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【レビュー】噂に違わない吸引力だった、パナソニックの「パワーコードレス」はメインの掃除機にオススメ
2018年9月18日 06:30
吸引力が優れていると噂の、パナソニックのスティッククリーナー「パワーコードレス MC-SBU820J(以下:パワーコードレス)」を使う機会を得た。
先に書くと、噂に違わない吸引力だった。さらに、駆動部が手元にあるタイプのスティッククリーナーの宿命である自立させられない、という点について。専用スタンドが同梱されているため、保管がしやすい点も評価できる。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | パワーコードレス「MC-SBU820J」 |
価格(編集部調べ) | 85,500円 |
パワーコードレスは、なんと言っても強力な吸引力が特徴。それでいて、他モデルと比べて駆動音がうるさく感じることもない。基本は毎日掃除機をかけている畳敷きの和室やフローリングのダイニング部を、改めてパワーコードレスで掃除したところ、どこに隠れていたのかと思うほどにホコリが取れた。
吸引力と合わせて、クリーナーヘッドの「ガバとり構造」と「親子ノズル」で、部屋の隅や、すき間の掃除にも強いと言える。
ガバとり構造は、クリーナーヘッドが壁に当たると、ヘッド部の前部がチョコッと開く仕組みのこと。壁の際の際に溜まったゴミやホコリを取りやすくしている。
それでも取れないゴミは、親子ノズルを使えばOK。親子ノズルは、クリーナーヘッドの左側に設置されたペダルを、足でグッと踏むと、クリーナーヘッド部が分解されて、パイプの先で掃除するような感じにできる。すき間ノズルのように、狭いエリアを掃除するのに力を発揮する。
ガバとり構造と親子ノズルがあるため、ヘッド部分をすき間ノズルなどに付け替えて掃除する必要がなくなる。「すき間ノズルに付け替えるのが面倒だから、このすき間の掃除は、今日はやめておこう」なんてことが激減するはずだ。
見えないホコリを“見える化”するクリーンセンサー
また、同社の伝統とも言える、ほこり検知センサーは「クリーンセンサー」に進化。ホコリやゴミを検知すると、手元に近いランプが赤く光り、ゴミがなくなると青く点灯する。同社の既存モデルよりもLEDランプが大きく、赤く点灯すれば意識していなくても自然と目に入るようになった。
そのため、赤く点灯すると、自然とクリーナーの動きをゆっくりと動かすようになる。また、すき間など自分では見られない場所を掃除する際にも重宝する機能だ。
クリーンセンサー搭載のメリットは、視覚に訴えるだけではない。「自動運転」モードの場合、いつもは弱モードで駆動するが、ホコリやゴミを検知すると素早く強モードへと切り替わってくれる。そのため、バッテリー駆動時間の長い自動運転モードにしてもしっかりとゴミやホコリが取れる。
そのバッテリー駆動時間について、仕様では、強で約6分、自動で約18〜40分、ロング(弱)で約50分〜65分となっている。強モードでは、さすがに家をくまなく掃除するのは難しい。「今日は掃除しまくるぞ!」と気合の入った時には、自動モードを使うとよいだろう。
畳にばらまいた茶葉を使い、自動モードで吸引力をテストしてみた。ゴミを検知すると、駆動が強になって強力に吸引していくのがわかる。
様々なアクセサリーで場所にあった掃除が可能
ペタすき間ノズル/すき間用ノズル/ふとん清潔ノズル/ロングホースと、メインの掃除機で使えるほどに付属品が多いのも特徴だ。前述の通り、普段の掃除にはパワーノズルで充分だろう。だが、本当に隅々まで、あらゆるところまでキレイにしたいという時には、これらのアクセサリーが活躍する。
ふとん清潔ノズルは、ふとんを掃除するのに最適。手動のマッサージ機のようにゴツゴツしているのがポイント。ふとんの上を掃除しても、吸い付き過ぎないので動かしやすい。
延長管を外せばハンディクリーナーにもなるほか、ロングホースも取り付けられる。好みによるが、自動車のシートなどを掃除する時や、階段などを掃除するのに便利だろう。
溜まったゴミをサッと捨てやすくて◎
サイクロン式の掃除機は、言うまでもなく、できるだけ頻繁にゴミを捨てることで吸引力が保てる。逆に、いくら優れた吸引能力を誇っていても、ゴミが詰まったままだと、一般的に吸引力は落ちる。
そのため、ダストボックスに溜まったゴミを、どれだけ簡単に捨てられるかが非常に重要だ。
パワーコードレスの場合、ダストボックスのフタがワンタッチでパカっと開く構造。念入りにゴミを捨てるには、さらに分解する必要があるが、溜まったゴミをちょっと捨てようかなぁっていう時に、簡単に捨てられる。
念入りにゴミを除去したい時には、ダストボックスをどんどん分解すれば良い。
専用スタンドを使えば収納もスッキリ
最後に書くが、箱から取り出して真っ先にすべきなのは、専用スタンドの組み立てだ。組み立て時には、プラスドライバーが必要だが複雑な工程もなく、作業自体は5分もあれば完了する。
スタンドができたら、クリーナー本体を出して、チューブとパワーブラシを接続する。充電台から覗く充電プラグの先端を、本体背面の端子に差し込むように立てれば、すっきりと収納できる。
専用スタンドを使わない場合は、充電ケーブルをスタンドに装着せずに、直接クリーナー本体に差すこともできる。
ここで一つ気になったのは「ACアダプターが大きいな」という点。プラグが一体型となっているので、延長コードに差すのにはキツイ大きさだ。延長コードの利用は、推奨しないということなのだろう。
筆者は、自立するクリーナーが好きなのだが、その理由の一つに収納のしやすさがある。非自立タイプだと、収納できる場所が限定されがちだからだ。その点、専用スタンドが付属されているのは嬉しい。ただし、専用スタンドに立てると、けっこうな存在感なので「リビングなどに気軽に置いてもOK!」とは言い切れない。できれば収納スペースにひっそりと置いておきたい。
もう一つ、非自立タイプが苦手なのが、掃除中に気軽に手を離せない点。だが、パワーコードレスの場合は、取っ手部分に滑り止めの「壁ピタゴム」を付けることで壁に立て掛けやすくしている。
長時間の掃除では少し疲れる
最後に構造上の不満を1つ。本体のハンドル=持ち手の形が、筆者には合わないと感じた。持ち手が1カ所しかない、持ち方が1つしかないので、時々“握りづらいな”と感じることがあったのだ。握りづらいと感じる時は、同時に重さも感じてしまう。
具体的には、ハンドルを握って、掃除機を前方に突き出すようにしか動かせない。例えばハンドルの上部にも持ち手があれば、ダラーッと腕を下げて持てるだろうなと思う。
掃除するモチベーションが高い時や短時間なら、グイグイと突き出すように掃除するのも苦ではない。けれど、家の中をくまなく、数十分に渡って掃除する時には握り方を変えたくなる。似たハンドル形状の他社製スティッククリーナーと、同種のストレスを感じてしまった……。やはり強力なモーター搭載すると、重たくなってしまうのだろうか……。とはいえ、パワフルな吸引は魅力的。メイン掃除機としてオススメの1台だ。