家電レビュー

どこでもミクロの世界が覗ける、デジタル顕微鏡がおもしろい!

APEXEL「高機能デジタル顕微鏡 MS003」

普段は見られないモノが見られると、大人も子供もワクワクするもの。これを可能にする代表的な製品が、顕微鏡や望遠鏡、双眼鏡などだろう。そんな代表的な製品とは言え、いずれも身近なモノとは言い難い。特に顕微鏡や望遠鏡が、自宅にある人は少ないだろう。だが、デジタル化が著しい昨今、特に顕微鏡は、様々なメーカーからリリースされて、手に入れやすくなっている。

そこで今回は、ミクロの世界が観察できるデジタル顕微鏡を、小学校2年生の息子と一緒に使ってみた。数ある中で借りたのは、現在GREEN FUNDINGで先行販売中のAPEXEL「高機能デジタル顕微鏡 MS003」。記事執筆時の価格は17,680円で、先行販売期間は7月15日まで。

届いた箱を開封すると、細長いデジタル顕微鏡本体と、スタンドなどがコンパクトに収められた、B5サイズくらいのケースが入っている。

当顕微鏡は、接眼レンズを覗き見るタイプではない。本体内蔵のデジタルカメラがとらえた映像を、2インチディスプレイで観察する仕様だ。まだ片目をつぶって目の焦点を合わせるのが苦手な息子には、スマホなどで慣れている、ディスプレイで見るというのは助かる。

また、microSDメモリーカードを本体に挿し込めば、写真や動画の撮影も可能。

台座を組み立てて、円筒状のデジタル顕微鏡本体をセッティングすると、一般的にイメージされる顕微鏡のような形になる。

コンパクトにケースに収められたパーツ
APEXEL「高機能デジタル顕微鏡」

使用時は、まずは台座の中央部にあるライトの上に、観察したいものを置く。台座の右側のつまみを回転させて、デジタル顕微鏡の位置を上下に調整。あとは、デジタル顕微鏡本体のカメラ側にあるツマミを回転させて、見たい対象物に焦点を合わせる。

光学20倍で対象物を見られるほか、操作パネルの「+」ボタンを押せば、最大200倍のデジタルズームで観察できる。

顕微鏡の台座にあたる部分には、様々な色に変わるLEDライトが内蔵されている。見たいものに、下から光を当てられるのだ。またLEDライトは、デジタル顕微鏡の本体先端にも搭載されているため、必要に応じて点灯させると、より対象物が見やすくなる。

なお本体および台座にはUSB Type-C端子が配置されている。それぞれフル充電することで、カメラ本体は約2時間、台座は約4時間、稼働する。

台座に内蔵されたLEDライト
青や赤色の光に変えられる

さっそく観察してみた

デジタル顕微鏡が優れているのは、充電式なので、いろんなところに気軽に持ち運べることだろう。30〜40代の人が、かつて学校で使った顕微鏡は、あくまで教室で使うものだった。その顕微鏡を持ち出して、外で見つけたものを、その場で観察できるのだ。

まずは練習のために自宅で身の回りのモノを少し観察してから、顕微鏡セットを外に持って行って、観察することにした。

練習ということで、まずはティッシュを広げて置いてみた。それから円筒形の本体の高さをざっくりと調整。次は、ディスプレイを見ながら、本体の円筒部のつまみを動かして焦点(ピント)を合わせる。

本体の円筒部のつまみをじわじわと回して焦点(ピント)を合わせる
ティッシュの構造が見えてくる(写真に表示された日時は初期設定時のもの)

はじめは、見るものすべてが面白い。ティッシュもだが、テーブルや自分が着ている服、手の甲(肌)、テレビの液晶ディスプレイやチラシなども、顕微鏡で見ると、普段見ているものとはまったく違って見える。

ちなみに、画像右下に記される年/月/日/時は、初期設定時のままで使い続けてしまった。

外へ持っていって、色々と観察しまくった

実は筆者は、デジタル顕微鏡の本体部分だけを持っていけば良いと思っていた。だが小2の息子は、台座もセットで入っているケースごと持っていきたいと言う。もしかすると、彼は、“物々しい”雰囲気で使いたいのかもしれない。

ケースにストラップをつけると、ショルダーバッグのように持ち運びやすくなる

外に出てからは、観察するものを探しながら歩いていった。息子は、ケースから円筒形の本体だけを手に握りしめ、プラタナスに近寄っていく。プラタナスの幹に顕微鏡をあてたり、道端の石に生えた苔をしゃがみながら見たりしていた。本当にデジタルカメラのような感覚で、気軽にミクロの世界を観察できる。

本体だけをサッと取り出して使える
プラタナス(だったかな?)の樹皮を観察
岩に生えた苔を観察中
撮影した静止画

デジタルカメラと少し異なるのは、厚みのある立体的な対象物に焦点(ピント)を合わせるのは難しいこと。言ってみれば、超望遠レンズをつけた、オートフォーカス非搭載のカメラでピントを合わせるようなものだ。もちろん、少しでも顕微鏡を持つ手が動けば、画面が揺れて、さらにピントを合わせづらい。息子が初めて使う、オートフォーカスも手ブレ補正機能も非搭載のカメラといえる。

さらに、とても被写界深度が浅いのだ。例えば、たいして高さのない苔(カビ?)だと思っても、実際にデジタル顕微鏡で見ると、小さな木のようなものが生えている。その木のようなものを真上から見るため、おそらく数ミリの高さしかないだろう根元と先端とですら、同時にピントを合わせられない。

それでもピントが合うと「見えたぁ〜〜〜〜〜!」と絶叫して「ほら、見て見て、すごいよ!」と興奮していた。

葉っぱの湾曲によって、ピントが合っているエリアが少ない

静止画のほかに動画も撮影できる。特にピントを合わせるのが難しいものは、動画で撮影しておくと良い。

仕様表によれば、静止画の解像度は約200万ピクセル。動画はAVIフォーマットで、最大1080pの30fpsでの撮影が可能。最大32GBのmicroSDカードに対応する。

撮影した動画

そんな調子で、葉っぱや巨大な岩や、神社の鳥居の柱、あじさいの(花びらのような)ガクなど、目についたものを、片っ端から見ていった。

なにかの葉っぱ
マスク
なにかの花びら
木のベンチ

観察し、写真や動画を撮って、またあとから見返せる。冒頭でも記したが、今まで見られなかったものが見られるのは、大人も子供も単純に面白くワクワクする。そんな異なる世界を気軽に見られるデジタル顕微鏡。今回使ってみたAPEXEL「高機能デジタル顕微鏡 MS003」は、製品が届くのが「8月末」までなので、夏休み中に届くか分からないが、親子で楽しむのにおすすめのアイテムだ。

河原塚 英信