家電製品レビュー

検温結果がスマホに自動転送される体温計は、履歴が残せて便利!

検温結果をスマホアプリに自動で転送する予測式体温計「UT-201BLE Plus」

新型コロナ禍で、誰もが体温測定の必要性を感じ、測定する回数が増えていることだろう。我が家のメンバーで言えば、筆者や妻はもちろんだが、特に保育園へ通う息子は、体温の変動が大きく気になるところだ。

そこで今回は、測定した体温を自動でスマートフォンの専用アプリに記録できる、A&D(エー・アンド・デイ)の予測式体温計「UT-201BLE Plus」(実売価格5,000円前後)を使ってみた。

基本機能は一般的な体温計と同様だ。30秒で体温を(予測)計測できるとともに、その後も10分間計測すると、より正確な体温が計測できるというもの。

計測が終わると結果が自動で転送される
体温計としてはディスプレイが大きく、測定結果が見やすい。バッテリー残量も表示される
本体背面
ボタン電池としては一般的なCR2032を使用。コンビニでも売っている電池なので、バッテリーがなくなった際には容易に手に入れられるだろう
本体上部がプクッと広がった形状は、幼い子供でも扱いやすいのではないだろうか

iPhoneなどのiOSと、Android端末に対応。

まずは下記から、スマートフォンの専用アプリ「A&D Connect Smart」をダウンロードする。アプリの指示にしたがって、体温計本体とBluetoothで連携させる。特にとまどうことはなかったので、簡単だったと言えるだろう。

スマートフォン向け専用アプリ「A&D Connect Smart」

iOS(iPhoneなど)はこちらからダウンロード

Androidはこちらからダウンロード

使い方も簡単だ。スマートフォンなどと連携させると言っても、単に専用アプリの「ダッシュボード」画面を開き、体温計をワキに挟んでしばらく待つだけ。30秒後に短く「ピー」っと体温計が鳴ったら、体温計を取り出す。すると自動で体温がアプリ画面に表示され、アプリに体温が記録される。もちろん本体のディスプレイにも体温は表示されるが、息子の体温計測の時には、ほとんど見ることはない(息子が数値を声に出して言うか、片付け始めているため)。

測定しはじめて30秒で鳴るのは予測した計測値。より正確な計測には10分かかる。30秒が経過したときのビープ音をやり過ごし、そのままワキに挟んでおくと、10分後に改めてビープ音が鳴る。ただし筆者が何度か試した限りでは、30秒後と10分後の値に大きな差異はなかった。そのため、毎朝の計測では30秒で終わらせている。

「ダッシュボード」画面の「体温計」と表示されたところをタップすると、折れ線グラフで過去の体温数値を表示

くどいようだが、体温を記録するために、追加で行なう必要があるのは、アプリの「ダッシュボード」画面を開くことだけ(アプリを起動させると開く画面)。そのため、めんどうに感じることがなく、習慣化させやすい。

また、この専用アプリは、同社の血圧計や体重計、活動量計などにも対応している。これらの製品とあわせて使うことで、より健康管理しやすくなる。

過去の体温の推移を確認したい場合は、「ダッシュボード」画面の「体温計」と表示されたところをタップする。画面が切り替わり、直近で計測した体温数値の下に、一週間の体温の推移が折れ線グラフで表示される。グラフは日/週/月で確認できるほか、表組みでより詳しい「履歴」が確認できる。

「週」をタップして「履歴」を選択すると、表組みで過去の体温数値を確認できる

こうしたグラフをSNSなどで共有することも可能だ。例えば、子供が風邪をひいたときなどは、日に何度も体温を測る。そんなときに、外出している家族に様子を知らせるのに、便利だろう。また、今後はオンライン診療も増えることだろう。そうした際に、もしかすると、医師に計測データを共有すれば、医師の判断材料として有用かもしれない。

折れ線グラフなどの共有が可能

iPhoneユーザーなら「ヘルスケア」との連携も可能

またiPhoneなどのiOSにインストールされている「ヘルスケア」アプリと連携させられるのがうれしい。専用アプリの初期設定時に、「連携しますか?」といった表示が出てくるので「OK」をタップすればいいだけだ。

「ヘルスケア」アプリと連携させると言っても、使い方は変わらない。専用アプリ「A&D Connect Smart」を起動させ、体温を測る。すると記録されたデータが、アップルの「ヘルスケア」にも自動で同期されていく。あとは「ヘルスケア」アプリを開くだけで、計測した体温が同期されているか確認できる。

このデータの同期については、「A&D Connect Smart」に記録されたデータが、「ヘルスケア」アプリと同期するだけ。体温計から「ヘルスケア」アプリに直接データが転送されるわけではない。

その後「ヘルスケア」アプリを起動させると、様々な対応デバイスで計測した数値がカテゴリーごとに表示される。「体温」の項目に、「A&D Connect Smart」に記録された数値が、同期されている。

この「体温」をタップすると、日/週/月/年のグラフが表示される。はじめは「日」ごとの推移が表示される。下の画像は「週」で表示させた場合の画面。

iPhoneなどに最初からインストールされているアップル「ヘルスケア」アプリ
「ヘルスケア」アプリを起動させると、様々な対応デバイスで計測した数値がカテゴリーごとに表示される。「体温」付近をタップすると、折れ線グラフで推移が表示される

「ヘルスケア」アプリの「概要」画面に「体温」の項目が表示されないことがある。その場合は、「編集」をタップして、「概要」画面に表示される項目を変更しよう。「よく使う項目を編集」する画面が表示される。ここで「バイタル」カテゴリーの「体温」の星マークをタップする。すると「概要」画面の「よく使う項目」内に「体温」が表示され、次回からアプリ起動後すぐに「体温」を確認できるようになる。

「概要」画面に「体温」が表示されない場合は「編集」をタップする
「よく使う項目を編集」する画面で、「体温」項目の星マークをタップすると、「概要」画面で体温をチェックしやすくなる

とにかくスマホとの連携が簡単! 手間がないから続けられる

活動量計をはじめ、様々なヘルスケア機器がスマートフォンと連携できるようになった。こうした機器で計測した数値を、アプリに記録できるのはとても良いことだと思う。

特に体温計に関して言えば、例えば40歳半ばの筆者の平熱と、6歳の息子の平熱とは違う。同じ37.0℃でも、筆者の場合は「体の異変」を表していることが多いが、平熱の高い息子の場合は、それほど慌てる必要もない数値だ。

もともと保育園へは、毎朝の体温を報告しているが、日々計測することで、子供の平均体温を把握できる。それは、異変を察知しやすいということでもある。

こうしたスマートフォン連携が可能な体温計は、今後も続々とリリースされるだろう。どれを購入すべきかと選択が必要になったときに、筆者が最も重視したいのは「手間がかからないこと」だと感じた。

その点、A&D「UT-201BLE Plus」は、専用アプリを起動させて、いつもどおりに体温計で測るだけ。すでに最小限の手間で、スマートフォン連携が可能だ。

ただ、おそらく子育て世代では、自身の体温と子供の体温とで、別々に記録していきたいというニーズは多いはず。測定して体温データを転送する際に、記録できる人数が増やせると、より便利だろう。といっても、ユーザーの切り替え操作が必要になるなど、利便性が損なわれる可能性もあるので、うまくアップデートされるとうれしい。

河原塚 英信