家電レビュー
着るエアコンの冷却パワーさらにプラス! ソニーREON POCKET PRO Plusの底力を実感
2026年4月22日 08:04
ソニーの「REON POCKET(レオンポケット)」シリーズは、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる“着るエアコン”として、広く知られるようになりました。なかでも2025年に登場したフラッグシップモデル「REON POCKET PRO」は、その圧倒的な冷温感性能で注目されています。
今年、そのPROがさらなる進化を遂げた「REON POCKET PRO Plus」として生まれ変わります。既にPROを愛用しているユーザーも、専用アプリの無料アップデートを行ない、新しいネックバンドを買い足すことで「Plus」相当にアップグレード可能です。
4月21日に発売された最新モデルの実機を使ってみながら、Plusの名にふさわしい4つの新しく追加される体験を解説します。
冷却パワーが向上! 体表面を20度までしっかりと冷やす
ソニーのウェアラブルサーモデバイスの最新モデルであるREON POCKET PRO Plus(以下PRO Plus)は、基本となる冷却パワーが20%向上しています。PROの代名詞ともいえる2基のペルチェ素子により構成する「DUALサーモモジュール」を踏襲しました。
一方、ソフトウェアのアルゴリズムをブラッシュアップしたことで、首もとの皮膚に触れる冷却面の体表面温度を20度近辺まで下げることが可能になりました。
今回はREON POCKETシリーズを開発するソニーサーモテクノロジーのラボに足を運び、実際に冷却面の温度が20度までしっかりと冷えていることを温度計サーモロガーを使って検証しました。取材のため、特別にラボの室温を35度に設定したテスト環境でその効果を試しました。
PRO Plusの実機を身に着けて、専用アプリから「SMART COOLモード」を選択。ターゲット温度のオプションは「強冷」を選びます。温度計サーモロガーによる計測値は、瞬間的に18度から19度台まで下がり、20度近辺で安定した冷感が持続しました。
従来のPROではアプリから同じ設定を選んだ場合、23度近辺を冷却温度のターゲットとしていました。20度の冷感効果が持続すると、そのスペック上の数値以上に体感的なインパクトが大きいと感じました。SMART COOLモードによる運転を開始後、10分ほどでスムーズに20度近辺まで下がり、首もとの接触面から身体中が涼しく整う手応えがあります。とても快適です。
ただ一方では、どれほど暑い環境にいても一息に20度まで冷却面の温度が急降下すると、肌に触れる部分が「冷たすぎる」ように感じられ、痛みに似た感覚に襲われてしまいます。PRO Plusは専用の外付けウェアラブルセンサー「REON POCKET TAG 2」と連携しながら周囲の温度やユーザーの行動を細かく検知し、独自のアルゴリズムにより、ユーザーが負担を感じないようスマートに温度を調整してくれます。さらに、「SMART COOL」モードではフル充電の状態から最長15時間の連続使用ができるほど、十分なスタミナも備えています。
オフィスなどの涼しい環境に移動した後は本体の電源をオフにしたり、空き時間にはこまめに充電する使い方が現実的です。最初は意識しながらREON POCKETの電源管理を行えば、やがて1日を通してバッテリー残量を気にせず使えるように馴染んでくると思います。
新設計のネックバンドがデバイスの“肩浮き”を抑える
ウェアラブルデバイスを品定めするうえで、「装着感」は大事な評価のポイントになります。ソニーサーモテクノロジーはPRO Plusで、再び大胆にデバイスの装着感を改善しています。鍵を握る新開発のアクセサリーが、「アダプティブ・ホールドデザイン」を採用したネックバンドです。
デザインは前世代のPRO用ネックバンドと大きく変わっていませんが、細部をブラッシュアップしたことで、装着時の保持力が従来比で40%向上しています。
これまでは、ユーザーが身体を大きく動かした際にバンドが“ばんざい”をしたみたいに跳ね上がってしまい、冷却面が首もとから浮いてしまうことがありました。新しいネックバンドは、ヒンジカバーにスリット(切れ込み)を設けています。このスリットがストッパーの役割を果たすことで、バンドのグラつきを抑え、冷却面を首もとの肌にしっかりと密着させます。その結果、パワーアップしたPRO Plusの冷却効果をムラなく身体に伝えられるようになりました。
筆者の場合、従来のネックバンドは首から外す際に、限界まで跳ね上がったバンドが“てこの原理”を働かせて、ネックバンドが本体から外れてしまうことが、まれにありました。スリットがストッパーになることで、ネックバンドが本体から意図せず外れてしまうことがなくなりました。
