家電製品ミニレビュー

低糖質ご飯と蒸し料理! ダイエットにナイスなメニューが組める「糖質カット炊飯器」

今の自分には糖質がよくないようだと感じる日々……

 年齢とともに、これまでのウェイトコントロール方法がまったく通用しなくなりました。あれこれ試した結果、半年くらい前から、ゆる~い糖質制限をしています。主食の炭水化物をできるだけ控えるだけというもので、イベントなどで出てくれば食べますし、お菓子もつまみますが、基本的に食事は肉と野菜中心にしてみました。

 すると、どれだけ頑張っても上昇を続けていた体重がストップ。痩せはしませんが、上昇は止まりました。同時に、低気圧やホルモンバランスの変化で起こっていた過眠症状が治まりました。食後の強烈な睡魔もなくなり、むくみも解消。あくまでも経験上での話ですが、私の場合、糖質がいろいろ悪さをしていたようです……。

 がしかし、ご飯を食べたいときはあります。たまにはカレーたべたーい! 炒飯もたべたーい! とそこへ、夢のような炊飯器が登場したわけです。炊いたお米の糖質を33%カットしてくれるという、サンコーの「糖質カット炊飯器」です。糖質が33%カットされた白ご飯とはどんな味わいなのか。製品をお借りして試してみました。すると、スピーディな炊飯とすっきりしたおいしさに感動。カレーに炒飯にと美味しくいただいてしまいました。

糖質カット炊飯器
メーカー名サンコー
製品名糖質カット炊飯器
実売価格29,800円

炊きながらご飯の糖質を“落とす”炊飯器登場

 糖質カット炊飯器は、普通に炊飯するだけで、ご飯の量はふだんのままに糖質だけ33%カットできるというもの。サンコーさんといえばサンコーレアモノショップでの面白いガジェットが浮かびますが、まさか炊飯器を作られるとは。

 本体サイズは、幅280×400×330mm(幅×奥行き×高さ)で、重さ6.9kg。「低糖質炊飯」機能のほかに、「蒸し料理」機能もあり、温野菜、肉、魚なども調理できます。予約炊飯機能や保温機能もあり、最大24時間保温できます。

 我が家の3.5合炊きの炊飯器と比べるとかなり大きい造りになっています。炊飯量が最大6合までなのと、その特殊な構造ゆえのようです。

一見普通の炊飯器に見えます
操作パネル部分

 「糖質カット炊飯器」は蒸気炊飯式を採用していますので、一般的な炊飯器のような内釜に水とお米を入れて加熱するのではありません。内部は外釜、内釜の2重構造で、外釜に必要な目盛りまで水をいれ、底に穴の空いた内釜にお米を入れます。内釜をセットすると水に浸るので、最初はそのままぐつぐつ加熱されますが、途中でその水を本体下部にセットしているタンク内に排出。あとは蒸し炊きにして仕上げます。

 炊飯時は「やわらかめ」「少しやわらかめ」「ふつう」「少しかため」「かため」が選べます。炊飯所要時間は昨今の炊飯器の中ではかなり短めで、6合のお米でも「やわらかめ」なら約40分、「少しやわらかめ」約37分、「ふつう」で約35分、「少しかため」約33分、「かため」なら約30分で炊き上がります。

 予約炊飯もできますが、内釜の水は一旦タンクに退避され、炊飯40分前に戻されます。お米が浸りっぱなしにならないため、夏季は衛生的だとしています。

中は蒸し器のような構造です
外釜(左)と内釜(右)
蒸気口ふた。取り外して洗えます
内ぶたは1枚だけなので、お手入れ簡単
本体には排水タンクが入っています

すっきりした味でおかずが美味しいご飯に! 各モードで炊いてみた

 本体の低糖質炊飯のモードに従って、「やわらかめ」「少しやわらかめ」「ふつう」「少しかため」「かため」すべて順番に炊いてみました。炊飯に使ったお米はコシヒカリです。

外釜の水位線まで水を入れて炊飯器にセット
お米はといでから内釜へ
外釜の中に内釜をセットする
お米の硬さを選んだら「低糖質炊飯」をタッチ
約40分弱でご飯が炊き上がる!
さっくりと混ぜて蒸らします。底に穴が空いているので不思議な感じがします
排水タンク内に溜まっていた水。約33%分の糖質を含んでいると思われます

 炊いてみたところ、3つのよさを感じました。まずちゃんと硬さが炊き分けられたこと。自分はしゃっきりしたご飯が好きなので、単体で食べるなら「ふつう」か「やや硬め」くらいがちょうどよいと思いました。硬めになると、米粒の表面にぱきっとした張りがあり、歯ごたえもでます。カレーや炒飯にぴったり。炊き分けてから小分けして冷凍保存しておくと、食べたいメニューにあわせられるので便利です。

 炊飯時間も短いところもよかったです。「ふつう」でも35分で炊けるので、調理前にご飯がないことに気づいても待たされることがありませんでした。蒸気炊飯式炊飯器の中には1時間ほどかかるものもありますから、これは嬉しい。

 そして意外にもおいしいのです。糖質を含んだお湯をタンクに排出します。タンク内の液体は白く濁り、かすかに甘みを感じるもの。それゆえ通常の白ご飯に感じる粘りや甘みはかなり減っています。しかし、イコールまずいのかというとそうではありません。むしろあり。

