい」と言う。小豆のほかに抹茶ソースをかけて宇治金時にしても美味しいだろう。

 大人の氷かき器は、かき氷のほかに、フローズンドリンクや料理などにも使える。今回は付属のアレンジレシピ集を参考に、自家製フローズンジンジャーエールや、オリジナルのフローズンカフェラテを作った。

自家製ジンジャーエール。はちみつに漬けた生姜に、削った氷と炭酸水を加えて混ぜた。氷を入れたことで、すっきりとした清涼感が増した
フローズンカフェラテ。レシピブックではリキュールを入れた「フローズンオレンジコーヒー」が紹介されていたが、ここではアルコールを抜いて、朝から飲みやすくアレンジした

 このほかレシピ集では、モヒートなどのリキュールを使ったカクテルや、冷菜パスタにみぞれのように氷をのせるレシピも紹介されているので、これからの季節、ますます楽しめそうだ。氷を添えるだけで、普段のドリンクや料理が簡単にゴージャスにランクアップするから面白い。本製品のネーミングが「大人の氷かき器」というのも、かき氷だけでなく、フローズンカクテルなどに幅広く使えることが由来だろう。

 ちなみに手入れも超簡単。基本的には水洗いで、よく乾かして拭くだけ。

 気になる点を強いてあげるならば、氷の細かさを調節できないところだろうか。とはいえ、大人の氷かき器では適度な細かさに氷を削ることができる。削った氷は適度なシャキシャキ感と舌の上でサッととける滑らかさが気に入った。かき氷にも、フローズンドリンクにもピッタリだ。

キッチンの棚におさまるので、すぐに取り出せる。デザインも自然で気に入った

 最後に大人の氷かき器の良いところをまとめると、ボタン1つで簡単に氷を削れる点、設置スペースを取らない点、スタイリッシュなデザインでキッチンに出しておいても違和感がない点だ。コンビニなどで市販のカップかき氷を買うよりも、自宅で作ったほうが安上がりだし、何より氷の口どけが良く、滑らかでひんやりと美味しい。かき氷ファンの方、自宅で手軽に氷を削りたい方におすすめだ。

小林 樹