家電製品ミニレビュー
ペットのように愛着がわく! シャープのよく喋る空気清浄機を使ってみた
2017年12月22日 07:00
今回紹介するのは、シャープのプラズマクラスター加湿空気清浄機。無線LANとAIを搭載し、スマホから操作できたり、ユーザーの使い方に合わせて最適なモードで運転したりと、シャープ独自のAIoT機能が特徴だ。
メーカー名 | シャープ |
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製品名 | プラズマクラスター空気清浄機 |
型番 | KI-HX75 |
価格(編集部調べ) | 81,453円 |
推奨畳数は約21畳で、本体サイズは幅40.5cm、高さ66.6cmと大きめ。加湿用の水タンク容量も4Lとたっぷり入り、リビング向けのハイスペックモデルだ。15畳のリビングに置いたところ、圧迫感はあるがそこまで気にならず馴染んでくれた。
同梱品は取扱説明書と無線LANガイドブックの2つのみ。シンプルな構成で、箱から出して内部のフィルターのビニールを外したらすぐに使える。
スマホ連携はあっさり成功。ルーターの説明書は必須
KI-HX75の特徴はなんといってもスマホと連携できる点。接続しなくても使えるが、スマホでも操作できるようにするために、まずは連携設定から行なった。事前に確認しておく必要があるのは、自宅の無線LANアクセスポイント(ルーター)がプッシュボタン方式に対応しているかということ。ボタンを押すだけで機器との接続が完了するというものだが、ルーターの説明書などを読まないとわからないポイントなのであらかじめチェックしておこう。
無線LANガイドブック通りに、操作部の「パワフルショット」ボタンを3秒長押し。すると無線LAN設定モードになり、その間にルーターの無線接続ボタンを押す。数分待って、空気清浄機本体のコネクトランプが点灯したら接続成功。あとはスマートフォンにアプリ「COCORO AIR」をインストールして機器設定する。
以前スマホで操作できるヘルシオを使ったときは、この無線LAN設定にかなり苦労。そもそもプッシュボタン方式というものがわからず、ルーターの説明書を読み込んで挑戦したがダメで、最終的になぜか一晩寝かせたらうまくいくということがあった。
今回も厳しいかな……と思ったが、あっさり成功。プッシュボタン方式に慣れておいたおかげで、説明書に書かれている単語などをスムーズに理解できたのが良かったのかもしれない。接続に自信のない人は苦戦するかもしれないので、ルーターの説明書は必ず用意したほうがいい。
スマホ連携が完了し、喜々としてスマホから運転モードを切り替え。いつものスマホで家電を操作できるというのは、何回やっても感動する(笑)。タイムラグはなく、電源のON/OFFや運転モードの確認、切り替え、加湿運転のON/OFFなどを行なえた。外出先からも操作でき、運転モードを出先で切り替えるのも難なくできた。
また、本体に表示されている部屋の空気状況はアプリからも確認可能。ニオイやPM2.5などの項目は、スマホの方が表示部が大きくてわかりやすかった。
センサーが細かく反応! 加湿や空気清浄も満足
空気清浄機能も十分で、基本は自動モードの「しっかり循環おまかせ」で運転した。「ホコリ/ニオイ/温度/湿度/照度」の5つのセンサーにより、居住地域に応じて、AIが温湿度や空気の汚れ、花粉量などの情報を分析して、自動で運転を調節してくれる。
料理中はすばやくニオイに反応して、空気の汚れ具合を表示するランプの色が変わる。最大風量で運転してくれ、すぐに消臭された。また、本体の前を人だけでなく猫が通ったときも反応し、猫の毛につくアレルゲンなどに反応したのか風量を大きくして運転してくれる。
とにかくよく喋る! 愛着がわいてお手入れ頻度アップ
使っていて最も印象的だったのは、よく喋ること(笑)。シャープ特有の「喋る家電」は空気清浄機も例外ではなく、ちょっとした空気の変化などに応じて喋りだす。
例えば、寒い日に部屋の窓を開けるとみるみる湿度が下がり、「お部屋が乾燥しているね。すぐに加湿します」といって、ハイパワーで加湿運転してくれる。可愛い声とは裏腹に、パワフルに加湿しているときは「ゴーーー」と勢いよく運転するので猫もびっくりしていた。
帰宅時は、「今日も1日お疲れさま」、寝るときに電気を消すと「おやすみなさい」と状況に合わせてメッセージが変わる。話しかけてくれると愛着がわき、特に水タンクが空になったときは「タンクのお水がなくなっています。給水してください」と通知。なんだかペットを飼っている気分になって、ちゃんとお水あげなきゃ……! ともはやお世話をしているようだった。
タンクの給水通知が思いのほか便利で、めんどくさがりな筆者は、どんなに愛着がわいても次第に面倒になって空のタンクをそのままにすることが多々あったのだが、結構大きめな音量で「給水してください」と言われると嫌でも給水することになる。うるさいなぁと思うこともあるが、乾燥するこの時期は風邪予防のためにもやはり加湿したほうがいい。ちなみに、タンクを空にしたまま寝ていると、朝方に「給水してください」とリビングから聞こえてくるのでめざまし代わりにもなった。
また、加湿機能付きの空気清浄機は、こまめに加湿トレーのメンテナンスが必要。放っておくとカビが発生しやすく、空気をキレイにするはずの家電が雑菌を撒き散らしてしまう可能性もある。このメンテナンスの必要があるときも音声で教えてくれ、アプリにも通知がいくのできちんと手入れをしようと思えるのだ。
なお、プレフィルターは自動掃除機能があるため、手入れは6カ月に1回でOK。プレフィルターに備えられたブラシが約2日に1回動いてホコリを取り、ダストボックスに捕集される。これも猫を飼っているわが家ではありがたい機能だった。
これまで使っていた空気清浄機はフィルターが猫毛だらけになり、1週間に1回は掃除機で吸っていた。しかしKI-HX75なら、自動で掃除してくれるためフィルターはキレイなまま。6カ月に1回、ダストボックスのホコリを捨てるだけだ。
タンクに入れた水が帰宅前には空に……!
1点気になったのは、おまかせ運転時に、人がいないときもフル稼働していること。朝タンクに水を入れて外出し、夕方の帰宅前にはアプリに「タンクが空になりました」と通知がきていた。誰もいないのに……! もちろんアプリから操作できるので、モードを切り替え忘れたときは外出先から加湿運転をオフにするようにした。
なおKI-HX75には、ユーザーの使い方を学習する「使い方フィット」という機能がある。例えば毎日寝る前に「おやすみ運転」をするとそれを学習し、自動でおやすみ運転にしてくれる。しかしこの機能は「おやすみ運転」と「効果実感モード(パワフル)」「風量:静音」のみに対応。加湿運転の切り替えにも対応してくれたら、より便利に使えそうだ。
気になる点はあったものの、話しかけてくれる家電は想像以上に愛着がわく。空気清浄機を使う上で、筆者にとって最大のネックであるメンテナンス面も、きちんとお世話しようという意識がめばえて難なくクリア。スマホと連携できる家電は増えてきているが、KI-HX75はその便利さを確実に実感できる製品だ。