家電製品レビュー
【ぷーこのe-bike沼】ロードバイクe-bikeで初めて尽くしのロングライドへ
2021年3月26日 08:00
新型コロナがきっかけで私がe-bikeに乗り始めて10カ月以上経過した。それまで何年も自転車なんて乗っていなかったのに、e-bikeのおもしろさにハマり、深い深い沼にズブズブとハマって行くのに時間はかからなかった。そして、年明けからしばらくして「ぷーこさん、そろそろ乗ってみますか? 憧れていたんでしょ?」とe-bike Watch編集部より提案されたのが……。
じゃじゃーん!! 今回の相棒となるのが、BESV「JR1」だ。ロードバイクタイプのe-bikeで先駆け的存在らしい。遂に私はロードバイクの自転車に乗るのだ!! 街中でドロップハンドルに乗っている人を見ては「カックイイー!!」って憧れていたけれど、私の目の前には素敵なロードバイクが鎮座されている。細いタイヤにフレームと、美しく一体化されたバッテリー。そして、15.7kg(XSサイズ)という重量は私でも抱えられる軽さ。
なんと格好いいことか~!! さすがBESVといったデザイン性だろうか。2018年に発売されたモデルだけれど、全然古びれないというか美しい!! 「素敵ですね~」なんて呑気にうっとりしている私に、「自転車が楽しくなった頃だとは思いますが、ロードバイクはこれまで以上にちゃんと乗らないと本っっ当に危ないので、気を抜かずに乗ってくださいね」と、編集部から脅しに近い勢いで釘を刺されながらレクチャーを受けた。「気をつけます!!」と答えたものの、これまでにいろいろ乗っていた自転車。「初心に戻って気をつけてね」くらいのことに受け止めていたけれど、実際に全然違うことは、すぐに分かることになる。
初めてのロードバイクe-bike……ドキドキ
e-bikeに乗って帰ろうとすると……。「えっと、私自転車に乗れない!?」なぁんて状況が発生した。レクチャーを受けたものの……ドロップハンドルに慣れていない私は、いざ一人で乗ろうとすると、うまく重心のバランスがとれない(笑)。
おっとー!? これまでのe-bikeとは違って乗り出しからつまずきそう。乗り出しがグラグラするうえに、走り出しても細いタイヤに道路のコンディションがそのまま伝わる感じの不安定さというか、心許なさったら。自転車ってこんなに緊張するものなのかと。上半身をはじめ、特に腕にめっちゃ力が入る。「ロードバイクはしっかり乗らないと本当に危ないから」と言われた言葉の意味をあっという間に体感したのだ。
確かにこれは気をつけないと危ない! ちょっとした気の緩みが事故になりそう! 帰り道はずっとガチガチに緊張しながら走った。いつもの「楽しいぃー! 爽快!」みたいなお気楽さとはかけ離れ、道路の凹凸1つに緊張して、ゆっくりと安全運転で交通量の少ない道を選びながら帰る。
途中で大きな公園のサイクリングコース的な場所を横断している時に、「あれ、これ右だっけ? 左だっけ?」と一瞬迷いが出て、キョロっとあたりを見回してしまった。そして、ちょっとした段差にタイヤが触れてしまい、ドーンと思い切り転んだ。マジ転びしたのは子どもの時以来かもしれない(笑)。「これまでは太めのタイヤで段差を乗り越えられたと思いますが、ロードバイクのタイヤは細いので本当に注意してください。些細なことで簡単に転びますから」と言われたのも思い出した。
これはちゃんと乗りこなせるようにならないと、本当に大怪我するぞと思ったし、転んだのが最初の最初でよかった。そして、車道じゃなくて本当によかったと、胸を撫で下ろしつつ、何とか家にたどり着いたのです。
いきなりの転倒やガチガチの緊張から始まったロードバイク生活も、数日で乗るコツを掴めるようになって、無駄な力も抜けたように思う。でも「気は抜いちゃいけない」という気持ちも忘れずに、スイスイ走れるようになってきた。「ロードすげー! 楽しいー!」となってきたのだけれど、どうにもこうにも私の体力や技術がJR1の性能に伴っていないと事実をひしひしと感じるように……。
これは間違いなくスポーツだ!! アシストがあるとはいえ、完全にスポーツ。不思議な気持ちだ。しっかり自分の足で走りながら、走り出しや坂道ではアシストにバッチリと助けられる。ただただ前に走る部分に自分の力を注げるので、アスリートとほど遠い私でもしっかりとスポーツの世界を楽しめる。とっても気持ちが良い!! 爽快に走れるので、気持ちも軽く、どこまでもぐんぐん行っちゃう。しっかり練習もしながら、とってもオシャレなJR1は街でもとっても絵になる素敵さ。あぁ、好きだ。
ずっと憧れていたトランポを初体験
約1カ月間マイペースで練習し、かなりJR1とも仲良くなってきたところで「ロングライド行こうぜー!!」と、夫とともに房総半島を楽しむe-bikeサイクリングへ出かけることに(夫用のもJR1もお借りしていた)。e-bike Watch編集部がトランポで楽しむ記事に夫婦でずっと憧れていた。夏休みはグランピング施設までの移動手段だったが、今回は純粋に「走ること」ロングライドが目的でワクワクする。ちなみにJR1は最大走行可能距離が138km。今回はそこまで走る予定はないのだけれど、念のためにスペアバッテリーも持って行くことに。
初体験のトランポに気持ちが高鳴る!! クルマで2時間ほど走り、千葉県館山市の館山駅近くの駐車場に停めて、そこから出発。春最高!! 自転車最高!! 見事に晴れた春の気持ち良さ!!
