家電製品レビュー

家具のネジ締めが秒で終わる! 5,000円のペン型電動ドライバーが超便利

このドライバー、どうやら簡単にネジを締められるらしい……

リモートワークが常態化し、在宅勤務の環境を整えようと、先月1LDKから2LDKの部屋へと引っ越した。仕事部屋に置くデスクなども購入したのだが、組立家具を買うと避けては通れないのがネジ締め。面倒でしばらく放置していたところ、“押すだけでネジ締めできるドライバー”なるものが発売された。ブラック・アンド・デッカーの「プッシュドライバー BD40K27P」だ。店頭予想価格は4,980円(税別)。

“押すだけでネジ締め”とはどういうことかと言うと、一般的な電動ドライバーは本体のトリガーを引いて作動させるが、プッシュドライバーはペン型の本体をネジに押し込むようにするだけでネジ締めができるのだという。電動工具なんて使ったことはないが、これなら難しくなさそう! と早速試すことにした。

今回組み立てるのはIKEAのデスク。「LAGKAPTEN(ラグカプテン)」というテーブルトップと「ADILS(オディリス)」という脚の組み合わせで、2台分で10,000円以下だった。

2台で10,000円しないIKEAのデスク

組み立てと言っても、テーブルトップに脚を取り付けるだけなのだが、脚は全部で8本。脚1本につき5本のネジを使うので合計40本のネジを締める必要がある。

IKEAの家具に使われているネジは、実はプラスではなく「ポジドライブ」というものが多い。よく似ており、プラスドライバーでも回せないことはないが、専用のドライバーを使った方が締めやすい。プッシュドライバーにはポジドライブのビット(ドライバーの先端パーツ)も付属していて、IKEA家具の組み立てにもぴったりだ。

IKEAのネジにはプラスとよく似た「ポジドライブ」が多い

今までの労力はなんだったのか……何本でもサクサク締められる!

締めるときのパワー(トルク)は最大5N・mまで5段階で調節できる。電動ドライバーを使うのが初めてなので、恐る恐る最も弱いトルクから始めてみることに。

使い方はネジ穴にネジを差し込み、ビットを取り付けたプッシュドライバーをネジ頭にぐっと押し込むだけ。するとあっという間に半分あたりまで締まった。トルクを1段階強めると、完全に締まる1~2mm手前で止まる。となると、3番目の強さがちょうどよさそうだ。

このように弱いトルクから徐々に調節していけば締めすぎることはないので、初心者でも安心して使える。使う前は、ドライバーが回りすぎてネジが板に埋まってしまったらどうしよう……と不安だったのだ。

ネジに先端を押し込むだけ
最も弱いトルクだと、半分締めたあたりで止まった
あっという間にネジ締めできる

1本のネジ締めにかかる時間はほんの2~3秒。本当にあっという間に締められるので、どんどん作業を進められた。ネジがテーブル板に対して垂直になるようにだけ気を付ければ、特に難しいコツは不要で簡単に扱える。

ただ、トルクを上げたときに軽く握るだけだと手の力がドライバーのパワーに負けて、ネジ頭からガッ、ガッとドライバーが外れてしまうことがあった。これは両手で本体を持ちしっかり体重をかけて押し込むようにすると一発で解決できる。

しっかり体重をかけて押し込むのがポイント。押し込むとライトが手元を照らしてくれる

サクサクとネジを締めていき、同時に撮影などもしながら約20分で作業が完了した。ネジを締めるだけであれば、10分もかからないだろう。最後に金具に脚を取り付け、30分足らずで2台のデスクが完成した。

作業中、試しに手動でも締めてみたところ、1本くらいならすぐに締められたが、これを40本となるとなかなか疲れそうだった。対して今回、体力の消耗は0。プッシュドライバー様様である。

コツいらずでサクサク進められた
脚を取り付けたら完成

ドライバーの回転方向はスイッチで正転/逆転を切り替えられ、ネジを緩めることも可能。このスイッチを真ん中にすると回転しないようロックされるため、最後に微調整したいときは手回しドライバーのように扱える。

コンパクトだからか、使用時の音もそれほど大きいとは感じない。引っ越し業者が使用していた電動ドライバーと比べると全然静かで、集合住宅でも気にせず使えた。

トルクはボタンで5段階に調整可能。その下のスイッチで回転方向を正転/ニュートラル/逆転に切り替えられる

コンパクトでゴツくない。気軽に買える価格も魅力

本体はUSB充電式のコードレス仕様。約90分の充電で、約115本分のネジ締めができる。今回のデスクには2台で40本のネジを使用したので、一度の充電で5台分は作業できる計算だ。

プラスやマイナス、ポジドライブなどのビットは計18種類が付属。ビットの交換も、手で簡単に付け外しできる。また手動の精密ドライバーもセットになっていて、メガネの調整なども可能。本体と付属のビットなどは、すべて専用ボックスにコンパクトに収納できるようになっている。

専用ケースに入れて500mlペットボトルと比較。たまにしか使わないものだから収納のしやすさも重要

付属ビットの詳細は次の通り。プッシュドライバー用が、25mmプラス#1/#2、同スクエア#0/#1/#2、同マイナス#3/#5/#6、同ポジドライブ#1/#2、同トルクス#10/#15/#20、同ヘックス#3/#4/#5、50mmプラス#1、同マイナス#4。精密ビットホルダー用が、U字#2.6、トライアングル#2.3、スター#0.8、Y字#0.6、トルクス#2、ヘックス#2、プラス#00、マイナス#2。

18種類の電動ドライバー用ビット、8種類の手締め用精密ドライバービットが付属

カラーは今回使用した新色のピンクと、既存色のブラックがラインナップされている。新色は白ベースにピンクのアクセントカラーが「いかにも電動工具」という感じがしなくて、普段あまり工具を使わない人でも手に取りやすいのではないだろうか。なにより、4,980円(税別)という価格が気軽に試しやすい。

最大トルクは5N・mと、普段からガンガンDIYをする人にはもしかしたら物足りないのかもしれないが、個人的にはDIYをしない人も組立家具専用として持っておいて損はないと思う。手でネジを締められないわけではないが、プッシュドライバーがあるとこれからのネジ締めが格段に楽になること間違いなしだ。

プッシュドライバーのおかげでデスクのネジ締めがあっという間にできた。1カ月待ちだった椅子も届き、リモートワークスペースが完成!
鄭 恵慶