家電製品ミニレビュー
フライパンなどの大物汚れもスッキリ落ちる! パナソニックの卓上食器洗い乾燥機
by 石井 和美(2016/2/19 07:00)
我が家は食器洗い乾燥機を1日に最低2回は使う、ヘビーユーザーだ。ずっとパナソニックの卓上食器洗い乾燥機「NP-TR3」を愛用していたが、扉が壊れてきちんと閉まらなくなってしまった。
修理するか、買い替えるか検討したが、思い切って新製品の「NP-TR8」に買い替えることにした。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | 卓上食器洗い乾燥機「NP-TR8」 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 60,800円 |
汚れた食器をセットするだけで、全自動で洗ってピカピカに仕上げてくれる卓上食器洗い乾燥機は、我が家にとってなくてはならない家電のひとつだ。今はビルトインタイプのものが増えているが、我が家はスペースの都合上、卓上タイプにしている。
パナソニックはプチスリムなど少人数用でコンパクトな「プチ食洗」も人気だが、我が家は4人家族なので、前回と同じく6人用を選んだ。6人用といっても、洗うときは食器だけでなく、おたまや菜箸、ザルなどの調理器具も洗うため、4人でも特に大きすぎるというわけではない。
サイズは550×347×564mm(幅×奥行き×高さ)、重さは19kg。標準容量は食器点数45点。消費電力はモーターが65W(50Hz)/85W(60Hz)、ヒーター使用時が1,100Wで、最大で1,165W(50Hz)/1,185W(60H)。前モデルはホワイトを使っていたが、今回はブラウンを選んだ。
以前使っていたモデルも同じパナソニックだったので、水回りの部品はそのまま使うことができた。買ったその日にガチャッと給水ホースをはめればいいので簡単だ。初めて購入する場合は、分岐水栓等を取り付ける必要がある。
高温で洗うから、手で洗うよりもピカピカ!
スポンジで手洗いすると、キレイに洗ったつもりでも隅っこに汚れがついていたり、全体的に曇ったようになったり、“ピカピカ”に仕上げるのはなかなか大変だ。手洗いするときは温水にしてもせいぜい40℃前後だが、豚や牛の脂が溶ける温度帯は40~50℃。食洗機なら、60~80℃で洗って汚れを落とすことができ、しかも除菌までできる。さらに洗剤中の酵素が活性化する温度帯約50℃の洗剤液を食器に直接噴射することで、しつこい汚れも落とす。
ノズルは上段にブーメランノズルと背面ノズル、下段にはブーメランノズルが2つ搭載されている。庫内では、約2mまで飛ぶ強力水流が食器の隅々まで届き、汚れを洗い流す。食器の入れ方のコツは、食器が重ならないようにセットし、汚れた面を内側に向けてセットする。なるべく同じサイズ、深さの食器を並べること。食器と食器の間は隙間を開けて、水流が当たるようにする。
食洗機で洗った食器は、輝きがある。例えばコップは、食洗機で洗っておけば曇りがなく磨いたように透明になるが、手洗いのままだと白く曇ってくる。実家に帰って食器を見ると、なんとなくベタついていたり、隅が黒ずんでいたりして気になるのだが、食洗機で洗った食器は新品のようで、いつも気持ちよく使える。
まな板なども高温で洗ってしっかり汚れが落ちるため、安心して使える。以前、食洗機で洗ったまな板のたんぱく質汚れをチェックしたことがあるが、全く問題はなかった。
記事はこちらを参照:やじうまミニレビュー「キーボードが汚い! 食品検査のプロが使用する汚れチェッカー」
ただし、食器が重なってしまったりすると、汚れがついている場合がある。特にグラタンの焦げ付きや茶わん蒸しのこびり付きなどは汚れが落ちにくい。こういった汚れはいったん漬け置きしておいて、サッと汚れを落としてから洗浄するときれいに落ちる。「どういった汚れが落ちにくいか」というのは、使っていくうちにわかってくるので、落ちにくそうな汚れのときは、先に水に漬けておくようにしている。
「調理器具」コースでフライパンの汚れがスッキリ! 「低温ソフト」コースはお弁当箱に便利
本体には用途に応じた便利なコースも搭載されている。例えば、「調理器具」コースは、120分ほど運転時間がかかるが、フライパンなどの落ちにくい汚れも落としてくれる。洗剤中の酵素の働きが活性化しやすいお湯でじっくり洗浄し、たんぱく質やデンプンを分解。最後は高温のお湯で洗浄する。
ホワイトソースを作り、一日置いて乾いてしまったフライパンを調理器具コースで洗ってみた。食器と同じく、フライパンもピカピカだ。憂鬱な調理器具の洗いものをやらなくてすむのでありがたい。
「低温ソフト」洗いコースでは、高温に弱いプラスチックのお弁当箱なども洗える。ただし、乾燥も低温なので、終了しても水滴がついている。気になる場合は、なるべく斜めに傾けるか、乾燥時間を長めに設定しておけば安心だ。
音が静かになっていてビックリ!
今回、特に期待したのは稼働音の低減だ。新モデルでは、2重構造の新ダクト採用で静音化設計を実現し、排気経路を見直すことで、庫内天面に水が当たる音と排気口から庫外へ出る音を抑えているとのこと。
前のモデルは洗浄中は音がかなりうるさく、テレビの音量をかなり上げなければ聞こえなかった。TR8も音はするが、テレビの音量は1~2段階上げるだけですんでいる。リビングダイニングの対面キッチンに置いているので、音に関してはかなり気になっていたが、これなら満足だ。
また、庫内のお手入れもラクになった。「お手入れ」コースで約130分かけて水流が当たりにくい部分の汚れを浮かせ、洗い流すことができる。庫内は特にヒーターまわりや残さいフィルターに汚れがたまりやすく、変色しやすい。食器洗い乾燥機用の庫内クリーナーを使わず、食洗機専用洗剤でお手入れできるのも嬉しい。
食洗機があれば夫婦間のモメごとが一つ減って、さらに水道代も節約!
我が家にとって残念な変更点は、下かごの左側、手前が小皿スペースになってしまったこと。以前使っていたNP-TR3は18cm以下の中皿を置くことができたが、そこが小皿スペースに変わってしまったのだ。我が家が小皿をそれほど使わないせいもあるが、中皿を洗うときに大皿のスペースを使わなければならないのは不便だ。
6人分使用水量は標準コースで洗ったとしても、たったの約11L。トイレで1回水を流す量とほぼ同じで、節水性という点でも、手洗いよりも優れている。特に我が家のように4人家族では、使用する水の量が多くなりがちだが、まとめて洗える食洗機を使えば、水道代も節約できる。我が家は水道代が高い自治体に住んでいるので、節水に励んでいるが、食洗機があると意識しないで水道代を抑えられるのでありがたい。
食洗機がなかったころは、「食器を誰が洗うか」で夫婦間が険悪になっていたが、食洗機を使うようになってからはそのストレスがなくなった。今となっては、一日に何度も使用し、我が家にはなくてはならない家電だ。新モデルは「調理器具」コースや「低温ソフト」コースも備えており、汚れ具合や洗う素材等によっても細かく分けられるようになって、さらに出番が増えている。何より音が静かになっていたことが、気に入った。思い切って新モデルに買い換えて満足している。