家電製品ミニレビュー

マッサージしながら乾かせるのが新しい! シャープの育毛ドライヤー「スカルプエステ」

 振り返ってみると、2016年はドライヤーが豊富だった。パナソニックがナノケアでシェアNo.1を守り続ける中、ダイソンからは初の美容家電としてスーパーソニックが発売。そして、シャープが頭皮ケアもできるドライヤー「スカルプエステ」を投入した。今回は、スカルプエステを使ってみたので、その使い心地をレポートしよう。

シャープ「プラズマクラスタードライヤー スカルプエステ」
メーカー名シャープ
製品名プラズマクラスタードライヤー スカルプエステ
型番IB-GX9K-B
実売価格19,198円

 スカルプエステは、約1.7m3/分のパワフルな風量にくわえ、「かっさアタッチメント」が付属する点が特徴。皮膚を心地よい強さで刺激する美容法「かっさ」からヒントを得ており、5本指のような独特な形状をしている。吹き出し口に取り付けて使うもので、温風を出しながら頭皮マッサージもできるという。

 同社独自のイオン技術「高濃度プラズマクラスターイオン」を搭載しており、かっさアタッチメントをつけて頭皮にすべらせるように使うことで、イオンを効率よく地肌に届けられるとしている。プラズマクラスターイオンの髪に対する効果は、静電気の抑制、保湿、皮脂バランスを整えてフケやかゆみの抑制などが挙げられている。

パッケージ。ギフトとしても喜ばれそうなデザインだ
同梱品。左から、かっさアタッチメント、セット用ノズル、清掃用ブラシ、取扱説明書
本体
かっさアタッチメントを付けた状態

4分で速乾! 毛先がツルツルで手触りも◎

 まずはかっさアタッチメントを付けずに濡れた髪を乾かしてみた。ハンドル部で風量、ヘッドのMODEボタンで風温を切り替えられる。風量/風温ともに最大の「TURBO/HOT(約115℃)」で運転スタート。

 速乾構造として、高速飛行を誇るアマツバメの翼を応用しており、TURBO時の風量はかなり強い。しかし、風の勢いはあっても、髪が絡まったりすることはなくスムーズに乾かせた。全体を乾かしきるのに掛かった時間は約4分。普段は5分以上掛かるので、量が多いロングヘアでもストレスなく使えた。

 また、プラズマクラスターで静電気が除去されているからなのか、乾かしている最中からすでに髪がツルツルしてくる。手触りがとても良く、サラサラになっていた。一晩経って寝起きの仕上がりは、横から見ると少しうねっていたが、毛先はまとまっていてそのまま出かけられるレベル。朝ヘアセットに時間が掛からないのは嬉しいポイントだ。

ハンドル部で風量の切り替え。MODEボタンを押すと、温度が「HOT(約115℃)/WARM(約75℃)/SCALP(約50℃)」に切り替わる。冷風を出す「COLD」と、温風と冷風を交互に出す「BEAUTY」ボタンも搭載
最大風量の「TURBO」と、温度が高い「HOT」で乾かした。風の勢いがスゴい
寝起きの毛先。まとまっている
横から見た図。少しうねったが、出かけられるレベル

かっさアタッチメント装着! うっかり寝落ちしそうになる心地よさ

 速乾性が確認できたところで、今度はかっさアタッチメントを付けて頭皮ケアもしてみた。説明書には頭皮マッサージの方法が載っているので、迷わずに使える。

 頭皮ケアのタイミングは、お風呂上がりにドライヤーを使って、ある程度乾いたところでかっさアタッチメントを装着するのがオススメとのこと。1日1回、5分のマッサージを推奨している。

説明書に頭皮マッサージの方法が載っている

 かっさアタッチメントを装着すると、センサーが反応して温風温度が約50℃の「SCALP」モードか、冷風の「COLD」モードしか選択できない仕組みになっている。アタッチメントは直接頭皮に触れるが、熱くなりすぎず快適に使える。

 まず生え際から頭頂部にすべらせてみると、なんともいえない感触に驚く。なんだこれは……めちゃくちゃ気持ちいいぞ……! 5本指のような形状は、いずれも先端が少し丸くなっていて頭皮にやわらかく当たる。程よいやわらかさがありながらも、弾力があるため頭皮はしっかり刺激されていた。

 特に後頭部のマッサージが気持ち良く、背中がゾクゾクする感覚があり、一瞬で寝落ちしそうになる程だった。人の指でツボ押ししてもらっているような感覚なため、眉間やこめかみなどにも押し当てると、日頃のパソコン仕事でコリ固まった目や頭もじんわりほぐれていく。50℃の温風が出るSCALPモードに設定すれば、温感マッサージのようにもなるのでオススメだ。

生え際に
後頭部がめちゃくちゃ気持ちよかった

 また、アタッチメントで髪を掻き分けられるため、乾きにくい根元にも温風を当てやすい。毛量が多いと髪の表面や生え際など、乾かしやすい場所ばかりに風を当てがちになるが、これなら最後まで湿ったままになっている根元もラクに乾かせる。

 5分の頭皮ケアを終えた後は、正直あまり違いがわからなかったのだが、皮脂バランスが整ったのかなんとなく髪がしゃっきりした印象。頭皮の皮脂が多い人であれば、より効果を感じられそうだ。

 シャープは、以前に発表したプラズマクラスターの育毛効果については、スカルプエステには直接関係ないとしている。しかし、頭皮を動かすことで血行が良くなり、育毛剤などが浸透しやすくなるという説もある。長期で使い続ければ育毛効果も期待できるかもしれない。

前から後ろへはかき上げるように
乾きにくい根元も、スカルプエステでマッサージしながらだとストレスなく乾かせる

 ひとつ気になったのは、かっさアタッチメントが本体から取り外しにくいこと。外すときはボタンを押しながら引き抜くのだが、結構硬く両手に力を入れないと外れない。

 また、本体裏側の吸い込み口はホコリが溜まると風量が落ちるので、こまめに掃除する必要がある。吸い込み口はななめになっているので、ティッシュでさっと拭けば簡単にキレイになる。

外すときはアタッチメントについた突起のようなボタンを押しながら引き抜く
硬くて引き抜きづらかった
吸い込み口
吹き出し口

 これまでさまざまなドライヤーを使ってきたが、その中でもシャープのプラズマクラスタードライヤーは筆者の中で評価の高い製品だった。風量の強さと仕上がりの良さを両立しており、バランスの良い製品という印象があった。ツルツルになった髪はずっと触っていたくなるほどだ。

 そのイメージはスカルプエステでも変わらず、さらにかっさアタッチメントが付いたことで頭皮マッサージもできるようになったのはポイントが高い。このかっさアタッチメントが想像以上に気持ち良く、普段マッサージしにくい頭を日常的にほぐせるようになり、髪を乾かすのが至福の時間になった。

 頭皮環境が気になる男性だけでなく、頭のコリをほぐしたい、仕上がりのキレイさにもこだわりたいといった女性のニーズにも応える製品だ。

西村 夢音