家電製品レビュー
床がピッカピカ! 「ブラーバ ジェット」は完璧な床拭き専用ロボットメイドだった!
2016年11月8日 07:30
靴下なしのウッディーな生活がしたくなる
ロボット掃除機は、今ほしい家電の中でもいつも上位に食い込む人気製品だ。「ルンバ」でおなじみの海外製から、国内メーカー各社が性能を競いあっている。僕も家電 Watchをはじめウェブやテレビで、そのすばらしさを鼻息を荒くして語ってきた。今回紹介するのは、床拭き専門のロボット掃除機。賢いと評判のルンバと同じiRobot社製「Braava jet 240」(ブラーバ ジェット)だ。
メーカー | iRobot |
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製品名 | ブラーバ ジェット 240 |
実売価格 | 32,270円 |
ヨーロッパやアメリカなどの一般家庭は、部屋一面にラグやじゅうたんが敷いてあるのが普通。フローリングやタイル張りになっているのは、キッチンやトイレなどの水周りだけ。
しかし日本の家庭を見てみると、廊下もリビングもキッチンもみんなフローリング。ところどころにラグやじゅうたんが敷かれていている、という家が多いだろう。和室にいたっては、全面じゅうたんにしてしまっているか、畳敷きのままのどちらかだ。
じゅうたんやラグは吸引式のロボット掃除機で掃除するのが一番。でもフローリングや畳なら、拭き掃除をするのが一番きれいになる。
今回紹介する床拭きロボット「ブラーバ ジェット」は、海外製ながらかなり日本を意識した製品で、日本の家庭にマッチする。なにせ初代ブラーバを買ったヒトは、もう手放せない! と誰もが絶賛するほど。第2世代となる、水を自分で「シュ!」と噴射しながら水ぶきしてくれるブラーバ ジェットは、性能と中毒性がかなり高く仕上がっている(笑)。
今度のブラーバは水をジェットするからびしょ濡れにならない
雑巾がけをしてくれるロボット掃除機はこれまでにもあった。そのひとつは、初代ブラーバ。ロボット掃除機と違い吸引モーターがないのでとても静かで、床もピカピカに水拭き/乾拭きしてくれる。一度使うと止められない! と日本ではとくに大ヒットした商品だ。
今回発売された第2弾モデルのブラーバ ジェットは、必要なときに水を霧吹き状に床に吹いて、水ぶきするのが特徴。つまりコレまでの床拭きロボットの弱点だった、掃除を終了もしくは開始スタンバイ状態のときに、常に濡れ雑巾を床につけているため、床をびしょびしょにぬらしてしまうという点を、完璧に克服した。
とくに安い床拭きロボットは、水タンクを備え雑巾に水を染み込ませて床を吹いていたので、なかなか水の量をコントロールできず、掃除を終えて止まっているロボットまわりの床がびしょ濡れになってしまっていた。
掃除が終わったタイミングを見計らって、すぐに濡れ雑巾をはずしてやればいいのだが、それではロボットに掃除させている意味が半減してしまう。そんな床拭きロボットなので、どんどん水拭きさせたくなるだろう。
【追記】
セールス・オンデマンドによれば、「畳での使用は禁止」としています。そのため、一部表現を改めました
まるで部屋全体をみているようにまっすぐ走る。家具周りもOK
また、まるで部屋全体を見渡しているかのように、壁に対して垂直・水平に、そして拭き残しなく雑巾がけしてくれる点も特徴。
同社のロボット掃除機の最上位機種「ルンバ980」(2016年10月現在)の思考エンジン「iAdapt(アイアダプト)2.0」を使って、部屋の形状や障害物、自分の位置などを把握している。つまり価格のわりに、最新の頭脳を持っているということ。
しかし、ルンバが小型カメラを搭載し自分の位置情報などを補正しているのに対して、ブラーバにはカメラがない。また初代ブラーバはNorthStar(北極星)というマーカーを部屋に設置して、自分の位置を補正していたが、ジェットでは設置不要となっている。
なのにブラーバジェットは床の目を見ているかのように、まっすぐに進む。その姿は少しロボットをかじったことがある人なら、悶絶して驚くだろう。
なぜなら同じメーカーの同じ型番の同じロットのモーターを使っても、左右独立したモーターになっている場合は、部品の微妙なバラつきでまっすぐ走らせるのが難しいのだ(安いロボット掃除機がまっすぐ走らない原因はたいていコレ!)。
感動するのは、斜め配置家具の認識だ。矩形で部屋を掃除していくブラーバだが、斜めに配置されている家具を発見すると、いままでの軌跡から家具の角度を割り出し、それまで水平・直角にしか走らなかったブラーバが斜めに走り出す。
これでテレビ用のコーナーローボードのエッジにできがちな、拭き残しが一切なくなる。感動!
