家電製品ミニレビュー

紅茶や抹茶を楽しむのにもオススメなコーヒーメーカー

家族それぞれの好みに対応できるカプセル式コーヒーメーカー

 関東でも本格的に寒さが厳しくなってきた。筆者宅の朝食は、ほとんどがトースト。湯気がゆらっと立ち上がる紅茶やコーヒーと合わせて飲む。筆者は紅茶派で妻はコーヒー派、息子は麦茶か牛乳と、3人家族がバラバラだ。

 そんな家庭にもピッタリだという、カプセル式のコーヒーメーカー、ネスカフェ ドルチェ グストを試してみた。「ルミオ」という半球形の水タンクを採用したモデルだ。

ドルチェ グスト ルミオ
メーカー名ネスレ日本
製品名ドルチェ グスト ルミオ
価格(編集部調べ)6,281円(税抜)

 筆者は紅茶(ミルクティー)の作り方は知っているが、コーヒーの美味しい淹れ方を知らない。そこで朝は、自分の紅茶は作るが、妻のコーヒーは淹れられない。淹れてくれと言われても、面倒なのと適当な作り方が分からず毎回違う淹れ方をするのが嫌だから、たいてい淹れない。

 初めてルミオを試した時に、コーヒーをあまり飲まない筆者でも、湯気と一緒に立ち上るコーヒーの匂いが美味しそうだなと思った。実際に飲んでみると、コーヒーが豆だった頃を思い出させるほど、味の芳醇さを感じた。妻に手渡し、ひと口飲むと「美味しいね、これ」と言う。期待値が低かったこともあるだろうが、飲み終わってからも「ホントに美味しかった」という感想。使い方を教えると、その後は自分でも作るようになった。

本体背面にある半球形の水タンクが特徴
水タンクが背面にありながら、正面からでも水の量がひと目で分かる

 使い方と言っても、ごく簡単だ。電源コードを差して、水タンクいっぱいに水を入れる。タンクを本体後方にセット。コーヒーのエッセンスが入ったカプセルをホルダーにはめて、本体に装着。ロックパネルをギュッとおろしたら、湯量の調節をして抽出レバーを右側に倒す。

 あとはギュ〜ン……ギュンギュンギュン……ギュンギュンギュンと唸りながらコーヒーなどが抽出されていくのを待つだけだ。カプセルをセットしてから、淹れ終わるまでの時間は、せいぜい1分くらいだろう。

本体上部のロックパネルを上げて、カプセルホルダーを取り出す
取り出したカプセルホルダーのフタを開ける
好みのカプセルをホルダーに入れる
ホルダーのフタをギュッと締める
ホルダーを本体にセット
少し力を入れながらロックパネルを下げる
本体上部の抽出量調節ホイールを回して設定
上部後方の抽出レバーをホットドリンクの場合は右に傾け、抽出されるのを待つ

ティーラテや抹茶も楽しめる

 コーヒーを飲まない人にもルミオ、というか「ドルチェ グスト」シリーズのカプセルには、ティーラテや抹茶などがある。筆者は普段、ミルクティなので、このティーラテの味が、いかほどかに関心があった。少しだけ健康指向の妻は、製品が届く前から抹茶も飲みたい! と言っていた。

 まずはティーラテを作ってみる。ティーラテの箱には、カプセルが2種類ある。1回目は白いカプセル(ミルク)を、2回目に茶色のカプセル(紅茶)を抽出する。程よく泡立ったミルクの中に、紅茶が注ぎ込まれていく様子を見ているだけで、けっこう美味しそう。少しテンションが上がる。

 カフェで出てくるティーラテやカフェラテは、泡立ちが良すぎて苦手なのだが、ルミオのラテの泡立ちは程よい感じ。混ぜると紅茶の味も舌触りも優しくなって美味しい。

程よい泡立ちのティーラテ

 ただし、ティーラテに最初から砂糖(? 甘味料)が入っているのは賛否が割れるところだろう。筆者には、ほんの少し甘すぎる。できれば、やや甘みは少なめにして、甘さが足りなければ自分で足して調整できるようにしてもらいたい。

