家電レビュー

新ドルチェグストはエスプレッソが手軽! 軽めのコーヒーが好きな人に

ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ

在宅ワーク中は一日に何杯もコーヒーを飲みます。全自動コーヒーメーカーも便利ですが、忙しい日はフィルターをセットしたり豆を補充したりする、そのひと手間すらおっくうに感じてしまう瞬間があります。

そんなときに心強いのが、カプセル式のコーヒーメーカーです。基本的には給水してカプセルをセットし、ボタンを押すだけで、考えなくても淹れられる気楽さが魅力。お手入れも最小限で済むので、とにかくラクにコーヒーを飲みたいときに最適のアイテムです。

カプセル式コーヒーメーカーのなかでも、日本でとくに人気なのが「ドルチェ グスト」シリーズ。その最新モデル「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ」(22,000円)が、2025年9月に発売されました。本機は1台でドリップ・アメリカーノ・エスプレッソの3種類のコーヒーを淹れられ、紙製ポッド(カプセル)やスマホ連携など、従来モデルから大きく進化した次世代機といえる存在です。

これまで複数のカプセル式コーヒーメーカーを使ってきた筆者が、実際に味や使い勝手を確かめてみました。

1台でドリップ・アメリカーノ・エスプレッソを楽しめる

タンク容量は約1,000ml、抽出時の湯温は75~85℃(±5℃)、定格消費電力は1,460W

本機最大の特徴は、専用紙ポッドのコードを読み取り、3つの抽出方法から自動で最適なモードを選ぶ「スマート抽出」機能です。エスプレッソをお湯で割った「アメリカーノ」、香りを楽しむ「ドリップスタイルコーヒー」、濃厚で少量の「エスプレッソ」を、ボタン1つで淹れ分けてくれます。

スマホの専用アプリと連携すると、抽出量は5段階、抽出温度は3段階で調整可能。抽出後は自動で電源オフになる省エネ設計で、つけっぱなしを気にしなくていいのも在宅ワーク中にはありがたいところです。紙製ポッドは堆肥化可能な素材を採用していて、環境配慮の観点でも新しい世代のマシンという印象。

ポッドは全7種類、1杯約79円から

現時点のメニューは全7種類。そのうちスターバックスのメニューが4種類、ネスカフェ ドルチェ グスト オリジナルメニューが3種類という構成。

カプセル式は基本的に専用ポッドしか使えないため、選べるポッドの数は満足度に直結します。従来のドルチェ グストはラテやココア、紅茶など30種類以上の豊富なメニューが魅力でしたが、ネオは現状ブラックコーヒーに特化したラインナップで、従来ポッドも使用できません。種類はやや少なめという印象は否めないものの、今後のメニュー追加には期待したいところです。

1箱12杯分入り。ネオ用ポッドは954〜1,272円で、1杯あたり79〜106円というレンジ。従来のドルチェ グスト向けポッド(レギュラーブレンドで1杯あたり79円〜)と比べても、ほぼ同水準の価格帯に収まっています。
アメリカーノ4種類、ドリップコーヒー1種類、エスプレッソ2種類

一方で、カプセル式で本格的なエスプレッソを抽出できるのは大きな強み。最大15気圧の圧力で、濃厚で深みのある味わいを目指した設計になっており、味が気に入れば「手軽にエスプレッソを楽しめる専用機」として替えの利かない存在になりそうです。 スターバックスのコーヒーポッドが使える点も、スタバ好きとしてはつい試してみたくなるポイントでした。

ボタン2つで使えるシンプル設計

本体サイズは約15.4×34.2×30.1cm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.5kg

本体は丸みを帯びたフォルムで、圧迫感を与えないやさしいデザイン。食卓のテーブルの上にも置きっぱなしにしやすいサイズ感です。

搭載されているのは電源ボタンと抽出ボタンの2つだけで、操作は非常にシンプル。基本は水とポッドをセットしてスイッチを押すだけで、フィルターのセットなども不要なので、仕事の合間や朝の慌ただしい時間でも、頭を使わずにコーヒーを淹れられます。一連の操作手順は以下の通りです。

