家電レビュー
挽きたて味わえる約2万円のコーヒーメーカーが「仕事を始めるスイッチ」に
2026年4月20日 09:04
全自動コーヒーメーカーは、豆と水を入れてスイッチを押すだけで、手軽に挽きたてコーヒーが楽しめるアイテム。
できるだけ予算は抑えたい一方で、「良い豆を買ったのに、コーヒーメーカーの性能が追いつかずポテンシャルを引き出しきれていないのはちょっと……」と感じる人も多いのではないでしょうか。
そこで注目したのが、BRUNOの「コーン式ミル付き全自動コーヒーメーカー」(21,780円)。手に取りやすい2万円前後の価格帯ながら、上位モデルで採用されることの多いコーン式ミルを搭載しているのが特徴です。タイマーモードも備えており、好きな時間に挽きたての1杯を用意できます。
今回は実際に使用し、その味わいと使い勝手を検証してみました。
やわらかでおしゃれなフォルム
「おしゃれ家電」ブランドとして人気のBRUNOらしく、全体的な見た目の印象は良好です。ブラックカラーながら無骨さはなく、角の取れたやわらかなフォルムには好感がもてます。15.5×23cm(幅×奥行き)のスリム設計で圧迫感が少なく、キッチンワゴンの一角にもすっきり収まります。
前面にはタッチパネル式の操作部を採用していますが、パネル面は指紋が付きやすく、照明の当たり方によってはやや目立つ点が気になりました。ボタンは11種類と多め。アイコンの下に小さく文字説明はあるものの、初見では「どのボタンがどの機能か」を瞬時に見分けにくい場合も。
直感的な操作には少し慣れが必要で、電源ボタンとスタートボタンを押し間違えてしまうこともありました。家族みんなで使う場合は、操作方法を共有しておいたほうがよさそうです。
挽き目は無段階で調整できる
1〜4カップ(最大水量580ml/抽出容量480ml)を抽出でき、家族数人分のコーヒーもまとめて用意しやすい容量です。
味の濃さは「スタンダード」と「ストロング」の2種類から選択可能。さらに挽き目は、粗挽き〜中挽き〜細挽きの間を無段階で調整できます。ホッパーを回転させて挽き目を変える仕様で、調整は簡単。
実際にホッパーを最大の粗挽きと細挽きに振って飲み比べてみると、味の印象ははっきり変わりました。粗挽きでは酸味がより前面に出た軽やかな風味に、細挽きでは苦味が強調された引き締まった味わいになります。
2~3段階の切り替えまでのモデルが多い中、無段階で挽き目を調整できることは、全自動でも自分好みの味を細かく突き詰められる大きな魅力だと感じました。同じ豆をたっぷり買っても、挽き目を変えながら飽きずに楽しみやすいです。
使い方はシンプルで簡単
基本的な操作はとてもシンプルです。ペーパーフィルターをセットし、豆と水を入れてスイッチを押すだけで、豆から挽いたコーヒーを楽しめます。詳しい手順は以下の通り。
- ペーパーフィルターをセット
- 豆をホッパーに投入
- 水タンクに水を入れる
- ガラスサーバーをセット
- 電源を入れて豆アイコンをタッチ
- 濃さや保温設定を選ぶ
- 「▶」ボタンで抽出スタート
ボタンを押してから抽出完了するまでの時間は、1杯分で5分39秒、3杯分で8分30秒程度。じっくり抽出するタイプで、特別早いわけではないものの、「長くて待ちきれない」と感じるほどではありません。
操作感は全体的には良好。ペーパーフィルターをセットするスペースに適度な余裕があり、フィルターがくしゃっとよれにくく、ストレスなくセットしやすいです。
動作音は最大で約80dB(地下鉄の電車音くらい)とやや大きめで、集合住宅の我が家では夜間の使用は少し気になりました。ただし、ミルが大きな音を立てる時間はおよそ10秒程度と短く、体感としてはそこまでストレスになるほどではありません。
毎日のお手入れは、ガラスサーバーとドリッパーを洗う程度でOK。ペーパーフィルター採用のため、使用後はペーパーごと粉をまとめて捨てられ、お手入れ自体はかなり手軽です。
コーン式ミル採用で、豆の個性を感じられる味わいに
コーヒーミルには一般的に「プロペラ式」「コーン式」「臼式」の3種類があります。このうちプロペラ式は価格が手ごろな一方で、粒の大きさが不均一になりやすく、味の安定性に欠けると言われています。
本機は約2万円という手頃な価格ながら、上位モデルで採用されることの多いコーン式ミルを搭載しているのが特徴です。
