家電レビュー
材料入れてスイッチON! ほったらかしで夕飯つくれるタイガー電気圧力鍋が助かる
2023年7月28日 10:20
毎日の食事が手間なく、時短で、おいしく作れたらいいのにと願う人は多いはず。子育てをしながら共働きしている筆者も例外ではなく、最近では献立を考えるのにも苦労しています。
そんな多忙な現代人を強力にサポートしてくれるのが、ほったらかしで食事が作れる自動調理鍋(オートクッカー)や電気圧力鍋といった調理家電です。手間なく、おいしく作れる製品が多くラインナップする中、より短時間で調理できるタイガー魔法瓶の電気圧力鍋「TIGER COOKPOT(タイガークックポット) COK-A220」が便利だと感じました。実売価格は24,800円。
1台10役! 鍋1つでおいしい料理が完成
「TIGER COOKPOT」は、タイガー魔法瓶の創業100周年記念モデルとして、2023年6月に登場した電気圧力鍋。うま圧(圧力)、高速、スロー、低温、無水、発酵、ベイク、炊飯、茹で、温めの10種類の調理方法に対応し、マルチに使えるのが特徴です。
使用方法は、必要な食材と調味料を鍋に入れてスタートボタンを押し、できあがるのを待つだけ。その間、火加減の調整、中身のチェックなどが不要のため、ほったらかしで調理できます。
火を使わないことに加え、圧力調理中は蓋が開かない設計になっており、小さい子供がいる家庭でも安心して使えますよ。
同機には、40のオートメニューが搭載されています。付属の専用オリジナルレシピブックからメニューを選び、手順に沿って材料を準備し、鍋に入れてスイッチを押せば、最適な火加減と時間で自動調理してくれる機能です。
ほかの調理器具を使わず、鍋1つでおいしい料理を作れるのもうれしいポイント。加えて、お手入れが必要なパーツはたったの3種類(内蓋・内鍋・つゆ受け)なので、後片づけも簡単です。
充実のオートメニューで、おかずからスイーツまでほったらかしで完成!
搭載されている40種類のオートメニューは、バラエティ豊かです。
肉じゃが、煮込みハンバーグ、ローストビーフ、ガトーショコラなど、おかずからスイーツにいたるまで幅広いレシピを手軽に作れるので、料理初心者にもうってつけ。今日の献立が決まらない! というときにも役立ちます。
付属のレシピブックから作りたいものを選び、材料をそろえて下準備を終えたら、対応するオートモードのメニュー番号を選んでスイッチを押すだけ。使い方も簡単です。
例えば、レシピブック記載の「野菜とチキンのポトフ(オート:17/スロー)」を作る時は、カットした食材、調味料などをすべて内鍋に入れ、本体にセット。蓋を閉めたらオートモードに切り替え、中央のダイヤルを回して番号「17」を選択。あとはスタートボタンを押します。
あとは自動で調理されるので、できあがりをひたすら待つのみ。「野菜とチキンのポトフ」はスイッチを入れてから約120分で調理が完了し、できあがったらすぐに食べられます。すぐに食べられなくても、調理完了後は自動で保温モードに切り替わり(メニューによっては自動保温なし)、温かさをキープしてくれます。
実際に作ってみたところ、煮崩れしやすいじゃがいもも、しっかりと形が残っていて、中はホクホクでした。また、レシピブックでは材料に鶏手羽先と書かれていたのですが、筆者は鶏もも肉にアレンジして調理。2時間かけてじっくりスロー調理した結果、お肉もやわらかく仕上がり、おいしく食べられました。
また、一般的にオーブンで焼き上げるガトーショコラが、同機のオートモードを使えば、材料を入れてからベイク調理で約30分で完成します。また、ミネストローネも高速調理で約15分と、あっという間でした。
メニューによって最適な調理方法が自動でセレクトされるのも、オートモードの便利な点です。作りたいレシピのメニュー番号を選べば、あとはほったらかしでOK。こんなにラクをしていいのか!? と思ってしまうくらいでした。
そのほか、専用レシピブックには、オートモードで作れるローストビーフやサラダチキン(低温調理)、ヨーグルト(発酵調理)、キーマカレー(無水調理)、ゆで卵なども掲載されています。
さらに、1~3合の白米や玄米の炊飯も可能。炊飯器代わりに使えるのも便利だと思いました。
なお、メーカー公式サイトには、オートメニューを含む、100以上のレシピが掲載されています。中にはマニュアルモードで調理するメニューもありますが、鍋の使い方の手順も書かれているので迷わずに作れますよ。
1点、オートモードで気になったのは、スタートボタンを押した後、メニュー番号が表示されないことでした。調理中に番号を確認するには、一旦“取消”ボタンを押す必要があります。番号の選択ミスをしていても調理が始まると気付くことができないので、番号が表示されるといいのにな……と思いました。
マニュアルモードにも対応! 火加減や調理時間を好みで調整できる
レシピの幅を広げたい人は、マニュアルモードでの調理にも挑戦できます。
マニュアルモードは、うま圧(圧力)、高速、無水、スロー、温め、発酵、ベイクの7種類の調理方法から選べるほか、火加減、温度、調理時間などを任意で設定できる機能です。