  1. 給水タンクに水を注いでセット
  2. 抽出トレイの上にカップをのせる
  3. 電源ボタンを押して起動
  4. ポッドをセット
  5. 抽出ボタンを押して待つ

給水から抽出完了までにかかる時間は、湯量200mlの場合で約2分15秒。バタバタしている時間帯でも、待ち時間が負担になりにくいスピード感です。

給水タンクに水を注いでセット。給水タンクは押し出す構造ですが最初はどちらの向きに押し出すか迷うことも。また、給水タンクは自立はするものの安定感が心もとなく、水を注ぎにくいのがデメリット
抽出トレイの上にカップをのせる。抽出トレイの高さは3段階で調整可能
本体側面の電源ボタンを押すと、すぐに起動
スライダーを動かしてシャッターを開け、ポッドを入れてから閉じます
抽出ボタンを押せば、あとは完成を待つのみ
給水から抽出完了までにかかる時間は、湯量200mlの場合で約2分15秒

アプリで味は調整できるが、本体で操作は完結せず

専用アプリ「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ アプリ」と連携すると、抽出温度や抽出量を細かくカスタマイズでき、自分好みの味に近づけられます。 コーヒーを淹れるたびに専用クラブのポイントが貯まり、景品や特典と交換できる仕組みも用意されています。

アプリを立ち上げてマイマシンを選択。接続が完了したら「抽出設定をする」を選択。「温度」「抽出量」を選択して「抽出開始」タップで本体側で抽出がスタート
抽出後の画面で「標準レシピに保存」を選ぶと、次回から本体操作だけで同じ条件で抽出可能

アプリ自体の操作は簡単。また、アプリ側で設定した抽出量を標準レシピにすれば、本体の操作だけで同じ抽出量・温度で淹れられる仕様です。

ただ、本体側では味の調整ができないのは不便に感じました。面倒臭がりの筆者としては、コーヒーを淹れるたびにスマホでアプリを立ち上げるのは少し億劫ですし、ペアリングや接続が不安定なときや、ポッドがうまく認識されないこともあり、「味を変えたいけれど、今日はもうこのままでいいか」と諦めてしまう場面もありました。さらに、アプリ利用には会員登録が必須で、この点に心理的なハードルを感じるかもしれません。

一方で、スマホ前提の家電に抵抗がない人にとっては、本体に余計なボタンがないミニマルなデザインとして好意的に受け止められそうです。

全体的に軽やか寄りの味わい

まずアメリカーノ系から実際に飲んでみました。

「ネオ スターバックス ブレックファースト ブレンド」は、最初に飲んだ印象としてはかなりさっぱり寄りの味わいで、ガツンとしたコーヒーが好きな方よりも、繊細な風味を楽しみたい方に向いていると感じました。口当たりはマイルドで、華やかさとフレッシュさのある香りが印象的。朝の目覚めの一杯にもよさそうです。

ネオ スターバックス ブレックファースト ブレンド。湯量205ml、おすすめの温度で抽出

アメリカーノ系のなかでいちばん好みだったのが「ハウスブレンド」です。 こちらもすっきり寄りではあるものの、適度な苦味と酸味に、ほのかな甘みがほどよく調和していて、バランスのよい一杯という印象。 オーソドックスで「コーヒーらしい」味わいを求める方にはおすすめで、日常的に飲む定番枠としてちょうどよさそうです。

ドリップコーヒーの「ネオ ドリップスタイル アロマ ブレンド」は、ドリップスタイルでありながらすっきり寄りのキャラクターで、苦味と酸味のバランスがよく、フルーティーな酸味とほのかな甘さも感じられます。