「ふつう」で炊いたご飯がお気に入り! 見ただけでは糖質33%カットされてるとは思えません

 確かに甘みたっぷりの白ご飯に、好きなおかずを組み合わせたときの口の中の幸福感といったらありません。「糖質カット炊飯器」のご飯は「大人の白ご飯」といった味わいで、おかずの味を感じやすくなるとでもいいましょうか。主役が白ご飯からおかずに変わる感じです。

 甘みを減らして硬めに炊いたご飯は特にカレーとの相性がよく、シャキーンといたカレーの辛さが感じられました。

 面白かったのは、内釜がスチーマー然としているので、そこにご飯が炊けているという状況。炊き上がったらすぐ混ぜて蒸らすのは同じなんですが、まさに蒸し器の中にあるようで不思議な感じがしました。

やや硬めで炊いて炒飯に。ぱらっとしていい感じに!
硬めで炊いてカレーと一緒に。日本のお米らしさをしっかり残しつつ、甘みと粘りが減るのですっきりした味わいに

「蒸し料理」も簡単で身近にできる

 「糖質カット炊飯器」のもう1つの機能が「蒸し料理」です。外釜の水位線まで水をいれたら、内釜に材料を入れて適宜調理ボタンを押すだけ。ガスコンロを使う蒸し器と違って火のそばにいる必要はありませんし、時間が来れば勝手に調理が完了するのもメリットです。

 調理ボタンには温野菜と肉、魚の3つがあり、蒸し魚料理は沸騰して約8分間、蒸し肉料理は沸騰して約20分間、温野菜料理:沸騰して約25分間蒸気で蒸されます。

 そこで、ブロッコリー、にんじん、しいたけ、さつまいもをつかった蒸し野菜と、鶏もも肉、キャベツ、しいたけ、長ネギをつかった蒸し肉料理、牡蠣と鍋料理の定番食材をつかった蒸し魚料理を作ってみました。

食べたい野菜をどんどん入れて蒸します
ブロッコリーに蒸し時間25分は長すぎたようです
根菜類もほくほく柔らか

 もともと「糖質カット炊飯器」の構造自体がスチーマーなので、蒸し物作りにはぴったり! 野菜はとろけるかと思うほど柔らかくなりましたし、蒸し肉料理はポン酢をかけて食べたら超簡単&ヘルシー料理になりました。鍋いっぱいの野菜も、蒸すとぜんぶ食べられてしまうから不思議です。

キャベツを敷き詰めた内釜に、鶏肉と長ネギ、椎茸などを入れます
残っていた蒸し野菜も一緒に入れて。蒸し料理はポン酢を掛けるだけでうまい!

 鍋の材料を使った蒸し物では、ポン酢でいただいた後、外釜に溜まった食材のうま味入りの液体と、冷凍しておいた低糖質ご飯を普通の鍋に入れて雑炊を作ってしまいました。罪悪感の少ない雑炊の完成です。本来なら〆の雑炊なんて食べるな、と自分に言い聞かせるところですが、どうしても食べたいなら、低糖質ご飯を少なめに使って作るのも悪くないのではと……。

鍋の定番食材も蒸し時間15分程度でしっとりやわらか
鍋よりも簡単かもしれません。簡単なので毎日作ってもいいと思いました
外釜内に溜まっていたうま味入りの液体
低糖質炊飯で炊いたご飯を入れて煮込むと、罪悪感がちょっと少ない雑炊の完成

 使い終わったあとは釜を洗うだけなので、準備から片付けまでがとても楽でした。油を使わず、脂を落とせる蒸し料理はヘルシー。毎日使ってもいいなと思いました。

 ちなみ温野菜モードは少々加熱時間が長いかもしれません。肉も野菜も蒸すなら、蒸し肉料理あたりが一番バランスがよさそうです。場合によっては蒸し魚料理のボタンを2回押すという手もあります。自分がよく食べる食材にベストな時間を探しましょう。

ダイエットメニューの維持に必須かも

 当初は薄味に感じていても、食べているうちに慣れてしまい、何も感じなくなります。もちろん好みはありますが、そもそも糖質をカットしたいわけです。本来なら我慢しなくてはいけないご飯が食べられるのですから、こんな嬉しいことはありません。

 先にご飯をたくさん炊いて冷凍しておけば、ふだんは蒸し器として活躍させることができるので、調理の手間も省けそうです。

いつも炊飯器を置いている台
糖質カット炊飯器は高さがギリギリでした

 気になることもありました。1つは釜内部の水位線が見にくいこと。よく目をこらさないと分からないのが困りました。また排水タンクの洗いにくさと耐久性にも不安があります。タンクの蓋は大きく開くのですが、全部取り外せるわけではありません。筆者がお借りしたモデルはふたの取り外しにかなり力を必要としました。また無理矢理開け閉めしていると、材質的に壊れそうなところも心配でした。このあたりが改善されたら、さらにいい炊飯器になりそうな気がしています。

 とりあえず返却前にご飯をとことん炊いてストックしておかなかったことを、ちょっぴり後悔しているところです。本気で食事を変えようとしている方は、取り入れてみると美味しく改善できるかもしれません。

すずまり