家電製品ミニレビュー

パナソニック「EVERLEDS LEDシーリングライト HH-LC712A」

~明るくて省エネだけじゃない。青とオレンジの光で気分も変えるシーリングライト

パナソニックの「EVERLEDS(エバーレッズ) LEDシーリングライト エコナビ、調色・調光タイプ HH-LC712A」。主に12畳向けとなる

 家族や友人との団らん、テレビや映画を観る、食事をする、くつろぐなどなど、リビングルームには多様な過ごし方がある。そのリビングルームのあかりとして、もっともポピュラーなのがシーリングライトだろう。光源が蛍光灯の場合は単調なあかりしか望めなかったが、光色や調色・調光の自由度が高いLEDになって、多様な過ごし方に適したあかりが簡単に演出できる製品が登場しつつある。

 そんなLEDシーリングライトの中から、今回はパナソニックの「EVERLEDS(エバーレッズ) LEDシーリングライト HH-LC712A」を紹介しよう。リビングルームの多種多様な過ごし方に合わせ、リモコンのボタン1つで、気分も部屋の雰囲気もガラリと変えられるLEDシーリングライトだ。

メーカーパナソニック
製品名エバーレッズ LEDシーリングライト 調光/調色
品番HH-LC712A
光色昼光色(6,500K)~電球色(2,700K)
青色(9,000K), オレンジ色(2,000K)
演色性Ra85 (昼光色~電球色)
標準器具光束5,000 lm(普段モード・昼光色100%)
最大 5,300 lm(勉強のあかり)
定格寿命40,000時間
購入価格59,800円 (楽天市場)

 本製品の大きな特徴として、2つ挙げられる。1つはLEDシーリングライトでは一般的な昼光色~電球色の調色に、「青色」(色温度9,000K)と、「オレンジ色」(2,000K)が加わった点。青色は目覚めやリフレッシュしたい時、オレンジ色はくつろぎの時間に使うことで、昼光色や電球色よりも効果があるという。

 もう1つは配光がマルチに変化する点。LEDは中央から「センター光」「直接光」「間接光」という3つのユニットに分けられており、過ごし方に応じて組み合わせを変えることで、配光がガラリと変化する。

青色の間接光プラス昼光色で、快晴の青空をイメージした「すっきりのあかり」
オレンジ色の間接光+電球色のセンター光で、夕暮れの空をイメージした「くつろぎのあかり」

 さらに、部屋の明るさを検知して自動的に省エネする「エコナビ」に、起床~くつろぎまでのあかりを自動で切り替える「おまかせモード」も搭載されている。明るさを表す標準器具光束は5,000lmで、日本照明器具工業会の基準で12畳までの部屋に対応する。

 数ある製品の中で、本製品はあかりの“心地良さ”を追求した、機能満載のハイエンドモデルだ。LEDのポテンシャルを意欲的に打ち出したシーリングライトの実力をレポートしよう。

取り付けは従来のシーリングライトと全く同じ

開梱した器具。奥からカバー、本体、手前左から、アダプター、リモコン、リモコンホルダー

 本体は円形で、大きさは670×125mm (直径×高さ)。大きめだが、12畳タイプのシーリングライトとしては一般的な範囲だ。重さは4.6 kgで、蛍光灯器具よりも1kg前後さらに重い。女性一人では扱いにくいかもしれない。

 とはいえ、取り付けはとても簡単だ。以下の写真の順に沿っていけば、ものの数分で終わるだろう。アダプターを天井の配線器具「引掛シーリング」に取り付け、本体を押し上げて装着。コネクターを本体に差し込んで、カバーを取り付けるだけで終了する。円形の器具は、どの向きに取り付けても収まりが良い。