総じて「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ」は、全体的に軽めで、すっきりとした飲み口のコーヒーという印象です。ガツンとしたコーヒーが好みの人には物足りなく感じられるかもしれませんが、コーヒーを飲み過ぎて「まだ飲みたいけれど重たい一杯はしんどい」というシーンでは重宝しました。

ネオ ドリップスタイル アロマ ブレンド。湯量200ml、おすすめ温度で抽出

「スターバックス エスプレッソ ロースト」は、しっかりとクレマが立ち、ガツンとくる力強い苦味とエスプレッソ特有の香りが感じられる、満足度の高い一杯でした。 本格的なエスプレッソマシンで淹れる一杯と比べるとややすっきりした印象ではあるものの、エスプレッソらしい濃厚さがあり、個人的には素直においしいと感じました。

もう一方のエスプレッソ系である「ルンゴ」は通常120ml(最小70ml)抽出で飲みやすい味わいですが、コーヒー寄りの味わいに感じられ、「エスプレッソらしい一杯」をわかりやすく楽しみたい場合には、スターバックス エスプレッソ ローストのほうが適している印象です。

スターバックス エスプレッソ ロースト。抽出量25ml、おすすめ温度で抽出

楽しめるエスプレッソの種類自体は限定的ですが、本格エスプレッソマシンは価格も設置スペースもそれなりに必要であることを考えると、カプセル式で手軽に濃厚なエスプレッソ体験を得られる点は、この機種のいちばんの魅力だと思いました。

別売ミルクフォーマーでラテも楽しめる

ネオのポッドにはミルクメニューがなく、本体だけではカフェラテやカプチーノといったラテ系ドリンクは作れません。 ただ、別売の「ネスカフェ ドルチェ グスト ミルクフォーマー」(9,900円)を組み合わせれば、きめ細かいミルクフォームを簡単に作ることができ、エスプレッソと合わせて自宅ラテを楽しめます。

ミルクを注いでスタートボタンを押すだけなので使い方は簡単。一方で、ミルクフォーマー本体に加えて、フォームミルクをすくうヘラなど、洗い物はどうしても増えます。そのため、今日はどうしてもラテを飲みたいというときや来客時に使うのが自分には合っていると感じました。

基本的な使い方はミルクを入れて、スタートボタンを押すだけ
「ホットミルクフォーム」(約60ml)+「ネオ ルンゴ」(120ml)で、「ネオ ルンゴ カフェラテ」が手軽に作れる

本体に関して、毎日洗浄する主なパーツは抽出トレイ、給水タンク、ポッドコンテナの3種類。筆者の場合、抽出トレイや給水タンクがそれほど汚れていない日は、ポッドコンテナの中身を捨てて洗うだけで済ませているので、お手入れはかなりラクに感じました。

左から抽出トレイ、給水タンク、ポッドコンテナ
使い終わったポッドは「ポッドコンテナ」に溜まる仕様。一般的なカプセルコーヒーメーカーだと使い終わるたびにポッドを取り出す必要があるので、連続で抽出しやすい点は便利
内部洗浄もシンプルで、ランプが緑色に点滅したら抽出ボタンを5秒間押し続けるだけ

全体的に、繊細で軽やかなコーヒーを手軽に楽しめること、そしてカプセル式でありながら本格的なエスプレッソも味わえることが魅力の一台です。 長く使い続けるうえでポッドの種類の少なさはやや気になるものの、すっきりめのコーヒーが好きな人には相性のよいマシンだと感じました。

一方で、ラテ系を日常的に飲みたい人や、本体だけで細かく味を調整したい人には物足りない場面も出てきそうです。軽めのブラック+手軽なエスプレッソという組み合わせに魅力を感じるかどうかが、この機種を選ぶかどうかの分かれ目になりそうです。

福永 太郎

フリーランスの編集者・ライター。ライフスタイル系メディアの家電記事の担当を経て独立。現在は複数のWebメディアに寄稿。