今回はコーヒー豆に「ドトール コーヒー グアテマラ」を使用し、レギュラーモードで抽出。飲んでみると、コーン式ミルの効果もあってか、「やはり挽きたてはおいしい」と素直に感じられる味わいでした。
やや口当たりは軽く、明るい印象のある味わいに。フルーティーな香りが心地よく感じられ、豆の個性も引き出されていると感じます。
また、本機の「レギュラーモード」と「ストロングモード」で味わいがはっきりと変化する点も好印象でした。ストロングモードではしっかりとした苦味が加わり、より力強い味わいに。苦味が好みの筆者としては、ストロングモードの仕上がりが特に気に入りました。
より高価格帯の全自動コーヒーメーカーのほうが、全体のバランスが一段整っている印象がありますが、約2万円という価格やコンパクトなサイズ感を踏まえると、日常的に挽きたてコーヒーを気軽に楽しみたい人にとって、十分満足度の高い1台だと感じました。
タイマーモードは、仕事の背中を押すきっかけに
本機はタイマーモードを搭載しており、24時間以内の好きな時間に予約できます。寝る前にセットしておけば、翌朝には自動でコーヒーができあがっているので、忙しい朝でも挽きたての1杯を楽しめます。
筆者にとってタイマーモード付きのコーヒーメーカーは初体験。とくに便利だと感じたのは、「仕事を始めるスイッチ」として活用できる点です。最近は仕事を始めるタイミングでコーヒーを淹れるようにしているのですが、時間が近づいてもスイッチを入れるのが面倒だと感じる日もあります。
その点、気分が乗ったタイミングでタイマーをセットしておけば、ミルがゴリゴリと回る音が背中を押してくれて、「そろそろ始めないと……」と強制的に仕事モードへ切り替わる感覚があります。小さな締め切りを自分で用意しておくような使い方ができるのは、この機能ならではのよさでしょう。
ひとつ気になったのは、コンセントを抜くと毎回時刻設定がリセットされてしまうこと。そのたびに時計を合わせ直す必要があり、筆者のようにコンセントをこまめに抜き差しするタイプだと、設定するのが億劫になってタイマーの使用をためらってしまう要因になりました。
保温は最大60分で、温度低下も少ない
保温機能は15分・30分・60分の3段階から選べます。最大60分の保温時間はこのクラスでは長い部類で、家事や作業が長引いたときでも冷めにくく安心感があります。
実際に3杯分のコーヒーを抽出し、保温性能をチェックしてみました。抽出直後に計測した温度は77.9℃で、その約30分後に計測したところ76.2℃と、温度の低下はごくわずかという結果に。時間が経ったから少しぬるくなっているかも、と油断して口をつけたら「アツッ!」となるくらい、しっかり温度がキープされている印象です。
タイマー設定時は、できあがったときの気分で飲むタイミングが前後することもあります。その点でも、保温性能の高さとは相性がよく、飲みたいときにちょうどいい温かさで楽しめる安心感がありました。
給水タンクの使い勝手は好みが分かれそう
一方で、気になった点もあります。
まずタッチパネルは、タップに反応しにくい場面が時折ありました。時刻設定など同じボタンを何度も押す操作では、思ったように入力が進まず、少しもどかしさを感じることも。
また、給水タンクは取り外しできない一体型の構造です。シンクにタンクごと持って行って給水することはできず、別の容器から水を注ぎ入れる必要があります。こうしたタイプ自体は珍しくありませんが、本機は注ぎ口がやや狭く、勢いよく水を入れるとこぼしそうになることもありました。
また、給水タンク内部の状態を目視で確認できない点も少し気になります。しっかりお手入れしていれば問題はないとわかっていても、内部の水滴を拭き取ることができず、「どの程度きれいに保てているのか」を目視で確認しにくいため、衛生面でやや不安を覚える方もいるかもしれません。
タイマー付きで、多機能なバランスの取れた1台
給水タンクまわりの使い勝手など、いくつか細かな気になる点はあるものの、保温機能・タイマー機能・味の調整機能といった欲しい機能をひと通り備えつつ、味の面でもしっかり満足できる全自動コーヒーメーカーだと感じました。 タイマー機能を活用しながら、多機能でバランスの取れた1台を探している人にも向いていそうな製品です。