最初の目的地は、館山駅から約13kmに位置する「道の駅 ローズマリー公園」。ちょっと早い昼食でも食べるつもりだった。高速道路も空いていて10時前にいざ出発!! 房総半島を東西横断するコースは、さほど自転車向きの舗装された道ではなく、凹凸していてほどよい緊張感がある。走り出しの準備運動程度に、夫とスピードを確認するように走って行く。
先導してくれる夫に、ただ着いて走る私。初めて走る道を目的地に向けて迷うことなく進めること自体、かなりの方向音痴の私からすると、まったく信じられない(笑)。最初の13kmは結構あっという間で、10時半頃に道の駅に到着した。道の駅 ローズマリー公園は、中世のイギリスを再現した道の駅で、よくある直売所やお土産屋さんなどの建物以外に、シェイクスピアの博物館や生家を再現した建物があったりと、見所も多く人気だそうだ。
そんな素敵な空間を前に、私はひどい顔をしてベンチに座っていた(笑)。実は、到着までにクルマ酔いをしてしまいて、スタート時は落ち着いたと思っていたけれど、やっぱり胃が気持ち悪かった。道の駅 ローズマリー公園に到着した頃、気持ち悪さのピークで、ワクワクするお土産屋さん巡りも、ましてやシェイクスピアに触れることもまったくできず……。ここで美味しいそうな海鮮丼を食べるつもりだったのに……。ナマモノを食べられる気分ではなく、夫が美味しそうに海鮮丼を頬張る横で、お魚のあら汁を飲んで「染み渡るぅ」と、二日酔い明けの私と何ら変わらない状態になってしまった。あぁ、悲しい(笑)。
初めての南房総をe-bikeで走る
クルマ酔いの体に染み渡ったあら汁のおかげで、体調も一気に立て直したようで絶好調。私的に今からがスタートだ(笑)。そして、ここからは海沿いをずっと走って行く。房総フラワーラインと呼ばれ、季節ごとの花が道沿いを彩り、海も空もキレイに見えるサイクリングにはもってこいな道だ。
日本の道100選にも選ばれているだけあり、本当に気持ちが良い道だった。九州出身で初めて房総を訪れた我々夫婦は、「海だー!! 気持ちいぃー!!」とテンション爆上げで約18kmを走る。関東最南端の灯台だという野島崎灯台へ足を伸ばす。展望台に上らずに外から灯台を見ただけだけど、南房総国定公園の目の前が海という結構な絶景。「火サスごっこしようよ!!」と夫を誘うほど見事な岩場があったり、公園をぐるっと1周回っただけでも、かなり満喫できた。
公園を出る頃にはすっかり体調が回復した私は、海鮮丼を逃したこともあって猛烈に空腹!! 「ラーメン食べたい!! ラーメン食べたい!!」と連呼する私に、夫がスマホで調べてくれた営業中のお店に向かって行く。計画からちょっとずれても、行き当たりばったりでも、その道が激坂でも、ワクワクしながら進めるe-bikeはやっぱり最高!! 小道をグイッと入ったところで「やばい!! これは地元の人しか知らない名店じゃない!?」というお店に到着。渋い外観で食欲をそそる香りが漂ってくるラーメン屋だ。
限界近いお腹が自然と大きな音を鳴らしまくるほどの香りだ。空腹限界のお腹も期待しているようで、急いで自転車を停めてお店に入ろうとすると、「今日は全部のメニューが売り切れちゃったよ」と言われて白目に。気絶しそうだった。13時前に終わってしまうなんて、やっぱり絶対美味しい人気店じゃないかー!! と悔しさが倍増(笑)。
「珍道中っぽい感じも私たちらしいか」なぁんて笑いながら次だ!! どうやら近くにラーメン屋さんはないらしい。次の目的地の神社にお参りに行くことに。安房神社(あわじんじゃ)は、日本三大金運神社の1つとして有名らしい。金運アップのパワースポット!! これは絶対に参ってお願いしたいと到着すると、サイクルラックがある。
今回の私たちのすべての目的地に設置されていてビックリした。自転車に乗るようになってから、初めて知るサイクリストにも優しい世界。自転車を停めて、参道を歩いて参拝をする。金運の神様だし、もう強欲なお願いばっかりかけてみた。その後、おみくじを引くと「健康に優るものはなし。信心と用心せよ」という概要の内容が書かれていて、私の強欲さが見透かされた感じで爆笑しちゃった。