取り付け手順は番号の通り
【1】天井にある引掛けシーリングに、付属のアダプターをはめ込む
【2】明るさセンサーをテレビ方向に向け、アダプターと本体の中央を合わせ、「カチッ」と音がするまで本体を押し上げて取り付ける。本体は重いので、取り扱いに十分に注意する
【3】本体から出ているコネクターをアダプターの中央に「カチッ」と音がするまで差し込む
【4】カバーを軽く押さえながら、右に回して取り付ける
【5】以上で完成。サイズば670×125mm(直径×高さ)、重さは4.6kg。12畳タイプとしては標準的な大きさ。器具の外周の透明なエッジがアクセントになっている

 注意すべき点は、「シアターのあかり(テレビ背面を照らすあかり)」のために、本体の「明るさセンサー」部を、テレビが置いてある方向に向けて取り付ける必要がある。

 オールLEDの本製品の定格寿命は40,000時間。一度取り付けたら長い間取り外すことははないうえ、樹脂製のカバーは帯電防止と撥水撥油で汚れもホコリもつきにくい「キレイコート」を採用。メンテナンスは楽だろう。

 操作はすべて、付属するリモコンで行なう。高機能機種だが、表面にあるボタンの数は11個と少ない。リモコン上部に、「普段のあかり」、「点灯」、「消灯」、「常夜灯」、「調色」、「調光」のボタンがまとめてあり、下部にシーン専用の「くつろぎ」、「すっきり」「シアター」「勉強」の4つのボタンと、エコナビ関連のボタン「エコナビ」、「おまかせ」の2つが並ぶ。それぞれのボタンにはハッキリと目的が明記され、わかりやすい。

 フタの中には、細かい各種設定関連のボタンが集約されている。器具の取り付けが終ったらここを開けて、取扱説明書に沿ってリモコンの時刻設定をしておこう。

ボタンは11個で、点灯に関する明かりのコントロールは付属のリモコンで行なう。多機能の器具だが、ボタンの数は少なく11個
フタを開くと、各種設定、タイマー用のボタンが表れる(画像右)

「普段のあかり」は、たっぷり明るくたっぷり広がる光。調色・調光も自由自在

 まずは、ベーシックな「普段のあかり」で点灯してみた。リモコンの最も大きいオレンジ色の「点灯・普段」ボタンを押すと点灯する。

 今回は8畳の部屋に取り付けて点灯したが、器具自体は12畳タイプのため、眩いほど明るい。昼光色100%・明るさ100%の白い色が最も明るく、直下照度は470lx。驚きなのは、暗くなりがちな電球色100%の暖かい色でさえ、286lxもあった点。以前使っていた蛍光灯シーリングライト (283lx)と変わらない。調光範囲は100~5%で、ほのかな明るさ(21~15lx)まで光量が落とせる(器具の約2mの真下で測定。以降、照度は全て同じ条件)。

こちらはかつて我が家で使っていた、消費電力が97Wの蛍光灯シーリングライト。テーブル面の明るさは300lx弱(光源からの距離は約2m。以降同じ)
「普段のあかり」の代表的な光色。明るさ100%の時、全ての光色が蛍光灯の明るさを超えた

 光の拡散性はとても良い。器具の真下はもちろん、部屋の隅々までたっぷり届く。12畳タイプだから当然かもしれないが、床全体だけでなく、天井と壁面が接するところさえもバッチリ明るい。

「普段のあかり」を調色・調光した様子。明るさの最大470x(昼光色100%)、最小は15~16lxだった。調節したあと、他のあかりモードや消灯した時、組み合わせが記憶される

 この豊かな明るさと拡散性は、独立した3つのLEDユニットで生み出される。器具内部には、3重に重なったリング状の「直接光ユニット」と、その中央の「センター光ユニット」を備える。また器具の裏側には、天井付近を照らす「間接光ユニット」が備えられている。「普段のあかり」は、この3つのユニットが同時に点灯し、立体的でワイドな拡散性を実現している。調色・調光すると、3つのユニットの明るさと光色が連動する。

 拡散性の良さは、器具の輝きにも表れる。器具の中央に「センター光ユニット」があるため、カバーの中央部まで均一に輝いている印象だ。蛍光灯の器具よりも光のムラは少なく、LEDチップによる粒状感も一切感じなかった。

