家電製品ミニレビュー

象印「エッグDoDoDo EG-HA06」

~ふわふわできたての温泉卵が家庭で簡単に楽しめる
by 阿部 夏子
象印「エッグDoDoDo EG-HA06」

 温泉旅館の朝ご飯が好きだ。上げ膳・据え膳の贅沢さはもちろんだが、個人的に楽しみにしているのが「温泉卵」だ。茹でたのとも、焼いたのとも違う絶妙なふわふわ感、そこにだし汁が絡まるあの味はちょっと非日常で、旅行のささやかな楽しみだ。

 ご飯のお供に最適なあの味を家庭でも再現したいとは思っていても、低温でじっくりと仕上げる温泉卵は火加減が難しく、家庭で作るのは難しい。それでもふいにあの味が懐かしくなってきて、スーパーで市販のものを購入していた。

 今回紹介するのは、そんな温泉卵を家庭で簡単に作れるという象印マホービンの「エッグDoDoDo EG-HA06」だ。


メーカー象印マホービン
製品名エッグDoDoDo EG-HA06
希望小売価格10,500円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格5,051円


 ユニークな製品名の本体はにわとりをイメージした可愛らしいデザイン。EG-HA06は温泉卵のほかに半熟のゆで卵、固ゆでのゆで卵も作ることができる。一番の特徴はマイコンで温度を制御しているため、いつでも同じ仕上がりになるという点。例えば冷蔵庫で保管していた冷たい卵を使ってもいいし、室温の卵を使っても同じように仕上がるという。

 気に入ったのは操作がとても簡単な点。まず本体内側の目盛り線まで水を入れて、卵をセットする。あとは、電源を入れるだけというシンプルさだ。中には最大6つまでの卵をセットできるエッグスタンドが付属しており、1個から6個まで自由に卵の数を設定できる。

製品パッケージ本体正面本体上部。にわとりのとさかをイメージしたと思われる赤い取っ手がついている
電気ポットの構造に近い本体内部最大6個まで卵をセットできるエッグスタンドが付属する調理する際は本体内部にエッグスタンドをセットして使用する
本体正面の操作パネル本体内部の側面にはそれぞれの調理に応じた水位線が記されている。水の量をそのたび計る必要がないので便利本体底面

フワフワの仕上がりに感動の温泉卵

 というわけで、さっそく温泉卵を作ってみよう。といってもすることは、水をいれて、卵をセットして、スイッチを入れるだけ。あとはできあがりを待つだけだ。操作ボタンも至ってシンプルな造り。温泉卵、半熟、固ゆでをメニューボタンで洗濯したらあとはスタートボタンを押すだけだ。

水を温泉卵の水位線までセットする卵をエッグスタンドにセットする。卵の数は1個から6個まで自由に選べる本体にエッグスタンドをセットしたら、コンセントを入れる

 調理中の本体は特に音が出る訳でもなくとても静か。唯一本体から吹き出る蒸気で「あ、今調理しているんだな」とわかるくらいだ。

 できあがりまでの時間は温泉卵の場合30分~35分。これは卵の温度や室温、水温などの条件により異なる。今回は冷蔵庫で保管していた卵を6個使ったができあがりまでの時間は約32分だった。

調理メニューは赤いランプで表示される調理時間はメニューや室温によっても異なるが、温泉卵は焼く30~35分ほどだ調理後の卵の様子。見た目には特に変わったところはない

 できあがりは「ピーピー」というブザー音で知らされる。何しろ、調理中が静かなため、作っているのを忘れてしまいそうになるが、このブザー音が割と耳につく音なので、隣の部屋にいてもしっかり聞こえる。しかもこのブザー音は切ボタンを押すまで5秒ごとに鳴るという念の入りようだ。ここらへんは調理家電を多く取り扱う象印ならではの配慮が効いている。

 卵を取り出して、さっそく割ってみると、思わず「うわっ」と声を上げてしまうくらいの完璧な仕上がり! 黄身はプルプル、白身はフワフワ。市販のものはもちろん、温泉旅館で食べる温泉卵にも遜色ない仕上がりだ。さっそく白ダシをかけて食べてみると、味もばっちりだ。嬉しいのはできたての熱々を食べられること。温かい温泉卵を自宅で味わえるなんてやっぱりちょっと贅沢だ。温泉卵好きの私としてはちょっとした興奮状態になってしまった。しばらくごはんのおかずはこれだけでいい! っていうほどの喜びだった。

完成した温泉卵市販の白ダシで味を付けた白ダシに鰹節をトッピングした温泉卵。ご飯が進みすぎて困ってしまうぐらいおいしい
シーザーサラダやパスタなど意外と洋食のトッピングに合う

 ご飯にあわせるのはもちろんだが、温泉卵は意外とアレンジが効く。定番のシーザーサラダはもちろん、ピザやパスタに合わせているのもよく見かける。何より温泉卵がトッピングしてあるだけで見た目も華やかになり、食べ応えも増すので色々な料理にアレンジできそうだ。

 作るときの注意としては卵をすぐに取り出すこと。本体の中にしばらく放置しておくとせっかく細かい温度制御をして仕上げた卵が固くなってしまう(実はこれで一度失敗した……)。あとは、卵を本体にセットするときの順番だろうか。水を入れる前に卵を入れてしまうと、水の量が変わってしまうため、うまく作れない。必ず、水、卵の順番を守るようにしたい。

 後片付けもこれまた簡単。調理後、本体に残っている水を流しに捨てるだけだ。水は茹でるのに使っただけなので汚れもなく、あとはさっと拭き取ればお手入れは終了する。

半熟も固ゆでも自由自在

 次にゆで卵を作ってみた。とはいっても、手順は全く同じ。違うのは水の量とできあがりまでの時間だ。固ゆでは温泉卵とほぼ同じ30~35分、半熟卵は15~20分とある。それぞれ冷蔵庫で保管していた卵を使用していたができあがりまでの時間は固ゆでが約29分、半熟は約16分だった。

今度は卵を3個にして固ゆで卵を作った。掛かった時間は29分だできあがり。中までしっかり火が通っている固ゆでにしたゆで卵でタルタルソースを作った。海老フライのトッピングやサンドイッチなど便利に使える
半熟卵を作った。卵は2個。掛かった時間は16分できあがり。中がとろっとしてこのまま食べてもおいしそうな仕上がりだ手間が掛からないので朝ご飯のトッピングにピッタリ

 できあがりはいずれも完璧。何度か作ってみてが結果は同じだった。ゆで卵をきちんと作ろうとするとお湯の量だとか、茹で時間など意外に神経を使うが、EG-HA06で作るといつでも同じ仕上がりになるためとても助かる。たとえば、ラーメンのトッピングとして使いたい時も、火も手間も使わずに完璧な半熟卵ができるので、食卓での登場回数が増えた。

 一点だけ要望として挙げるとすれば、本体のコードが取り外しできればなということだ。しかもマグネットコードならなお良い。本体の構造上、中の水を捨てるときは本体をそのまま流しに持って行く必要がある。その際、コードの取り回しが少々気になる。またマグネットコードにすることで使用中の安全性もぐっと高まるだろう。

 単機能の製品ながら満足度は非常に高い。シンプルな操作、使いやすい本体機構は、さすがといったところだ。温泉卵をスーパーでよく買うという人にはもちろん、家族が多い人にもおすすめ。これからの行楽シーズンお弁当にも活躍しそうな一品だ。






PR 



2009年9月28日 00:00