 「濃い抹茶」も試してみた。こちらは1カプセル(杯)=約110円と、少し緊張する値段だ。コーヒーやティーラテと同じように、カプセルを本体にセットし、抽出量の目盛りを3に合わせて、抽出レバーを倒す。ギュルギュルギュルゥ〜っと唸りながら、すぐにコップの中に抹茶が抽出される。

 見た目はホンモノっぽい。と言っても、筆者が抹茶をいただくのは、今まで京都や鎌倉のお寺で飲んだ3-4回くらいしかない。それでも、緑色の泡立ち方を見ていると、実際にお茶を点てた時のような雰囲気だ。

「濃い抹茶」のカプセル
「濃い抹茶」を抽出。苦い!……けど、この苦さがホンモノっぽい

 ひと口飲んでみると、苦い……とっても苦い。この時はチョコレートケーキと一緒に飲んだので、急いでケーキを頬張る。すると苦さと甘さが混ざりあって、程よい感じになる。緩急両極端な苦味と甘味が、両者ともに美味しく感じさせてくれる。

 ケーキを食べる時に濃い抹茶を飲んだが、濃い抹茶だけで飲むのには苦すぎる。そこで少しアレンジしてみることにした。牛乳を少し入れて、抹茶ラテ風にしてみようと考えた。テキトーに牛乳をコップに入れ、その中に濃い抹茶を抽出。少し混ぜて飲んでみると、味にまろやかさが加わって飲みやすい、というか美味しい。好みで砂糖を加えてもいい。これなら甘い菓子がなくても、抹茶を美味しく楽しめる。

「濃い抹茶」の抽出前に牛乳を入れてみた
抹茶ラテ風。見た目は「濃い抹茶」と変わらないが、味がまろやかに

 「濃い抹茶」の他にも、「宇治抹茶ラテ」や「宇治抹茶」というカプセルもラインナップされている。「濃い抹茶」の濃さが苦手だなと感じたら、そちらを試してみるのもいいだろう。また、抽出量を変えてもいいだろう。「濃い抹茶」の、推奨の抽出量は目盛り3だが、4-5くらいで抽出すると抹茶の味が薄まる。このあたりは好みを探ってみるといい。

来客時に、ちょっとコーヒーでもいかが? というのにちょうどいい

 我が家には、実母や義理の父母や叔母、ママ友などが毎週のようにやってくる。今まではお茶を出したり、コーヒーを作ったりと大変だった(主に妻が、ですけどね)。そうした来客時にも、ルミオは活躍してくれる。

 義理の父母が来た際に、1杯ずつふるまった。美味しいねこれ、と言う義父母は、郊外で小さなスーパーを経営している。今までは休憩時に缶コーヒーなどを飲んでいたが、「ネスカフェ ドルチェ グスト」シリーズを買いたいと言い出した。

 なぜか聞くと、「いちいちお湯を沸かさなくてもいいから手軽だし、缶コーヒーよりも美味しい。それに本体が小さいからバックヤードに置いておきやすいでしょ。メンテナンスも水を入れるだけなら、誰でもできるし」とのこと。自分たちはもちろん、数名の従業員が使うので、作るのとメンテナンスの簡単さが、決め手となったようだ。

 ちなみに、使用後に汚れを洗うのも簡単だ。まずカプセルホルダーは、ほとんど汚れない構造になっている。少し汚れる可能性もあるが、すぐに水洗いすれば、簡単に落ちる。他に、抽出トレイも汚れることがある。汚れたら、トレイを本体から外して、水洗いなり洗剤を使って洗えばよい。

何度か抽出したあとにカプセルホルダーをじっくり見てみたが、目立った汚れは見つからない。汚れていれば、水洗いもできる
抽出トレイも外して水洗い可能
カップを置く台(抽出グリッド)も外せて水洗いできる

 言うまでもなく「ドルチェ グスト」シリーズは、カプセルが決め手となる。初代のドルチェ グストが発売してからも、徐々にカプセルのラインナップが増えているが、今後も増えていくだろう。個人的には、コーヒーや抹茶と同じくらい、紅茶のバリエーションが増えて美味しさがアップすると嬉しい。

各種カプセル。Webサイトで見ると20種類以上のラインナップ

河原塚 英信