「普段のあかり」の3つのLEDユニットの様子。調色・調光で、間接光(写真上)と直接光、センター光が連動する。写真は昼光色
器具をほぼ真横から撮影した。間接光ユニットが天井面をしっかり照らしている。透明なエッジがきれいだ
器具を真下から見た様子。直接光ユニットとセンターユニットで、カバーはほぼ均一に輝く。ムラが浮かびにくく、LEDの粒状感はまったく感じない

 演色性もとても良い。色の再現性を測る平均演色評価数は、光色に関わらず「Ra85」とのことだが(Ra100が最高値)、実際にも食べ物全体がとてもおいしそうに映えた。青みの強い昼光色、黄色が強調されがちな電球色でも、ハムの色味はくすまず、自然な見え方だった。リビングルームはもちろん、ダイニングキッチンにも最適だろう。

昼光色(白い色)100%で食事を照らした様子。青みの強い白色だが、色の再現性が良く、食事がおいしそうに見える
中間色。色味のバランスがとても良い。食事のどれもがおいしそうに見える。テーブルの木肌の色も自然だ
電球色(暖かい色)100%。全体的に電球色が乗るが、肉眼で色のくすみは感じられず、食事がおいしそうに見えていた。演色性は全ての色で良好だ

ボタン1つで4パターンに変更可能。青色は目覚めに、オレンジ色は寛ぎの時間に

 明るさ、拡散性、演色性の基本的な「あかりの質」が優れているのがわかったところで、シーン毎に光色と配光性が大きく変化する“4つのあかり”に話題を移そう。操作はリモコンの下方にまとめてある専用のボタンを押すだけで、とても簡単だ。

4つのあかりのパターンのそれぞれを、真下から撮影した様子。調光、センター光、間接光の組み合わせが様々だ
4つのあかりそれぞれの、LEDユニットの様子。間接光ユニットが、「すっきり」は青、「くつろぎ」はオレンジ色に光る。「くつろぎ」と「シアター」はセンター光のON/OFFができる

【1】すっきりのあかり:青空をイメージしたさわやかな光色で、すっきりした気分に

快適な朝の目覚めを演出する、「すっきりのあかり」。青色の間接光と昼光色がブレンドされ、清々しい光色を作り出す

 「すっきり」は朝の目覚め、リフレッシュなどに向いているあかりだ。昼光色の直接光とセンター光に、色温度9,000Kの青い色の間接光が加わって点灯する。青空で照らされたようなすっきりとさわやかな光が広がることで、何となく心も晴れ渡るような気分になる。起床時の覚醒を効果的に促してくれそうだ。清々しいので、どんよりと曇った日中や、真夏の蒸し暑い夜のあかりとしてもアリだろう。

 すっきりのあかりは、明るさも変えられる。調光ボタンを押すと、青色の間接光はそのままで、昼光色の直接光とセンター光の明るさが変化し、青みを強調したり、青色の間接光だけの点灯もできる。一般的に、青色の光は気持ちを鎮める効果があると言われているが、リフレッシュした場面に、集中力を高める仕事場面の明かりとしても使い分けられそうだ。

「すっきりのあかり」(左)と「普段のあかり・昼光色」を比較した様子。すっきりが断然さわやかな印象に見える
すっきりのあかりは、「直接光」と「センター光」のみ調光と消灯が、青色の間接光のみの点灯も可能だ
部屋全体に広がる青色の間接光が頭をすっきりとさせ、仕事への集中力を高めてくれる

【2】くつろぎのあかり:“夕暮れの空”の色で、より落ち着いた雰囲気を演出

「くつろぎのあかり(センター光ON)」の様子。静かな団らんや、食事後のゆったりとした時間にピッタリだ

 「くつろぎ」は、オレンジ色の間接光と電球色のセンター光が同時に点灯する。夕暮れや柔らかな炎を連想させるような色は、慣れ親しんだ単色の電球色よりも深みがあるため、より一層くつろいだ気分になる。静かで落ち着いた団らん、就寝前の癒しの時間に向きそうだ。