上り坂と初めてのグルメも満喫
空腹状況が限界なので近くでお店を検索すると、14時でランチ営業が終わってしまうお店が多い。そもそも周辺にお店の数が少ない。とにかくどこかでご飯が食べたい~!! と検索したお店にピットイン。おばあさんが1人で営まれていて、昼から飲んでる常連のおじさんがいるような感じで、イメージどおりのTHE・町中華って雰囲気だ。近所にあったら、頻繁に通うだろうなと思うほどのメニュー数で注文に悩む。
ずっとラーメンで頭がいっぱいだったのでラーメンを注文すると、「ラーメン食べるならこっちのほうが美味しいよぉ!!」と、まさかの店主からの逆提案。私はあっさり「厄除タンメン」なるタンメンへ変更(笑)。安房神社の近くなので厄除けなのかしら。厄除けタンメンは野菜たっぷりでボリュームも満点。そして、ホッとする味。タンメンとノンアルコールビールが染みるぅ!!
休日の朝から自転車で知らない道を走り、知らないお店で美味しいメニューに出合い、これを最高と言わずに何と言おうか。エネルギーも満タンになって「よーし!! ガンガン走れるぞー!!」とますます元気が出てきた。ここまで約50km走っているのに、全然疲れていないし、どこも痛くない。まだまだどこまでも走れそうな気分だ。
思いっきりロングライドしてバッテリーが切れても、スペアバッテリー入りのバッグをトップチューブに付けているから安心!! この邪魔にならないコンパクトさがとても良い。今回のルートではそこまで高低差もなく、スマートモードを使って約50km走ってもバッテリーは半分も減っていない。1日中走りまわってもスペアバッテリーの出番はなさそうなスタミナだった。これなら今度は1泊して2日間まるっと走ってみたい。スマートモードはBESV独自のアルゴリズムで、ペダリングの力などを感知して、最適なパワーでアシストしてくれるモード。だから、パワーモードほど電力も使わず、いつも快適にアシストしてくれる。
今度はたっぷり食べたぶんのカロリーを消費したい。残り20kmを一気に走るぞー!! とサイクリングを再開。いつも2人で走る時、夫は私に合わせて少しゆっくり走ってくれる。そんな先導する夫がここに来て少しだけスピードを上げてきた。「くっそー。これは試されているぞ」と思いながらも、一生懸命ついていく。「無理だ。スピード落として」とギブアップするのは、何かに負けた気がして絶対に嫌だ(笑)。
そして、上り坂も増えてきた。結構な急坂を上っても上っても坂が続く。そんなに高低差ないって聞いてたけど!? と思い出しながらも、必死にペダルを回してついていく。上り切ったと思った後に、すぐに見えてくる次の上り坂。ハーハー息切れしながらも上れて、むしろワクワクしてしまうのは、e-bikeならではの楽しみだ。
上り坂を攻略してアドレナリンがバンバン出ている頃に、とうとうゴールとなる館山駅付近に戻ってきてしまった。ラストは木村ピーナッツという人気のお店でピーナッツソフトクリームを頂く。ピーナッツの香りがしっかりする濃厚なソフトクリームで、ひと口食べてビックリした!! さすが名店。これは病みつきになる美味しさだ。
やっぱりe-bikeは楽しい!! ロードバイクにもハマった
初めてロードバイクのe-bike「JR1」をお借りして、私なりに練習をしていろいろな「初体験」をした南房総サイクリング。朝にレンタカーで出発して、ゆっくり6時間半ほどかけて70km走ったけれど、あっという間の1日だった。まだまだ走りたいね!! 今度は泊まりで来てもっと南房総をぐるっと走りたいね!! などと話しながら帰路についた。やっぱりe-bikeは楽しい!! サイクリングにも最高の季節を迎えたので、また思いっきり走りに行きたーい!! 完全にロードバイクにもハマってしまい、もっともっとしっかり乗れるように、私ももう少し鍛えたいなぁなんて思っているのでありました。