パッドは3種類。本体がパッドを認識して掃除パターンを切り替え
取り付けるパッドによって、拭きかたを変えてくれる点もナイスアイディア! 本体が差し込まれたパッドを認識して掃除パターンを変えるため、ボタン1つで操作できる。パッドは、念入りな水拭き用「ウェットモップ」、噴射する水の量が少なめの「ダンプスウィープ」、乾拭き用の「ドライスウィープ」の3種類。
念入りに3回水拭き「ウェットモップパッド」
ブルーの「ウェットモップパッド」には、洗浄剤が含まれていて、水を噴射すると洗剤が溶け出し、床をきれいに掃除してくれる。また手で左右に雑巾がけをするように、左右に少し扇状に走り、同じ場所を3回拭きする。
念入りに床をみがくので、週に1度のお掃除や子供が汚した床を掃除する場合などに便利だろう。
少量の水を噴射する畳などに向いた「ダンプスウィープパッド」
オレンジの「ダンプスウィープパッド」にも洗浄成分が含まれているが、こちらは噴射する水を少なめにするので日常的な掃除に便利。左右に扇状には走らず、直線的に前後に走り同じ場所を2度拭きするモードだ。
家具やじゅうたんは濡らさず回避。イスもクルっと回ってキレイに掃除
ロボット掃除機はじゅうたんなどの多少の段差があっても乗り越えられる性能が求められていた。しかし床拭きロボットは、じゅうたんを濡らしてしまわないように、5mm程度のじゅうたんでも回避するようになっている。
また軽いゴミ箱などは少し引きずってしまうかもしれないが、家具などへの衝突は柔らか。まず家具が傷付くことはないだろう。さらに水を噴射する範囲に障害物がないことを確認するので、家具に水をかけてしまうこともない。
ビックリさせられるのが、机やいすの脚だ。細い足を見つけるやいなや、そのまわりをクルリ! と回ってきれいにお掃除する。
ルンバから継承されている足の周囲の掃除だが、四角いブラーバが丸く円を描きながら掃除する様子は「萌え」すら覚えるだろう。もちろん階段や玄関の段差も見分けるので、まず落下しない。
GPSでも搭載してるのか!? と思わせるバーチャルウォールモード
ペットのハウスやちょっと作業をしている場所など、ブラーバに入って欲しくない場所を指定するバーチャルウォールも進化している。バーチャルウォールモードを搭載しているほとんどの機種では、タバコの箱程度の赤外線発信機を床にセットしなければならない。
しかしブラーバ ジェットは、発信機不要。スタート時にそれ以上入ってきて欲しくない場所に本体をセットし、スタートボタンを長押しするだけで、背面以降には進入しないようになっている。この見極めが秀逸で、GPSでも搭載してるのか? というぐらい正確なのだ。
なおブラーバ ジェットには、本体を充電するステーションのようなものはない。途中で電池切れにならない限り、必ずスタート位置に戻ってくるようになっている。
スマホ連携で細かな設定、とにかく自然に使いやすい
スマホなしでも十分に活躍してくれるブラーバ ジェットだが、スマホを使いBluetooth接続すると、噴射する水の量などを細かくコントロールできるのも便利だ。
また電池がカラになったら、デジカメやハンディカムの電池のように本体からバッテリをはずし、充電器にセットするだけでいい。
モップのパッドが汚れたら、ボタンをワンプッシュで、手を触れることなくゴミ箱へシュート! 基本的に1回のお掃除で使い捨てらしいが、毎日ブラーバ ジェットで掃除していると、床が汚れなくなる(笑)ので、うちでは5回以上使っても問題なかった。
使い捨てはもったいないという場合は、別売のクリーニングパッドを使うと、洗濯して繰り返し使える。このパッドは3種類ワンセットになっていて、それぞれをつけかえると拭き方が変わる。ただし洗浄成分は入っていないので注意。
まったく音がしないと言ってもいいほどなので、人がいる時間帯や夜に使っても、ご近所に気兼ねすることはない。実際に購入した人のほとんどが、人のいる時間帯に掃除させているようなので、予約機能はなくても使いづらさを覚えることはないだろう。