 くつろぎボタンを再度押すとセンター光が消え、オレンジ色の間接光のみ点灯する。間接光は調光でき、明るさを抑えることで、より一層落ち着いた静かな時間が演出できる。就寝前に暗めのオレンジ色の光で覚醒感を抑え、眠りへと誘う静かなあかりも演出できる。手持ちのスタンドを組み合わせれば、また違った部屋の表情も楽しめそうだ。

「くつろぎのあかり」はセンター光をOFFにできる。明るさを抑えたオレンジ色の間接光が、就寝前の癒しに似合う
単に電球色を暗めに(写真右)するよりも、オレンジ色の間接光が点灯する「くつろぎ」の方が、より暖かで深みのある雰囲気が演出できる
「くつろぎのあかり」は、オレンジ色の間接光のみ調光できる
センター光を消して、間接光を絞り込むと、1lx以下のほのかな明るさになる。光源が直接見えないので、常夜灯にしてもよさそうだ
間接光とスタンドを合わせた例。センター光をONにするのとは、また違った雰囲気が楽しめる

【3】勉強のあかり:器具最大の明るさで白黒のコントラストがアップ。小さな文字もくっきり

 「勉強」はリビングルームでの長時間の読書や勉強に向くあかりだ。光の色温度は、白黒のコントラスト感が向上するという6,200Kに固定され、明るさも“昼光色100%・明るさ100%”より強化される。

 実際に“昼光色100%・明るさ100%”と比較したが、差は歴然だった。光色の効果で文字の輪郭が明瞭になり、明るさは470lxから541lxへと大幅にアップ。小さな文字もハッキリ見える。格段に読みやすくなった印象だ。部屋の広さや好みに合わせて、5%まで調光もできる。

「勉強のあかり」は明るさが通常点灯よりもさらにアップ。光色も文字が見やすいバランスで固定される。部屋の広さや好みに合わせて、5%まで調光できる
勉強のあかり(左)は、普段の明かりの最大よりも大幅に明るくなる
全く同じ条件で、「勉強のあかり(明るさ100%)」(左)と「普段のあかり(昼光・明るさ100%)」を撮影した。勉強のあかりのほうが文字がずっと読みやすい

【4】シアターのあかり:余計なものは照らさない。テレビ画面に集中しやすいあかり

 「シアター」は、電球色の間接光ユニットの半分(2セット)が点灯する。テレビの背面だけを照らし、映画館のような臨場感が楽しめる明かりだ。テレビの背面付近以外はぼんやりと薄暗くなるので、目は自然に画面へと集中しやすくなる。

 手元にあかりが欲しい時は「シアター」ボタンを再度押せば、電球色のセンター光が点灯する。テレビや録画機器のリモコンの操作や、軽い飲食にも重宝するだろう。

「シアターのあかり」は電球色の間接光だけで、テレビの背面だけを照らすあかりだ。自然に画面に集中しやすい環境が演出できる
「シアターのあかり」の間接光ユニットの様子。4つある間接光の半分しか点灯しない
手元の明るさが欲しい時は、センター光(電球色)が点灯できる。調光はできない
センター光の有無で、明るさがこれだけ変わる。「くつろぎのあかり」とはまた違った味わいがある

 これ以外にも、常夜灯も利用できる。専用のLEDがあり、調光ボタンで6段階の明るさも選べる。

 なお、どの点灯状態でも、器具からの雑音はなく、AMラジオへのノイズの影響も無かった。

常夜灯を点灯した様子。常夜灯専用のオレンジ色のLEDがカバー内で点灯する
常夜灯を点灯した部屋の様子。6段階の調光ができる。最大の明るさでも0.08lxだった

勝手で省エネしつつ、時間毎に明かりを変える「おまかせモード」は便利

 本製品はパナソニックの上位機種に搭載されている「エコナビ」にも対応している。エコナビは、外光や他の照明器具よって変化する部屋の明るさを感知して、自動で無駄な明るさを抑える省エネ機能だ。

