家電製品レビュー
“押せば使える”が斬新!! ボッシュの新型コードレス電動ドライバー「PUSHDRIVE」
2019年12月16日 00:00
ボッシュ(BOSCH)から新しく発売されたコードレス電動ドライバー「PUSHDRIVE」。「ドライバー先端でネジを押せばスイッチが入ってネジ回しができる」という、ちょっと斬新な電動工具です。もしかしたら非常に便利だったりして!? と興味を抱いたので購入してみました。
メーカー名 | ボッシュ |
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製品名 | PUSHDRIVE |
希望小売価格 | 9,300円(税抜) |
購入の動機は、前述のとおりネジに向かって押し込むとスイッチが入るという機能。ネジ回しって、ネジにドライバー先端を強めに押し付けて締めたり緩めたりするのが基本です。その基本をうっかり忘れると、ネジ頭(ネジ頭部の駆動部)を破損しちゃったりします。このPUSHDRIVEの場合、必ずドライバー先端をネジに押し付けるので、うっかりネジ頭破損とかがなさそうでイイかも、と。
また、わりと細身の棒状というのも良さそう。L字型というか拳銃型というか、よくある形状の電動ドライバーって携帯するにも保管するにもわりと嵩張るんですよね。PUSHDRIVEならそういう面でも便利そう、と思った次第です。
で、購入後にしばらく使ってみての結論から書いてしまいますと、コツを掴めば非常に使いやすいコードレスドライバーだな、と。ただ、向き不向きがありつつ、若干の疑問も残りました。というわけで以降、PUSHDRIVEについてレビューしてみたいと思います。
PUSHDRIVEはどんな製品? 写真でチェック!
まずはPUSHDRIVEの概要から。スペック詳細についてはメーカー公式ページをご覧いただくとして、ここでは写真と説明文でPUSHDRIVEがどんなコードレスドライバーなのかを見ていきましょう。
といった感じのPUSHDRIVE。クラッチ機構付きの本体といい、機能性の高いケースといい、なかなかヒキの強い製品という印象です。
実際の使用感と疑問点など
さて、実際にPUSHDRIVEを使っていての印象ですが、「ネジに向かって押し込めばドライバーの回転が始まり、押し込むのをやめると回転が止まる」(プッシュ&ゴー機能)という操作性が便利。当初の予想どおり、このコードレスドライバーだと「うっかりネジ頭破損」を防げています。
それから、総じて「このサイズなのにパワーがある」という感じがします。最大締め付けトルクは5N・mで、これは手でかなりギュ~ッと締めるような強さです。このくらいの力があるので、例えば木製の組立家具のネジ締めならバッチリ締まりますし、組み立て式スチール棚のネジ締めあたりにも十分対応できます。
また、一定のトルクを超えたらドライバー回転がストップするクラッチ機構がありますので、ネジの締め過ぎによるネジ山破損などもある程度防げます。木製組立家具のネジ穴破損なんかもある程度は防げますね。
あと、本体単体の携帯性や収納性も良好。付属ケースに入れると若干嵩張るわけですが、スティック状の本体のみをちょっと持ち出して使うような場合、嵩張らないのがイイ感じ。
そんなPUSHDRIVEですが、使うのには少々慣れが必要だと思います。というのは、上にもちょっと書きましたが、意外なほどトルクが強いんです、このコードレスドライバー。
クラッチ機構の設定をトルク弱めにしても、例えば柔らかめの木材に木ネジを締めるような場合は木材の穴が削れてネジが空回りするようなことがあります。なので、場合によっては「ネジ回しから最後の締めまでPUSHDRIVEに任せる」のではなく「ある程度電動で締めたら最後は手締め」というふうに使うのが無難だと思います。
このようにトルクが強いので、ネジ締め時に本体をギュッと握っていないと手首を捻ってしまう可能性もあります。意識していれば大丈夫というレベルではありますが、ラバー素材のグリップ部は滑りにくいこともあり、気を抜いていると手首が捻られて「うぉっ!!」と驚くことも。女性ならば両手で力を込めて本体を握るのが無難かもしれません。
このトルクの強さをどう捉えるかで、PUSHDRIVEの評価がけっこう分かれるような気がします。筆者の独断と偏見でいえば、このトルクの強さは自作PCのネジ締めとか小物のネジ締めとか、小さめのネジを使う木製品のネジ締めには不向き。注意しないとネジ頭やネジ山、あるいは木材のネジ穴を破損してしまうと思います。
逆に、ある程度強靭な金属製品などのネジ締めには便利。十分強くネジ締めできますし、スライドスイッチを中央にセットして力強く増し締めすることも可能です。バイクやクルマや自転車をいじる時の「ネジ早回し用のコードレスドライバー」として活用できると思います。
PUSHDRIVEについて若干疑問が残ったのは、付属する12種類32本のビット類です。内訳は前述しましたが、再度書きますと、プラスビットがPH0/PH1/PH2(各2本)、マイナスビットが3/4(各2本)、六角ビットが3mm/4mm/5mm(各3本)、トルクスビットがT10/T15/T20(各3本)、ポジドライブビットがPZ1/PZ2(各2本)、60mm長の延長ビットホルダー1本です。
つまり、同じタイプ・サイズのビットが複数本入っているんですね。六角ビットやトルクスビットは同じものが3本も入っています。そんなに必要かな? と。カブって同じビットを入れる代わりに、別のタイプ・サイズのビットを入れて欲しかったかも、と。
もうひとつの疑問として、PUSHDRIVEの押せば電源オンでドライバーが回転するプッシュ&ゴー機能。この機能自体は非常に実用的なんですが、ドライバーの回転がこの機能だけに依存している点が少々疑問です。プッシュ&ゴー機能をオフにして、指先でボタンを押してドライバーを回転させられるような機能もあれば、PUSHDRIVEをより幅広い用途に活用できたような気がします。
てな感じで少々の疑問や向き不向きがあるPUSHDRIVEですが、そんなコトを言いながらも筆者宅では頻繁に役立ってくれています。少々のコツを掴み、使い所を誤らなければ、かなり快適に使えるコードレスドライバーですので、興味のある方はぜひジックリとチェックしてみてください♪