家電製品ミニレビュー
200倍のミクロの世界をスマホで撮影できるケンコーの顕微鏡
by 河原塚 英信(2015/10/15 07:00)
大きなものより小さなものが好きだ。カメラのレンズで言えば、超望遠よりもマクロレンズが好き。空の宇宙は無限に広がっているらしいことは想像しやすいが、同じくらいに小さな世界も無限だと想像しはじめると、顕微鏡を覗きたくなる。
ということで、ミクロの世界が覗けるケンコー・トキナーの「Do・Nature Advance STV-A200SPM」を取り寄せた。この顕微鏡は、見られるだけでなく、スマホを装着するアダプターが付属する点が特徴。
いとも簡単に写真や動画が撮れてしまう。つまり、カメラ機能の優れたスマホに買い換えれば、それだけ撮れる写真もグレードアップするということ。
メーカー名 | ケンコー |
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製品名 | Do・Nature Advance STV-A200SPM |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 9,200円 |
顕微鏡自体の使い方は簡単だ。見たい物をスライスして付属のガラス板に載せたら、顕微鏡の接眼レンズを覗きながらピントを合わせるだけ。もちろんスマートフォンを装着している場合は、カメラアプリを見ながらピントを合わせればいい。また、見づらければLEDライトで光を当てて挙げれば、グッと鮮明に被写体が見られるようになる。
接眼レンズにスマートフォンを固定するためのアダプターが付属する。取り付け可能なのは、サイズが90×155mm(幅×高さ)までのスマートフォンで、スマートフォンの大きさによってフレキシブルに可変する。アダプターにスマートフォンを付けるのは簡単だが、顕微鏡の接眼レンズに、ピッタリとスマートフォンのカメラを固定するのは、少し難しかった。
結果的には、接眼レンズを直接覗くことはほとんどなかった。スマートフォンの画面で見た方が、格段に見やすくピント合わせもしやすい。写真を撮るのももちろん簡単になる。
搭載されたレンズの倍率は、60/120/200倍。基本的には、まず60倍で被写体を見て、拡大したいところが中心になるように被写体を動かす。だいたい中心になったら、今度はレンズを120倍や200倍にして拡大していく。
前述の通り上方から照らすLEDと、下方から照らすLEDを内蔵している。特に下から照らすLEDによって被写体を透過させられるので、光量を調整すると、見やすさや綺麗さを大きく左右する。また、下からのLEDには、カラーフィルターを付けられる。このフィルターを変えることで、当然被写体の見え方も、特に凹凸の見やすさが変わってくる。
時間を忘れて様々なモノを覗いてみる
近所を散歩しながら、気になる道端の植物を採集していく。持ち帰ったら、水を入れた皿の中に入れて、できるだけ鮮度を保たせる。大きすぎる花びらや葉っぱは、拡大して見たい所だけを小さく切り、ガラス板に置いてから観察した方が見やすくなる。
ただ、そうした作業は面倒な上に、時間を取られる。まずはステージに直接置いて見てみる方が個人的には次々に見られるので良いと思う。
見たいものはなんでも見ていくと新たな発見だらけだ。何も自然のものをみるだけでなく、人工的な物を見ても面白い。肉眼で見ている時とは、何もかもが違うことがわかる。
例えば雑誌やチラシ、模様のある銀紙を見たところだ。顕微鏡でみると、エンボス加工で描かれているのがはっきりと分かった。
電源が電池だし、本体自体が軽いので持ち運んで使える。気軽に顕微鏡で覗けるから、とにかく周りにあるものを色々と見てみた。手当たり次第に見ていると、時間を忘れてしまうほど楽しかった。残念なのは、蠢くような微生物が見つけられなかったこと。今度は、ミトコンドリアのような生き物を、動画で撮れたらと思う。