 さらに、「おまかせモード」も搭載されている。これは起床時から就寝前までの生活のリズムに合わせ、「すっきり」、「普段」、「くつろぎ」の3つのシーンを、設定した時刻に沿って自動で切り替える機能だ。しかも、「すっきり」と「普段」は、エコナビで点灯するので省エネもできる。

「エコナビ」は、本体の明るさセンサーが部屋の明るさを感知して、自動で調光・消灯してくれる省エネ機能だ。「普段のあかり」のみ対応する
「おまかせモード」は、「すっきり」→「普段」→「くつろぎ」のあかりを自動で切り替えてくれる機能。それぞれの開始時刻を設定する。このモードは「すっきり」もエコナビしてくれる

 この「エコナビ」「おまかせモード」運転をする前には、いくつかの設定が必要。まずエコナビでは、部屋の環境を覚えさせることと、最大の明るさを選択する作業が必要。いずれもリモコンで操作する。部屋の環境は、「環境設定ボタン」を押すだけ。明るさは「明るさ調節ボタン」を数回押して、100%、70%、50%の3つの中から、好みの最大の明るさ選択する。

 なお、リビングルームの明るさは200~300lxあれば十分に明るく感じられる。我が家では50%(直下照度は266lxだった)を選択した。

 おまかせモードの設定は、「すっきり」、「普段」、「くつろぎ」の明かりの開始時刻を、それぞれに決める作業が必要となる。リモコンの「時刻設定ボタン」とその下にある「矢印ボタン」の2つを押して設定する。

エコナビの「環境設定」と「明るさ調整」、おまかせの各あかりの「時刻設定」は、リモコンのフタを開けて設定する
エコナビを利用する際は、点灯中に「明るさ調整」をおこなう。明るさの上限を抑えると、より一層の省エネができる。日常生活ならば、50%で十分明るい
エコナビ運転中は、本体の緑色のランプが点灯する(左)。おまかせモードの時は、青いランプとエコナビランプが点灯する(くつろぎ時、エコナビランプは消える)。照明が自動消灯しても、それぞれのランプは消えない

 今回のレビューにあたり、「すっきり」は朝6:30、「普段」は11:00、「くつろぎ」は21:30に開始時刻を設定した。「すっきり」の光色は固定、「普段」の光色は最後に調色した状態、「くつろぎ」は最後に操作した間接光の調光状態と、センター光の点灯、消灯状態が呼び出される。

 設定が済んだら、「エコナビ」または、「おまかせモード」ボタンを押せば運転が始まる。今回は、早朝から「おまかせモード」で点灯し、1日のあかりの変化を追って撮影した。なお、エコナビは「おまかせモード」点灯中も対応するので、エコナビ単体のシーンは割愛する。

【起床時刻:徐々に明るくなり、青色の光に切り替わる】

「すっきりのあかり」の設定時刻前から点灯。設定時刻になるとスゥっと「すっきりのあかり」に切り替わると同時に、エコナビもスタートする

 「すっきりのあかり」の設定時刻は6:30。設定時刻の20分前では、部屋は10lx以下とかなり暗いが、ここから「おまかせモード」がスタート。設定時刻前だが、やわらかな「くつろぎのあかり」が点灯しはじめる。設定時刻になると、青い「すっきりのあかり」にスウっと切り替わり、部屋は爽快な光色に包まれた。

 光色も明るさも大きく変わるため、寝起きのまどろみから一転、“さぁ起きよう! ”という気分になる。気持ちの良い朝が迎えられた。

【朝:外光が強くなると自動で減光、自動消灯】

おまかせモードによる「すっきりのあかり」はエコナビ運転だ。外光が強くなるととに、減光する。撮影した時は、7時には自動消灯してしまった

 「すっきりのあかり」に自動で切り替わると同時に、エコナビもスタートする。「すっきりのあかり」に切り替わった3分後には、部屋は設定の明るさに近い254lxになった。切り替わった直後は目覚めには眩しいと感じたが、快適な明るさに落ち着いた印象だ。

