ダイキン、ストリーマ放電を1.5倍に強化した加湿空気清浄機

~加湿時の雑菌を除菌する「キレイ水加湿」も追加
ダイキンの加湿空気清浄機「うるおい光クリエール MCK75K」ピンク

 ダイキン工業は、空気中のウイルスや細菌などを除去する「ストリーマ放電」の放電量を、従来比で1.5倍に増やした加湿空気清浄機「うるおい光クリエール」2機種を、9月11日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、適用床面積が28畳(46平方m)の「MCK75K」が5万2千円前後、25畳(41平方m)の「MCK65K」が4万2千円前後。






カラーバリエーションはホワイトのほか、ブラウンとピンクが追加された「MCK75K」のホワイトブラウン
【お詫びと訂正】初出時、「ブラック」と表記しておりましたが、正しくは「ブラウン」です。訂正してお詫びいたします
ピンク適用床面積が25畳の「MCK65K」。カラーはホワイトのみ


従来比1.5倍、より早くウイルスを分解・除菌する「光速ストリーマ」

ダイキンのストリーマ技術の概要。高速の電子をぶつけることで、ウイルスやアレル物質、ニオイを分解する効果がある
同社の加湿空気清浄機シリーズ「うるおい光クリエール」の最新モデル。本製品では、空気中のウイルスや菌などを分解、除去する効果があるプラズマ放電ユニット「ストリーマ放電(以下、ストリーマ)」を強化し、放電量を従来機種の37μAから55.5μAへと、1.5倍に増やした点が最大の特徴。ウイルスを分解・除去するスピードが、従来の4時間から1時間と、約4倍にアップしたという。また、室内に浮遊するカビ菌を、約15分で除去できるという。

 ストリーマは、放電ユニットから放出した電子が空気中の窒素や酸素などと合体することで、強い酸化分解力を持った活性種に変化し、ウイルスや菌などを分解、除去するというもの。ユニットは本体内にあり、機内に空気を取り込んでストリーマを当てる仕組みになっている。同社ではこれまで、鳥インフルエンザウイルスや花粉、カビなどを不活性化する効果があることを実証している。

 なお同社では、ストリーマの呼称を、本製品から「光速ストリーマ」としている。また、ストリーマのロゴマークも新設している。


本製品では、ストリーマの放電量を従来の1.5倍に強化。約4倍の早さでウイルスを分解するという。なお、放電ユニット内部は、放電する針同士が干渉しないよう、ベストな状態で配置しているというストリーマ放電ユニットは、本体内部に備えられている。写真はカットモデルで、実際には外からは見えない
ストリーマがウイルスと細菌、カビを除去する効果は、第三者機関により検証を受けているこちらは花粉を分解する効果を表わしたグラフ。ストリーマで15分間照射することにより、99.6%を分解するという本製品から、ストリーマ放電の技術を「光速ストリーマ」に改称。ロゴマークを製品の表面に記している


加湿時に使用する水分を、ストリーマを当てて除菌「キレイ水加湿」

キレイ水加湿の仕組み。ストリーマの経路を新しく設けることで、加湿時に使用する水分も除菌できるようになった

 加湿面では、加湿フィルターと水にストリーマを当てる経路を新設し、水分中に含まれる雑菌を除菌する機能「キレイ水加湿」を搭載した。これにより、より清潔な加湿ができ、加湿をしないシーズンもフィルターが清潔に保てるという。

 加湿フィルターは水が浸からない円形のローター形状を採用。フィルターの構造は、水分が捉えやすくかつ離れやすい「ラッセル構造(立体編物)」とすることで、10年間フィルターの交換が不要になるという。ちなみに、加湿フィルターには抗菌・防カビ加工が、水を溜めるトレーには除菌効果のある銀イオン加工が施されている。

 また集塵フィルターでは、集塵有効面積を2倍に拡大。1日にタバコを10本吸っても、約2年間使えるという。集塵フィルターは交換用も含めて計5枚が付属するため、同社では10年間購入不要としている。

 このほか、床付近のハウスダストを吸引するために、本体下部に吸い込み口を新搭載。タンクは持ち運びやすく吸水しやすい新形状となっている。カラーは従来のホワイトのみから、ブラウン、ピンクが追加されている。

