家電製品ミニレビュー

東芝ライテック「E-CORE LEDH94037-LC」

~1万円台前半で買える調光/調色機能付きLEDシーリングライト

東芝ライテック「E-CORE LEDH94037-LC」

 今回、購入した東芝ライテックの「E-CORE(イー・コア) LEDH94037-LC」は、我が家で初のLEDシーリングライトだ。

メーカー東芝ライテック
製品名E-CORE LEDH94037-LC
希望小売価格オープンプライス
購入場所murauchi.com
購入価格11,800円

高値だったLEDシーリングライトも、最近は1万円台前半で買える

 我が家ではすでに、照明器具のうち電球を使うものは、すべてLED電球に交換してある。白熱電球をLED電球に交換することで、節電できるメリットが大きかったからだ。一部交換してあった電球型蛍光灯に対しても、点灯直後でも明るいというメリットがあるので、全部LED電球に交換した。

 しかし、各部屋の照明の中心になっている蛍光灯シーリングライトは、そのままだった。理由は、蛍光灯からLEDに乗り換えても、あまり消費電力が減らないことだ。例えば、8畳用の蛍光灯シーリングライトで高効率のスリム管を使った製品では、消費電力は54W、蛍光管の寿命も18,000時間に達する。それでいて、普及タイプの製品ならば価格は1万円を切る。

 それに対して、同じ8畳用のLEDシーリングライトでは、消費電力は48~70Wと、蛍光灯よりも大きい製品も多い。また、長時間点灯し続けている居室の照明では、点灯直後から明るいというLEDのメリットも、あまり意味がない。それでいて、LEDシーリングライトは数万円前後する。「まぁ、もう少し様子を見ておこう」と思っていたのだ。

 では、なぜ今回LEDシーリングライトを買ったのかと言えば、大手照明器具メーカーの調光/調色機能付き機種が1万円台前半で購入できるようになったからだ。

 消費電力が蛍光灯とあまり変わらないのであれば、LEDならではの長所がほしい。私は、それが調光/調色機能だと思っている。明るさを自由に変えられる調光機能と、昼白色から電球色まで光色が変えられる調色機能は、LEDシーリングライトの大きな特徴だ。もう1つ、調光機能を生かして、周囲の明るさに合わせて自動的に光量を調整する機能を加えて、LEDシーリングライトの3大特徴だ。

 昨年後半までは、調色機能付きの機種は2万円前後だったが、今回の製品は1万円台前半で販売されていることが多い。さすがに自動光量調整機能はないが、昼間は不在で照明を点けることが、ほとんどない自室なので、今回は我慢することにした。

 なお、メーカーにこだわったのは、LED電球を使ってきた経験から、LED照明器具の寿命が電源を含む周辺回路によって左右されることを体験したからだ。海外から輸入しているだけというメーカーのLED電球は、どうしても製品寿命に差が表れる。

 さらに東芝ライテックの場合、昨年秋からLEDシーリングライト本体の保証期間を1年から5年に延長したことも大きい。照明器具メーカーとしてLEDという新素材を掌握し、機器全体の品質に自信ができたことを示しているのだと思えたからだ。

パッケージは大きいが、取り付けは蛍光灯タイプと同じ

 今回は通販で購入したが、到着した梱包の大きさに驚いた。一辺が70cmもある大きな正方形の箱なのだ。重さは3kg弱なので重くはないが、手提げで持ち帰るのは難しいと思う。

パッケージは大きめで、大人の腰の位置まである
右上の猫と比べると箱の大きさがわかる
箱の一辺は約70cmある
「5年保証」のロゴが目立つ

 部品数は少なく、引っ掛けシーリングにはめるアダプタ、照明器具本体、アクリル製で乳白色のセード、リモコン、リモコンホルダーだけだ。蛍光灯シーリングライトに比べると、蛍光管がない分だけ部品点数が少ない。

箱を開けると、右にリモコンが見える。本体は真ん中に包まれている
ようやく本体が見えてきた
本体を固定してる台紙には穴が開いているので、本体を引きずり出しやすい
ようやく本体の全貌が見えた
セードを外した状態。中央の段ボールで固定されている
LEDが環のように配置されている
引掛シーリングに本体を固定するアダプタ
その裏面

