家電製品ミニレビュー
ダイキン「うるおい光クリエール MCK75K」 後編
■やわらかくなったデザイン
うるおい 光クリエール MCK75K。本体正面 |
インフルエンザの季節に備え、家庭でできる対策の1つとして手に入れたダイキンの最新型加湿空気清浄機「うるおい光クリエール MCK75K」。
前回は、選択の決めてとなった3つのポイント、ウイルス対策技術「光速ストリーマ」、7.5立方m/分の大風量、水車式+ストリーマ除菌ができる加湿機能について紹介したが、今回は実際の使用感を紹介していこう。
まずは設置から。箱を開けて、本体を取り出すのも一苦労なほど、MCK75Kの見た目は迫力がある。重量12kg、395×283×610mm(幅×奥行き×高さ)というサイズは、家庭用の加湿空気清浄機としては一回り大きいという印象を受ける。
側面 | 背面にある風の吹き出し口。開口部が大きい | シンプルでわかりやすいスイッチ類 |
奧の大きく開口部が取られた吹き出し口などを見ると、いかにもパワフルな印象があり、力強さを感じるデザインとなっている。スイッチ類なども電源、動作切り替え用のボタン、動作モードや現在の湿度、ニオイの状態などを示すLEDがあるのみの最小限の組み合わせで、あまり飾り気はない。
とは言え、同社の従来製品に比べると、デザインとしては若干「硬派」な印象が薄れ、「やわらかな」印象となった。従来製品はもっと角張った男っぽい印象のデザインだったが、フロントパネルは丸みを帯びた形状となっており、スイッチやLED周辺のツートンカラーのデザインも家庭向けの印象を受ける。カラーとしても、今回のホワイトに加えて、ピンクやブラウンがラインナップするので、リビングなどの収まりも良さそうだ。
従来の良くも悪くもいかにも機能重視の無骨なデザインも悪くなかったが、今回のやわらかなデザインもなかなかよくまとまっている印象だ。
丸みを帯びたデザインなど、従来製品にくらべるとかなりやわらかな印象の製品になった | リビングに設置した「うるおい光クリエール MCK75K」。サイズは小さくないが、実際に設置すると一新されたデザインもあってリビングにマッチする |
■交換用フィルター搭載の安心感
本体の設置にはいくつかの手順が必要になる。まず、本体前面のパネルを外し、水タンクを取り外す。本製品は加湿用の水タンクが前面にあるという独特の方式となっており、空気清浄の吸い込みは本体側面から行なう方式となっているからだ。
水タンクを取り外すとフィルターがいくつか現れる。最初のフィルターを外し、2番目のフィルターに付属のプリーツフィルターをセット。再び元に戻し、水を入れたタンクをセットすれば準備は完了となる。
このプリーツフィルターは、セット用の1枚に加えて、交換用が4枚付属しており、本体内部に収納されている。これにより当分の間は消耗品を購入しなくても継続的に利用できるため安心だ。
ダイキンの製品は、以前のモデルから、このような交換用フィルターがセット済みで販売されているが、この気配りは非常にありがたい。ぜひ、他社にもマネして欲しいポイントだ。
幾重にも施されたフィルター。このフィルターに加え、ストリーマ放電によって空気をきれいにする | 本体用に加えて、4枚の交換用プリーツフィルターが標準で同梱される。こういう気配りがなされているのもダイキン製品ならではの特徴 |
■「しずか」と「弱」はほぼ無音
パワフルな性能を考えると、音が気になるという人も少なくないかもしれないが、普段の利用時の動作音はほとんど気にならない。
スイッチをオンにして、モードを「自動」にセットすると、「しずか」モードでゆっくりと動作を開始する。このモードは、文字通り、非常に静かで、ボタンを押せる程度の近くで音を聞いていてもほとんど動作音が聞こえてこない。
動作のようす。風量がイメージしやすいよう、吹き出し口にビニールテープを付けている |
本当に動いているのかと、背面の吹き出し口に手を当ててみると、手のひらにしっかりとした感触が伝わってきて、風が出ていることがわかる。
物足りないとばかりに、動作モードを「弱」にしてみたが、これでも動作音はほとんど聞こえない。しかし、「しずか」に比べて確実に吹き出し口から出る風の勢いは増しており、これくらいなら連続動作させていても、まったく気にならない。
音が聞こえ始めるのは「弱」の一段上、「標準」からで、このあたりから風が出てくる音が一段大きくなる。とはいえ、これでも常用には十分耐えられる音で、リビングなどでテレビなどを付けている状態ならほとんど音は気にならない。
風量としては、横に立った人の背の高さくらいまで風の勢いを感じるので、かなりの量だ。「強」そして「ターボ」と上げていくと、これはもうすさまじい。まさに7.5立方m/分のフルパワーで動作させると、周辺の空気を軒並み吸い込むような感じで、吹き出し口からもゴーという音を立てて風が吹き出してくる。
朝起きた後、外出から戻ったとき、さらに客人が帰った後などは、ターボで一気に部屋の空気をクリーンアップするというのが良さそうだ。普段はしずかに動作しながら、いざというときは一気にパワーを爆発させられる実力は頼もしい。
■湿度を保ちながらも「さわやか」
加湿機能については、非常にさわやかな印象だ。冬を迎える前で、もともと部屋の湿度がさほど低くないということもあるが、加湿をオンにして動作させておいても、いやなジメジメ感はまったくなく室内環境は快適。
フロントパネルの湿度を見てみると、自動運転の場合でだいたい50%前後がキープされている。季節性インフルエンザの場合、60%以上の湿度が予防に効果的とされているので、今の時期でも常に動作させておくと安心だろう。
水車型の加湿フィルター。 |
ちなみに、加湿に使われている水車だが、本体の側面から引き出すことでその動作を確認できる。くるくると回転させると、下からくみ上げた水が上からフィルターを湿らせる。よく見ると、円形のフィルターも「ラッセル構造」と呼ばれる形状になっており、フィルターの繊維自体が水を吸い込むのではなく、この構造の隙間に溜まるようになっている。
前回紹介したように、ストリーマで加湿フィルターと水を除菌するため、キレイな加湿が可能な製品だが、この構造によって月に1回のフィルター洗浄で10年(120カ月)、10シーズンもフィルター交換が不要となっている。
お手入れに関しては、前述したプリーツフィルターの予備があるなど、もともと手間がかからないようにできているが、月に1回程度、フィルター類を軽く清掃するだけで、長期間継続した利用ができそうだ。
■本格的なウイルス対策におすすめ
以上、2回に渡ってダイキンの加湿空気清浄機「うるおい光クリエール MCK75K」を紹介したが、ウイルスを撃退する「光速ストリーマ」という技術的な特徴はもちろんだが、それを活かすための大風量というベース性能が非常に高く、さらに加湿機能への除菌の展開など機能の横展開がうまく図られている製品と言える。
価格も実売価格で5万円前後と、28畳クラスの加湿空気清浄機としてはさほど高くない。風量などを考えると実質的にワンランク上の製品と考えてよいので、お買い得感は高いだろう。これから本格的なインフルエンザの季節が始まることを考えると、今のうちからしっかりと対策をしておきたいところだ。
2009年9月15日 00:00