筆者もさっそく、マニュアルでうま圧(圧力調理)機能を選択し、我が家の定番「鶏肉のさっぱり煮」を作ってみました。鶏手羽元、ゆで卵を、ポン酢と水1:1で味つけして煮込むレシピが主流ですが、筆者は、鶏もも肉または胸肉、にんじん、しらたきを使います。
材料をすべて内鍋に入れ、本体にセットして蓋を閉めたら、マニュアルモードで「うま圧」を選択。火加減(強・中・弱)が表示されるので、中央のダイヤルで好みの加減を選び、スタート/決定ボタンを押します。
続いて、火加減と同様に調理時間(15~120分)を設定し、最後に蓋上部にある“圧力ボタン”を押して、上がった状態にセットし(ロックをかける)、すぐ近くにある“圧力表示ピン”が下がっているかをチェック。問題なければ、スタートボタンを押して調理を開始します。
圧力ボタンが上がった状態(ロックされている)では、蓋は開きません。ちなみに圧力ボタンを押さなくてもスタートできる(ただし圧力調理にならない)ので、うま圧を選択したときは、押し忘れないように注意が必要です。
調理時間は15~30分は1分単位、30~120分は5分単位で設定が可能。調理がはじまると、設定した時間から、残り時間がどんどん減っていきます。
筆者は火加減を“強”、調理時間を“20分”に設定して調理しましたが、食材に少し硬さが残る感じがしたため、追加で30分圧力調理しました。
これまでほかの電気圧力鍋でも「鶏肉のさっぱり煮」を作った経験がありますが、同じメニューであっても、メーカーによって適した火加減や調理時間が異なります。うまく作るコツを掴むまで、何度か調理してみる必要があると感じました。
なお、「TIGER COOKPOT」は、マニュアルモードでもオートモードでも予約調理が可能です(メニューによっては不可)。
予約の仕方は簡単です。マニュアルモードでは調理方法・火加減・調理時間、オートモードではメニュー番号を選んだら、必要に応じて圧力ボタンを使用し、予約ボタンを押します。表示部に“予約”の文字が点滅するので、ダイヤルをまわし、できあがりまでの時間を設定してスタートボタンを押せば、セット完了。
帰宅や起床のタイミングに合わせて予約しておけば、その時間にすぐに食べられるので便利です。
時短調理を実現&調理後すぐに食べられる! 秘密は独自の「うま圧」
手間のかかる「煮込みハンバーグ(オート:3/うま圧)」も、オートモードで簡単に作れました。ほかのメニューと同様に、材料をすべて内鍋に入れ、本体にセットしてボタンを押して待つだけ。調理スタートから40分ほどで食べられます。
「煮込みハンバーグ」の調理方法は“うま圧”です。圧力調理中、加圧状態になるとシュルシュルなどと音がして、圧力表示ピンが上がります。
調理終了後は、この圧力表示ピンが下がった状態、つまり減圧が完了していないと蓋を開けられません。また、蓋中央の圧力ボタンを押し下げて、ロックを解除することも必要です。
一般的な電気圧力鍋では、この減圧に時間がかかり、調理が終わってもすぐに蓋を開けられず、食べられるようになるまで時間がかかります。筆者もそれを覚悟していたのですが、レシピブックに調理時間40分と記載されていた「煮込みハンバーグ」は、調理終了と同時に減圧も完了していて、すぐに蓋を開けられました。
“うま圧”メニューでは、約1.15気圧(一般的な電気圧力鍋は1.7気圧以上と高圧)のやさしい圧力を長くかけるのが特徴。一般的な電気圧力鍋に比べて加圧力が低い分、減圧にかかる時間が短くなるため、待ち時間も短縮される仕組みです。この“うま圧”のおかげで、できたて熱々の「煮込みハンバーグ」を楽しめました。
加えて、“うま圧”で調理した食材は煮崩れしにくい上、中までしっかり加熱されて、やわらかく、おいしく仕上がりました。「肉じゃが」も煮崩れせず、おいしくできあがりましたよ。
パーツはたった3つ! 食洗機対応でお手入れ簡単
改めて、使用後にお手入れが必要なパーツは「内蓋」「内鍋」「つゆ受け」の3つです。
内蓋とつゆ受けは食洗機に対応しているので、ラクにお手入れできます。内鍋は食器用の中性洗剤とやわらかいスポンジで丁寧に洗いましょう。
ちなみに、内蓋に付いている黒いパーツユニットは基本的に取り外せません。丸ごと洗えて便利ですが、ユニット内部がやや入り組んでいるため、洗浄後、水切れにやや時間がかかる印象を受けました。
なお、本体は洗えませんが、クリーニング機能が搭載されていて、気になるにおいを除去できます。
内鍋の“白米”の目盛1まで水を入れ(においが強いときはクエン酸10gも投入)、本体にセットして蓋を閉めたら、オートモードでメニュー番号「41」を選択。蓋上部の圧力ボタンを押し、圧力ボタンが上がった状態(圧力表示ピンは下がった状態)でスタート。30分ほどでクリーニングが終了します。
食事作りもお手入れも簡単にできる「TIGER COOKPOT」を活用することで、時間にゆとりを持てるのも美点に感じました。レシピも充実しており、日々の献立に悩む筆者にもうってつけのキッチン家電です。