 設置は、いつもの蛍光灯シーリングライトと同じ手順だった。箱から大きな本体を取り出すのが一番の手間で、設置自体は5分とかからない。ちなみに、本体サイズは600×115mm(直径×高さ)、重量は2.4kgある。しっかりとした踏み台は用意しておこう。

 まず、アダプターを引掛シーリングに回しながらはめる。次に、本体を押しこみ、カチャッという音がすれば固定される。アダプターの電源コードを本体のコネクタにはめれば電気的接続が終わる。

設置する部屋には引掛シーリングが設置されていた
まず、アダプターを固定する
アダプターの設置方法は、本体に書かれているので読んでおくこと
続いて本体を固定する。アダプターのケーブルを通して置くのを忘れないように
ケーブルを本体のコネクタに差し込む
本体にあるリモコンのチャンネル切替スイッチを確認しておく。通常は「CH1」で良い
本体を固定するときの注意事項が書かれている
光源のLEDに触らないように書かれている

 取扱説明書にはないが、この時点で、壁のスイッチを入れて接続を確認してみた。幸い、ちゃんと点灯する。セードがない状態だと、LEDがキラキラと輝き、まるで「未知との遭遇」という懐かしい映画に出てくるUFOのようだ。

本来はセードを設置するのだが、その前に点灯して試してみた。これはこれで豪華な感じがする
近くに寄ってみると、2色のLEDが並んで配置されているのがわかる

 最後に、セードをはめて終了だ。

セードの裏面。3箇所で固定する
セードの爪の部分
セードの取り付け方と取り外し方。アクリル製のセードなので軽いので作業がしやすい

 一方のリモコンは、付属の単四乾電池2本を入れると準備が完了だ。リモコンのチャンネルは2つ用意されているが、同じ部屋に同種のリモコンを使う機器がなければ、デフォルトの1のままで良い。

リモコンと、それを壁に取り付けるためのホルダー
リモコン用の単四乾電池は付属していた
設置が終わったあとの梱包材は、1つの部品を除いて段ボールなので片付けやすい

ほとんどの操作は壁スイッチで足りる

 LEDシーリングライトを、最初に点灯すると「全光」といって、すべてのLEDがフルパワーで点灯した状態になっている。この状態では、リモコンによる明るさは20段階で調整できる。

 器具光束は3,840lmあるので、全光状態では部屋の隅々まで明るい。隅の床に寝転がって、読書ができる明るさが十分にある。

 なお、リモコンでも壁スイッチでも、点灯/消灯した際は、ゆっくり明るくなって、ゆっくり暗くなる。たぶん、蛍光灯に慣れている人に違和感を持たせないためなのだろう。LED照明器具ということで、パッと明るくなることを期待していたのだが、これはこれで面白い。

全光発光時
電球色の一番明るい状態

 リモコンは、ボタンが9個しかないシンプルなものだが、調光/調色を含めて、必要な機能はほとんど揃っている。リモコンは、壁のスイッチがONになっている状態で使用する。

 高級機種のリモコンとの大きな機能差は、就寝用や起床用のタイマーがないことと、ユーザーが設定した状態を覚えておくメモリーが1つしかないことだろう。メモリー方法は、自分の好みの状態で、「メモリ」ボタンを押しながら「シーン」ボタンを押すと記憶される。再現するときは、「シーン」ボタンを単独で押す。

リモコンはボタンが少なめでシンプルなタイプ。「全光」ボタンのみ蓄光タイプで暗闇で光る
リモコンはやけに厚い。こういうところで普及機種であることがわかる

 タイマーについては、自分自身では使用しないので気にならなかった。メモリーについては、もっと活用するかと思っていたのだが、実際は「光色を電球色にした状態で、一番明るい状態」という設定をメモリーしておけば用が足りた。くつろぐ時はこの設定に切り替えている。

 逆にメモリーが少ないため、リモコンではなく壁スイッチだけで、ほとんどの操作は足りる。

 例えば、壁スイッチで消灯すると、その時点での明るさを記憶する。次に壁スイッチで点灯すると、それが再現される。しかし、壁スイッチを2回連続でON/OFFすると、全光点灯/シーン点灯(メモリーで覚えている状態)/常夜灯の3つのモードが順番に切り替わる。