バンド自体もまた、シリコン製の被覆に包まれたメカニカルフレキシブルチューブの口径が太くなり、肩に乗せたときの安定感が高まっています。バンドの左右先端に装着されたサポーターも、厚みや穴の配置が見直されています。バネ感が向上しているので、サポーターが鎖骨のあたりに触れるとしなやかに曲がり、アタリによるプレッシャーを軽減します。
変形するエアフローパーツで排熱効率もアップ
REON POCKETはペルチェ素子に電圧をかけることにより、冷感モードの際には肌側の面を冷やし、反対側の面に熱を発生させます。熱を効率よく逃がしながら冷却効果を長持ちさせるため、本体内部に放熱ファンが内蔵されています。PRO Plusでは排熱の効率アップも図られました。
REON POCKET本体内部の熱は、デバイスのトップに設けられたダクトから外に逃がす仕組みとしています。排気口の先端に「エアフローパーツ」を装着すると、襟のあるシャツやジャケットを着た状態でもスムーズに熱を逃がせるようになります。
従来のPROにはロングとショート、2種類のサイズの着脱できるエアフローパーツが同梱されていました。PRO Plusではロングサイズのパーツが「長さ」と「角度」を変えられるようになりました。新設計の「アジャスタブル・エアフローパーツ」と名付けられています。
衣服の着こなしにかかわらず、REON POCKETを装着して姿勢を変えた時に、ショートサイズのエアフローパーツでは意図せずトップダクトが塞がってしまうこともあります。新しいアジャスタブル・エアフローパーツを装着して、あらかじめ排気口のポジション調節を済ませておけば、身体をよく動かす作業の折にも安心です。
カラビナ付きで着脱簡単! 専用センサー「TAG 2」
REON POCKET本体と連携する外付けウェアラブルセンサーも、新しい「REON POCKET TAG 2」にアップデートされました。
本体のサイズは初代のTAGよりも約18%ほど小さくなりました。固定方法もまた、従来の背面クリップ式から、上部のストラップホールを利用したカラビナ方式に変わります。
筆者は以前のTAGは背面のクリップに100均ショップで買ったステンレス製のキーホルダーリングを付けて、バックパックのファスナーに装着していました。新しいカラビナ方式の方がTAGの着脱が簡単にできるので、バッグを変えて出かける時にも素早く入れ替えられます。
電源は従来通りボタン電池1個で動作しますが、新たに電池のフタにロック機構が設けられました。これは、小さな子供が誤って電池を飲み込まないように配慮して、安全性を高めることをひとつの目的とした設計変更です。本体側面のボタンを押しながら、ボトム側のフタを引き抜くように開けると、ボタン電池のCR2032を収納するトレイが現れます。
既発売である2025年モデルのPROユーザーも3,300円前後で同日発売される「専用ネックバンドPRO Plus」を購入して、モバイルアプリの「REON POCKET」をVer.2.2.0以降にアップデートするとPlusと同等の性能になります。
愛用するREON POCKETを、アクセサリーの追加とソフトウェアの更新により最新モデルと同等の使い勝手でフレッシュに活用できるこの仕組みは、特に高価なフラッグシップモデルであるREON POCKET PROシリーズを大切に、長く使い続けたいユーザーには大きな朗報になるだろうと、筆者は期待しています。
身体に触れるデバイスだからこその「安心・安全」に対するこだわり
ほかにも、REON POCKETユーザーの生活の質(QOL)を高めるための配慮が、PRO Plusの各所に行き届いています。
前モデルのPROと同様に、本体内部の部品やボタンにはシーリング加工が施されており、防滴・防塵設計を採用しています。屋外で突然の雨に降られたり、夏場はデバイスが汗に濡れても、安心して使える耐久性を備えています。
最新のREON POCKETシリーズは共通で、USB給電による長時間使用をサポートしています。万が一ケーブルに異常発熱が発生した場合は、自動で電流を遮断する保護機能を搭載しています。日常的に身に着けるウェアラブルデバイスだからこそ、「安心・安全」への徹底した配慮がユーザーの信頼感につながります。メーカーであるソニーサーモテクノロジーの強いこだわりが感じられるポイントです。
筆者自身、昨年の夏は屋外での移動が多い日にはREON POCKET PROを欠かさず携えていました。屋外から涼しい屋内に移動した後も、しばらく汗が引かず不快に感じることは少なくありません。しかし、REON POCKET PROを装着していると、汗の引きが早く、その後の仕事や打ち合わせにも集中しやすくなりました。「夏の暑さによる不快な時間を短縮できる」という体験価値は、一度実感してしまうと後戻りができなくなるものです。
新しいREON POCKET PRO Plusを試してみて、筆者は冷却パワーや装着感の向上に確かな手応えがありました。今年も厳しい暑さが訪れそうですが、PRO Plusがあればむしろ前向きに夏を迎えられそうです。





