 窓から入ってくる外光が強くなると、さらにLEDの明かりが弱くなる。昼光色の直接光とセンター光の減光が進み、「すっきりのあかり」の青色が強調される。撮影した日は外光がとても明るかったため、7:00には自動で消灯してしまった。その時の部屋の明るさは129lx。設定よりも数値が低いが、窓からの外光だけで部屋は十分に明るかった。

【昼:陽が翳り始めると、自動で点灯】

朝7時に点灯してから、日中は消灯したまま。部屋の明るさが100lx切ったあたりで「普段のあかり」で点灯した(普段のあかりの設定時刻は11 時)。時間を追うごとに徐々に器具の明るさが増していく

 朝の7:00に自動消灯してから7時間以上が経過。陽が翳り始め、そろそろ灯りが欲しいなと感じた頃、「普段のあかり」が自動で点灯した。その時刻は14:43だった。点灯直前の部屋の明るさは99lx。この日は明るかったため、それまで1度も点灯しなかったが、陽が傾くとともに、器具は徐々に明るさを増していく。

 陽が沈んで外が暗くなったので、カーテンを閉めると、部屋の明るさは「明るさ設定」の時と同じ266lxだった。

【夜:くつろぎのあかりでゆったりとした気分に】

「くつろぎのあかり」の設定時刻になると、自動的に明かりが切り替わる。明かりが時を知らせ、気分も雰囲気もガラリと変わるのが楽しい

 夕食が終わり、片付けも済んだ頃の21:30、普段のあかりから「くつろぎのあかり」へ、スウっと切り替わった。活気のあった明るいリビングルームは、静かで落ち着きのある空間へと、雰囲気が一変した。

 暖かで抑えられた明るさの光に包まれると、時の流れさえもゆっくりと感じるのが不思議だ。気持ちも自然に穏やかなものへと切り替わり、くつろいだ気分へと変化する。就寝前まで、ゆったりとした心地良い時が過ごせた。

 この「おまかせモード」の使用中は、早朝に点灯してから就寝前まで、一度もリモコンに触れなかった。外光が入れば自動で調光、消灯、暗くなれば点灯してくれる「エコナビ」機能のおかげだろう。外光が変わっても、気づかないうちに心地良い明るさをキープしてくれた。

 「おまかせモード」も面白い機能だ。あかりの表情が切り替わると、部屋の雰囲気が一変する。あかりによって、気分さえも変わるのを実感した。2つの機能のおかげで一日中快適に過ごせた。シーンの設定時刻は、過ごし方や季節の変化に応じて、何度でも自由に変えられる。

 なお、エコナビは瞬間的な明るさの変化には反応しない。外光などの変化で部屋の明るさが変わっても、明るさセンサーが約10秒間部屋の明るさを測定し、明るさを変更するか維持するかを判断する。調光・消灯も、約2~4分20秒かけてゆっくりと変化するので、めまぐるしさを感じさせない。

 付け加えて、今回は紹介しなかったが、他に、おやすみタイマーや、"居留守"に便利な「るすばんモード」も備えている。

蛍光灯との交換で、年間で4,600円以上の電気代が節約できることに

エコナビで明るさ調整を50%にした時と、蛍光灯(右)の部屋の印象の比較。明るさはさほど変わらないのに、消費電力は1/4程度だ

 肝心のランニングコストについては、蛍光灯と比べてもバッチリ安い。エコナビの「明るさ調節」を50%に設定し、昼光色(白い色100%)でエコナビ点灯した時の消費電力は25Wだった。蛍光灯シーリング(消費電力97W)と比べてみても、明るさはさほど変わらないのに、電力は1/4程度しか消費しない。電気代に置き換えると、年間で4,600円以上も節約できる試算となる。

