家電製品レビュー

空気清浄機とWi-Fiを繋いだらこうなった! 「Blueair Sense+」が提案する新しい空気のカタチ

空気清浄機能のみを搭載した“特化型”の空気清浄機「Blueair Sense+(ブルーエア センスプラス)」

 今回紹介するのは、空気清浄機能のみを搭載した“特化型”の空気清浄機「Blueair Sense+(ブルーエア センスプラス)」と、室内の空気の状態を可視化するエアーモニター「Blueair Aware(ブルーエア アウェア)」だ。いずれも、2月に発売になったばかりの新製品だが、一番の特徴はWi-Fiと接続して使えること。

 1年365日、24時間、空気清浄機を付けっぱなしにして使っている根っからの空気清浄機愛用者としては、Wi-Fiと接続する空気清浄機に関して「どんな意味があるの?」と正直、懐疑的だった。しかし、実際、Wi-Fiと接続して使ってみると、空気清浄機の新しいカタチが見えてきた。

メーカー名Blueair
製品名Blueair Sense+(ブルーエア センスプラス)
購入場所ブルーエア公式ウェブサイト
購入価格54,500(税抜)
Wi-Fiと接続することで、これまでにない新しい使い方を提案する
別売りのエアーモニター「Blueair Aware(ブルーエア アウェア)」。価格は25,000円(税抜)

空気清浄機をWi-Fiにつないだら……

 空気清浄機をWi-Fiにつなぐと何ができるのか。

 想像の範囲内でいうと、例えば外出先から、自宅にある本体操作ができる、運転状態の確認、スマートフォンによる機能設定などが考えられる。確かに、それらの操作には、全て対応している。

スマートフォン用アプリ「Blueair Friend(ブルーエアフレンド)」と連動させて使う
Wi-Fi接続設定は簡単。スマートフォンを接続している自宅のWi-Fiに、機器を接続するだけ
Blueair Awareも簡単に接続できる
接続完了画面
現時点で、スマートフォン用アプリ「Blueair Friend(ブルーエアフレンド)」と連動して使えるのは2機種のみ
外出先から運転状態を操作できる
LEDの明るさなど細かい設定もスマートフォンから行なえる。これらの設定は本体のみでは行なえない
夜間はライトを暗くする、運転音を小さくするなど「ナイトモード」の設定も曜日ごとにスタート・ストップ時間が選べる

 スマートフォンで操作できるのは、確かに手軽ではあるが、こと空気清浄機に関しては、それほど、必要性を感じないし、これらの機能は、Wi-Fi接続可能なほかの家電製品でも対応しており、新しさは感じない。そう、「Blueair Sense+」のWi-Fi接続機能はこれだけではないのだ。

家の中だけでなく、外の空気環境もリアルタイムに知ることができる

別売りのエアーモニター「Blueair Aware」と連動して使うことで、室内のPM2.5、VOC(揮発性有機化合物)などの微粒子やニオイ、温度、湿度をリアルタイムに観測できる

 まず大きな特徴の1つは、別売りのエアーモニター「Blueair Aware」(ブルーエア公式ウェブサイトでの販売価格、25,000円(税抜))と組み合わせることで、室内のPM2.5、VOC(揮発性有機化合物)などの微粒子やニオイ、温度、湿度をリアルタイムに観測でき、外出先でいつでも確認できるということ。自宅の室内のかなり細かい情報を確認できるのは、思った以上に興味深く面白い。

 室内が汚れていたら、本体の運転状態を強にすることもできるし、エアーモニター「Blueair Aware」と、空気清浄機「Blueair Sense+」を組み合わせてのオート運転も可能だ。例えば、子供部屋の室内環境が適切なのか、あるいは寝たきりの祖母が居る室内環境が適切なのか、仕事の合間など、いつでも確認することができる。

室内の空気の状態をリアルタイムで確認できる。画面は自宅のリビングの状態。掃除した後だったので、室内は少し汚れているという表示
室温や湿度も確認できる
日、週、月ごとの空気環境の変化をグラフで確認できる

 2つめの特徴は、家の中だけでなく、外の空気環境も確認できるということ。例えば、今日の東京の外気はキレイなのか、汚れているのか、PM 2.5の数は多いのか、少ないのかといった情報をこちらもリアルタイムで確認できる。さらに嬉しいのは、空気環境を発表している各国・各都市の空気状態も確認できるということ。日本でいえば、北海道、東京、横浜、福岡など、各都市に対応しているほか、世界約3,000都市に対応。

 最近何かと話題に上ることが多い、中国の空気環境は今どうなのか、出張先の都市の空気環境はどうなのか、専用のスマートフォンアプリを通して、リアルタイムの情報を得ることができる。

東京の外気の状態をリアルタイムで確認できる
日本の主要都市を含む、世界約3,000都市に対応する

 世界中の空気環境を世界のどこからでも、チェックできるというのは、これまでにない新しい体験だ。今後、花粉や黄砂といった情報も組み込まれてくると、さらに可能性が広がるかもしれない。

基本性能は間違いない!

 空気清浄の基本性能についても触れておこう。

 Blueairという空気清浄機は、スウェーデンの空気清浄機専業メーカー、ブルーエア社のもの。空気清浄機能だけに特化した製品で、目詰まりしにくく、風量を維持できるという、目の大きさの異なる3層フィルターと、粒子イオン化技術を組み合わせた独自の「HEPASilent(ヘパサイレント)テクノロジー」を搭載しており、その実力は折り紙付き。フィルターは半年ごとの交換を推奨しており、日常的なメンテナンスは基本的に不要としているのも、海外製品らしいアプローチだ。

フィルターは本体底部から引き出して交換する
脱臭フィルター
目の大きさの異なる3層フィルターを採用
半年に1回程度の交換が必要

 私自身、数年前から使い続けている製品で、ひどい花粉症の友人にも推薦して喜ばれている。なお、適用床面積は11畳(洋室の場合)。

海外メーカーらしい“尖った”デザインがカッコ良い!

 デザインに関しても大満足だ。「Blueair Sense」シリーズは、ブルーエア社のラインナップの中でも、デザイン性に優れたモデル。スチール製の本体に強化ガラスを組み合わせたデザインは、日本の空気清浄機ではちょっと見られない、センスを感じる。操作ボタンなどは一切設けずに、天面で手をスライドさせて操作する「モーション操作」を採用する。

海外メーカーらしい“尖った”デザイン
天面は強化ガラスを採用。操作ボタンなどは一切ない
手をかざして操作する「モーション操作」を採用
運転状態は円で表示される

 本体カラーは、ポーラーホワイト、グラファイトブラック、ウォームグレー、ルビーレッド、ミッドナイトブルー、リーフグリーンの6色を揃えており、設置場所に応じて、選ぶことができる。

 わが家では、リビングのソファーの色に合わせてミッドナイトブルーを選んだ。落ち着いた色味ながら、存在感があって気に入っている。

ソファーの色に合わせてミッドナイトブルーを選択

空気を考えるきっかけに

 空気清浄機とWi-Fiをつなぐ必要があるの? 懐疑的な気持ちで使い始めたが、思ったよりも便利に楽しく使っている。

 空気は目に見えないもので、その空気がきれいなのか、汚れているのか、素人には判断がつかない。空気の正確な状態が分かれば、「今日は外気がきれいだから、布団を干そう」とか、「室内の空気を入れ換えよう」といったアクションを起こすきっかけができる。これまで特別考えることのなかった、空気環境というものをもっと身近に感じられるようになった。

阿部 夏子