「キレイ水加湿」の図解。新たにストリーマの通り道を作ることで、フィルターの水分も除菌できるようになった

ストリーマ照射による、細菌の除去例加湿フィルターは、円形のローター形状を使用。フィルターが常に水に浸らない構造となっている加湿フィルターは水が保水しやすく脱離しやすい「ラッセル構造」。汚れが付きにくい特徴もある
集塵フィルターは有効面積が2倍に拡大。たばこを1日10本吸っても2年耐久できるという本体下部には、床付近のハウスダストが吸引できる吸い込み口を新たに搭載加湿時に使用するタンク



加湿機能のないタイプでもストリーマを強化。「うるるとさらら」にも搭載

加湿機能がない空気清浄機「MC75K」でも、ストリーマが強化されている

 加湿機能がない空気清浄機「MC75K」も、同時に発売する。MCK75/65Kと同じく、ストリーマは従来から1.5倍に強化されている。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万2千円前後。

 なお、MCK75K/MCK65K/MC75Kとも、従来機種で搭載されていた、持ち運びできる脱臭ユニット「ニオイとる~ぷ」は、本製品では省かれている。同社ではこの理由について、本体の除菌に集中し、技術力を高めるためとしている。

 各タイプのスペックは以下の表の通り。


タイプ加湿空気清浄機空気清浄機
商品名うるおい光クリエール光クリエール
型番MCK75KMCK65KMC75K
1分当たりの最大風量7.5立方m6.5立方m7.5立方m
適用床面積
(空気清浄単独)
28畳(46平方m)
清浄時間は約10分(8畳)
25畳(41平方m)
清浄時間は約11分(8畳)
28畳(46平方m)
清浄時間は約10分(8畳)
適用床面積
(加湿)
プレハブ17畳(27平方m)
木造10畳(17平方m)
プレハブ14畳(23平方m)
木造8.5畳(14平方m)
-
1時間当たりの加湿能力600ml500ml-
加湿方式気化式(気化エレメント回転式)-
消費電力8~83W8~65W6~63W
運転音17~50dB17~48dB17~48dB
本体サイズ
(幅×奥行き×高さ)
610×395×283mm576×395×230mm
重量12kg8.5kg
価格オープンプライス
店頭予想価格5万2千円前後4万2千円前後4万2千円前後


 同社ではまた、ストリーマをエアコンで初めて搭載した「うるるとさらら GRシリーズ」と、ストリーマの放電量を1.5倍に強化した除加湿空気清浄機「クリアフォース MCZ65K-W」も、発売すると発表した。

 「うるるとさらら」は、10畳用と14畳用の2製品が用意され、希望小売価格はそれぞれ399,000円、462,0000円。発売日は9月11日。クリアフォースの価格はオープンプライスで、店頭予想価格は89,800円前後。発売日は9月18日。

ストリーマを搭載したエアコン「うるるとさらら GRシリーズ」も発売する。10畳向けと14畳向けがあり、いずれもエコポイント対象商品となる除湿と加湿機能を備えた空気清浄機「クリアフォース」のストリーマの放電量も、1.5倍に強化した



“光速ストリーマをダイキンの基幹技術に”

ダイキン工業 取締役 兼 副社長執行役員 空調営業本部長 田中博氏

 ダイキン工業 取締役 兼 副社長執行役員 空調営業本部長の田中博氏は、今春の新型インフルエンザの流行で、予防対策に関心が高まり、空気清浄機が非常に注目されていたことを指摘。「実際に日本での感染者が確認された5月の空気清浄機の出荷台数は、業界全体で前年同期比の63%増と、大幅に伸びている。また、空気清浄機のウイルス除去能力について、お客様からのお声を頂戴している。除菌やウイルス対策に関するニーズが高まっている」と話した。

 また、「いまなお日々広がりを見せる、ウイルスの脅威に対するお客様の要望にお答えするため」として、家電量販店で8月6日より予約販売を開始するという。

 田中氏はストリーマについて「ウイルスや菌に絶大な効果を発揮するこの光速ストリーマ技術を、ダイキンの基幹技術として、進歩、発展させていく。商品への展開のほか、デバイスとしての事業展開も図っていきたい」と、今後の展開を語った。

 また、ストリーマの新型インフルエンザに対する効果については、試験用のワクチンが用意できていないため、未だ証明できていないとのこと。入手次第、検証していく予定だという。

2000年から2008年にかけた、空気清浄機の販売台数の推移。2008年は、空気清浄機全体では前年比で微増だが、加湿空気清浄機に限れば、45%の増加となっている今春の新型インフルエンザの流行により、予防対策として空気清浄機が注目された。5月は前年同期比で63%の増加となっている


2009年8月5日 18:02