家電レビュー
Ankerのアウトドアのための冷蔵庫がイイ感じ! バッテリーでも冷え冷え
2023年7月7日 08:05
ポータブル電源が急激に普及している最近。バッテリー性能や安全性が向上しているからでしょうか?
便利ですよね、ポータブル電源。最近もうひとつ「便利そう」と思っているモノがあります。ポータブル冷蔵庫です。毎年、夏が暑くなりまくりのここ数年、ドライブやキャンプなどの外出先に冷蔵庫を持って行って使えたらすごく良さそう。ポータブル電源もあるし、外で使う冷蔵庫も実用的なんだろうな、と。
そう考えていたら、最新のポータブル冷蔵庫を試用できる機会を得ました。モノはAnker(アンカー)の「Anker EverFrost Powered Cooler 30」。2023年の4月に発売されたばかりの製品です。価格は99,990円となっていますが、セールなどで8万円弱で買えることもあるようです。
「Anker EverFrost Powered Cooler 30」は容量33Lのポータブル冷蔵庫。庫内温度を-20〜20℃の間で設定できます。
-20℃! 家庭用の据え置き冷蔵庫のような冷却能力です。しかも、わずか約30分で庫内温度を25℃から0℃まで冷却する急速冷却機能を搭載しているそう。こういうパワフルさは、家庭用冷蔵庫と同じコンプレッサー式の冷却方法を採用しているから実現しているそうです。
それとこの冷蔵庫、電源も多彩。コンセント(ACアダプター)からでも、クルマのシガーソケットからでも電源を取れます。さらにはバッテリー(内蔵/取り外し可能)でも使えます。
バッテリーで使えるということは、クルマやポータブル電源とつながずに、単体で使えるということ。荷物も減りそうですし、置く場所も制限されない。これは便利そう。
ちなみにバッテリーでの冷却時間は、連続約42時間(外気温25℃において庫内温度を4℃に設定した場合)。1泊2日のキャンプで使うのも現実的ですね。これは頼もしい。早速試用してみることにしました。
でっか! 移動や保管をよく考える必要が
バッテリーで使える最新のポータブル冷蔵庫を試用できる! やった! と喜んだ筆者ですが、実機を借りてみてビックリ。大きいんですコレが。
こんなサイズなので、持ち上げての移動はあまり考えないほうがいいかもしれません。キャスターでの移動がメイン。
なので、たとえば集合住宅の2階や3階に住んでいて、この冷蔵庫を部屋と外(クルマまでなど)で移動する場合、エレベーターがないとツラいと思います。階段を引きずれないこともないとは思いますが、平らな場所から平らな場所へとキャスターで移動し、ひとりかふたりで一瞬持ち上げて移動、といった使い方が現実的だと思います。
また、サイズが大きいので、保管場所も必要。オフシーズンや不使用時にこの大きな箱をどこに置くのかを考えておくのが大切です。筆者的には「室内では普段使いもして、たまにクルマで外に持ち出す」という「冷蔵庫としての常用」がいいのかなと思います。
バッテリー式は便利、シンプルな庫内は容量もたっぷり
いきなり「大きい、重い」というネガティブな情報ですみませんでしたが、でもこの冷蔵庫、大きさ重さ以外はとても扱いやすくて高性能です。筆者の場合、バッテリーで使いましたが、まずバッテリーの運用がラクでした。
本体にバッテリーをセットし、付属のACアダプターやシガーソケットケーブルをつなげば、バッテリーに充電しつつ本体を使うことができます。また、バッテリーを外して部屋などに持ち込んでUSB Type-C充電することも。
なので、冷蔵庫不使用時はクルマやガレージに置いておき、バッテリーのみ室内で保管することが可能。で、冷蔵庫使用前にバッテリーを充電して本体のところへ持っていく、ということができます。なお、バッテリーを外しても本体に直接ACプラグを挿すことができて、その状態で冷却も可能です。
【訂正】初出時に「バッテリーを取り外した状態ではコンセントにつないでも冷蔵庫は使えません」としていましたが、正しくは上記の通り、バッテリーを外しても本体にACプラグを直接つないで冷蔵庫として使用できます。お詫びして訂正します(7月10日/編集部)
続いて冷蔵庫側を見てみましょう。と言っても中身はクーラーボックスのようなもので、シンプルな作りです。自力で冷えるクーラーボックス、みたいな。
使い方は簡単、静かにすぐ冷えて実用的、スマートフォンからも使える
バッテリーを充電して試用開始です。キャスターの上方にあるパネルで操作します。
基本的には電源を入れて庫内温度を設定するだけで使えます。クルマのシガーソケットを電源にする場合は「車載バッテリーの保護レベル」を設定したり、スマートフォン連携をする場合は冷蔵庫側のBluetoothをオンにする必要があります。
スマートフォンと接続しての遠隔操作? それって必要? と思いましたが、とても便利です。
庫内の現在の温度をスマートフォンで確認できたり、冷却の設定温度をスマートフォンから設定できたりするので、「もう冷えたかな?」などと冷蔵庫まで行って確認する必要がありません。「もっと速く冷やしたい」と思っても、温度設定をスマートフォンから行なえるのも便利です。
さて、「Anker EverFrost Powered Cooler 30」で飲料を冷却してみました。設定温度は1℃として運転を開始したところ、最初にコンプレッサーの動作音らしきものが聞こえましたが、ほぼ気にならないレベルの音でした。
とりあえず冷蔵庫の運転を始めて、その後数分して飲料を入れようとフタを開けましたが、もうすでに庫内の壁が冷たくなっており、中の空気もヒンヤリしていました。飲料を入れてドライブ開始です。
30分ほど走り、一度庫内の飲料に触れてみますと、既に冷え始めています。庫内の空気は冬のように冷たく、急激に庫内温度が下がっていることがわかります。
さらに走り、1時間半ほど経過してとりえあえずの目的地に到着。飲料は「冷え冷え」状態。キンキンに冷えた飲み物を楽しむことができました。
使った印象は「バッテリー動作でもこんなに冷えるんだ!」というもの。ポータブルとはいえ、コンプレッサーで熱交換する本格派なので、性能的にも十分パワフルなんですね。
また静音性にも驚きました。走行中にコンプレッサーの動作音が聞こえることはありませんでした。筆者のクルマはハイブリッド車で停車中は完全に無音になりますが、そのときでも「あれ? いまの音ってコンプレッサー?」と気づくか気づかないかといった程度。部屋のなかで近くにこの冷蔵庫を置いておけば気づくとは思いますが、外だとわからないという感じの騒音レベルです。
といった感じの「Anker EverFrost Powered Cooler 30」。今回はバッテリーで使ってみましたが、クルマでの移動ならシガーソケットから給電ができます。また、ポータブル電源があれば、それを電源とすることもできます。クルマやポータブル電源から冷蔵庫に給電できないときだけ、「Anker EverFrost Powered Cooler 30」に入れたバッテリーで使えば、実質非常に長い時間このポータブル冷蔵庫を運転できそうです。
また非常時にバッテリーやポータブル電源などと組み合わせて使える冷蔵庫としても安心感があります。夏場に冷えたものを口にできないのは残念ですし、体調によっては危険です。
そんないろいろな観点から「Anker EverFrost Powered Cooler 30」が欲しくなりました。アウトドアアクティビティのための冷蔵庫、冷凍品などの買い物に使える冷蔵庫、さらに非常時に役立つかもしれない冷蔵庫として、さまざまなシーンで使えそうです。使い勝手がよく、性能も十分なポータブル冷蔵庫なので、ご興味があればぜひチェックしてみてください。