 シーン点灯のメモリーに電球色を設定しておけば、壁スイッチだけで、光色の切り替えができるわけだ。これを覚えてからは、リモコンの使用頻度が、かなり少なくなった。

 つまり、壁スイッチをパチっとすると全光で点灯する。消灯時の状態を覚えていたり、シーンに設定した電球色にしたいときは2回パチパチする。常夜灯にしたいときも同様だ。

 結局、リモコンはベッドの枕元に置き、細かい明るさの調整をするときか、消灯するときに使うだけになった。

常夜灯もLED。明るさは6段階に調整できるが、調色はできない

 また、リモコンのボタンが少ない割に、常夜灯が独立しているのは使いやすい。常夜灯も、もちろんLEDだ。調色はできないが、明るさも6段階に調整できる。常夜灯の明るさは個人の好みがあるので、調整できるのは良いことだ。

白色から電球色まで、光色を設定できる

 この製品の調色機能を、もう少し説明してみよう。調色は、「光色」と書かれた2つのボタンで行なう。「オレンジ」ボタンを押すと電球色に、「ブルー」ボタンを押す白色に光が変わっていく。

 どうやって調色しているかと言うと、白色と電球色の2つのLEDが並んでいて、オレンジボタンを押すと、白色のLEDがだんだん暗くなっていく。1つのLEDの色が白色から電球色に変わっていくのではない。つまり、全光を含めて、通常の状態では、白色と電球色の2色のLEDの光が混ざった中間色の状態で使用していることになる。

 人間の目は、良くできていて、中間色の状態でもまったく困らないが、フィルムを使う銀塩カメラなどで、厳密に設定された色温度が必要な人は注意が必要だ。まぁ、そういう場合は、ごく稀になってきているので、実用上はまったく問題にならないだろう。

調色機能の操作。全光時からオレンジボタンを押して、電球色にしてから元に戻す。短時間にスムーズに光色が変わる

 オレンジボタンを押し続けていると、白色LEDが消え、電球色LEDのみになったときに、リモコンはピピッと鳴って教えてくれる。つまりこれが、電球色のみで一番明るい状態になるわけだ。

 同様にブルーのボタンを押し続けていると、電球色LEDが消えて、白色LEDのみの照明となる。この状態ではかなり青い感じの光だ。蛍光灯の色で言うと、昼白色ではなく白色に近い。

 調光の段階は、全光で20段階だが、白色/電球色を指定した状態では、それぞれ11段階になる。

全光で発光している状態。すべてのLEDが点灯している
電球色で発光している状態。電球色のLEDのみが点灯している
全光発光時の室内。壁の色は白だ
電球色照明時の室内。肉眼でも、かなり黄色い印象になる

ごく普通に使える、調色機能付きのシーリングライト

 LEDシーリングライトについては、LEDが点光源のため、光の粒立ちが目立つとか、中央部が明るく周囲が暗く感じるという話も聞いていた。しかし、今回の製品は普及機種ながら、セードをはめた通常の状態であれば気にならなかった。

 もちろん、面発光する素材ではないので、多少のムラというか明暗差はあるが、照明器具を直視しているのでなければわからないと思う。さすがに、本格的な登場から2年を経ているので、基本的なノウハウは蓄積されたということなのだろう。

 ちなみにこの器具の消費電力は60Wで、固有エネルギー消費効率は64.0lm/Wだ。LEDシーリングライトとしては、普通の製品と言える。全光時は、蛍光灯シーリングライトと大差ない。まぁ、電球色LEDのみを使用しているシーンの状態では、だいたい半分の30Wぐらいなので、少しは節電に寄与していると思う。

 同じ東芝ライテック製の8畳用蛍光灯シーリングライトは、約8,000円前後で販売されているので、数千円の価格差で調色機能と、約2倍強の長寿命があると思えば良いだろう。一部の部品を除けば、5年間使えることはメーカーが保証してくれるで心強い。

 居室に電球色の照明がほしい人や、そろそろLEDシーリングライトというものを試して見たい方には、お勧めできる製品だ。

伊達 浩二