 しかも、その差額は「50%の明るさで8時間点けっぱなしにした」場合だ。エコナビは、部屋の明るさに応じて自動で調光、はたまた消灯までしてくれるので、リモコンをON/OFFにするなどの手間なしで、さらなる節約が期待できるだろう。おまかせモードでも、「すっきり」と「普段」はエコナビになるので、あかりを楽しみながら節電もできる。気分や雰囲気が変わるだけでなく、電気代を見て思わず笑顔になってしまうだろう。

エコナビとおまかせモードの消費電力の様子。明るさ調節によって消費電力が大きく変わる(上)。自動消灯、待機時、消費電力は測定できないほど低い
「普段のあかり」を調色・調光した消費電力の違い。暖かい色にするほど消費電力が低くなる。少し明るさを絞るだけで、消費電力がグンと下がる
【エコナビ「明るさ調整」のそれぞれの最大の電気代】
※1日8時間点灯。普段の明かりは昼光色100%に設定
-蛍光灯100% (53W)70% (36W)50% (25W)
1日17円9円6円4円
1年6,231円3,405円2,314円1,606円
蛍光灯-各明るさの電気代-2,825円3,916円4,625円
4つのあかりにおける、それぞれの消費電力の違い。勉強のあかり・100%の明るさがもっとも消費電力が高く59W。それでも蛍光灯の97Wと比較にならない程低い

 各あかりの一番明るい時の消費電力も、蛍光灯より軒並み低い。「普段」の昼光色は54W、中間色で45W前後、電球色が40Wだった。「すっきり」は54W、「くつろぎ(センター光ON)」は10W、「勉強」は59W、「シアター(センター光ON)」は7Wだった。少し調光するだけで、消費電力がぐっと下がるのも確認できた。なお、エコナビ自動消灯時、消灯時の待機電力、常夜灯は、いずれも測定不可能な0Wだった。

【あかりのシーン別電気代】
※1日8時間点灯。調光はすべて100%時
-蛍光灯(100%)すっきりくつろぎ
(センターライトON)
勉強シアター
1日17円10円2円10円1円
1年6,231円3,468円642円3,789円193円
蛍光灯-各色の電気代-2,763円5,588円2,442円6,037円

LEDの優位性を引き出す充実のシーリングライト。あかりを楽しみながら快適な1日を

 本製品を使った率直な感想は、「とても気持ちが良いシーリングライト」だ。リビングルームの多様な過ごし方にピタリとハマるあかりが、ボタン1つで簡単に演出できる。あかりで気分も雰囲気も変わる心地良さは、一度使い始めると手放せなくなる。しかも、手を煩わせずにエコナビで勝手に節電してくれるのも嬉しい。

 鮮やかな青色とオレンジ色の光色の取り入れ方も、とても自然だ。馴染みある昼光色や電球色と組み合わせることで、普段の生活に違和感無くスッと溶け込み、昼光色や電球色では味わえない気分が実感できた。

 気になったのは調色・調光の状態が知る術がないことだろうか。無段階の調色・調光の状態がリモコンに表示されず、調節は目とボタンと勘に頼るしかないのは、なんとも心もとない。特に、とても便利だと感じた「おまかせモード」の「普段」の光色は、最後に操作した調色状態に依存する。元の「普段のあかり」を調色すると、次に「おまかせモード」で点灯した時に影響を受けてしまい、新たに調節しなければならないのが煩わしかった。

 とはいえ、最近のLEDシーリングライトの中では特に魅力的な機能を備えた製品だ。価格に見合うだけの効果的な機能が充実しており、優れた演色性も備えている。なんと言っても、あかりを積極的に楽しむ気持ちを喚起してくれることがうれしい。

 リビングルームやダイニングルームは、家の中でも長時間過ごすだけでなく、家族や友人が集う大切な場所だ。そこで営まれるさまざまな暮らしを彩り、心地良さを整えるあかりとして、本製品は大いにお勧めだ。

藤原 大蔵