家電製品ミニレビュー

取れる汚れの量がハンパじゃない! 水拭きロボット「ブラーバ」がすごい

2014年一番感動した家電はコレ!

iRobot「ブラーバ 380j」

 2014年に発売された家電の中で私が一番感動したのは、ルンバでお馴染みのiRobotが発売した自動床拭きロボット「ブラーバ」だ。ゴミの吸引機能もなく、ただ床を拭く製品と聞いて、正直最初はピンと来なかったのだが、使い始めたらもうヤミつき。今では週3回以上はブラーバにしっかり床拭き掃除をしてもらって、自宅のリビングはいつでもピカピカを保っている。

メーカー名iRobot
製品名ブラーバ 380j
購入場所アイロボットストア
購入価格39,000円(税抜)

 ブラーバは、ルンバなどと同様、自分で考えて動きまわる“お掃除ロボット”だ。しかし、ゴミの吸引機能などはなく、できるのは床を拭くことだけ。本体サイズはルンバに比べるとずいぶん小さくて、軽い。

 使い方はとっても簡単。あらかじめ充電しておいたブラーバに専用のクロスを取り付けて、スイッチを押すだけ。すると後は自動で拭き掃除をしてくれる。

製品パッケージ
同梱品、専用のクロスが付属する
ルンバと並べたところ。ルンバに比べるとサイズはかなり小さい

 ルンバと大きく違うのは2点。まず、使用時には「NorthStarキューブ」というものを同じ室内に設置する必要がある。これは、NorthStar(北極星)のような動かない絶対的な指標を設けることで、正確な位置情報を把握するというナビゲーションシステムを採用しているためで、NorthStarキューブが天井に向けて赤外線を照射し、その赤外線のポイントを本体センサーで認識することで最適な動作を行なうという。

 もう1つは、掃除が終わっても自動で充電台に戻らないということ。掃除が終わると、運転をスタートした場所に戻ってきて、運転が終わったよということを音で知らせる。ブラーバの充電台は、ルンバのように平置きではなくて、立てて設置する。

「NorthStarキューブ」を掃除する室内に置いて、電源を入れておく
電源は単一形乾電池2本
ブラーバは立てて収納・充電する

人間の10倍以上きれいに、きっちり掃除してくれる!

自宅の約17畳程度のLDKを掃除したところ。こんなにたくさんのホコリと汚れが……

 言葉で色々説明するよりも、まずはこのゴミの量を見てもらいたい。これはブラーバのから拭き用ユニットに、クイックルワイパー用のシート「立体吸着ウェットシート」を装着して、室内を掃除した後のもの。これ、別に1~2週間全く掃除していない部屋で使った訳ではないですよ? これでも週に2~3回掃除機をかけて、床拭きも人間の手でしている部屋です……。

 それでもこれだけの汚れやホコリが取れるのには訳がある。まず1つはとにかく丁寧に掃除してくれるということ。例えば、15畳のリビングを1時間半もかけて掃除してくれるのだ。これが人間、というか私だったらおそらく10分? いや5分もかけずに拭き掃除を終了している気がする……。

 2つ目はその動き方にある。ブラーバはウエットモードとドライモード、つまり水拭きとから拭きの2つモードを搭載している。ウェットモードは水を補給しながら、拭き掃除をしてくれるのだが、注目したいのはその動き。人がモップがけする時のように1カ所をゴシゴシと往復するのだ。

ウェットモード使用時には水タンクを備えたパッドを使用する
掃除中、常に水を補給してくれるので、床表面に付いた汚れをしっかり落としてくれる

 3つ目は人が入れない場所もガシガシ掃除してくれるということ。例えばソファの下。100kg近くある我が家のソファの下スペースは高さ9cm弱。ルンバも入れないくらい狭いのだが、ブラーバならスイスイ入れる。実は初めてブラーバを使った時、ソファの下の溜まりに溜まった埃を拾って、室内を隅から隅まで掃除してくれたので、結構スゴイことになった。

 ブラーバにはあらかじめ、ドライ用とウェット用のクロスが付属するが、私のオススメはなんといっても「立体吸着ウェットシート」だ。ただ拭き掃除するだけでなくて、細かなホコリや髪の毛までキャッチしてくれるので、ブラーバとの相性は抜群。その際の運転モードはウェットモードを選択している。

 ドライモードでは直線的な動きで、ウェットモードより短時間で掃除を終わらせるが、ウェットモードはゴシゴシと往復する。念入りに掃除したいなら断然ウェットモードがオススメだ。

色々試したが、「立体吸着ウェットシート」がオススメ!! 掃除が終わったらそのまま捨てられるのも魅力
クリーニングパッドに装着する

 ちなみに、ブラーバもルンバや、ほかのロボット掃除機同様、使用時は床の上のものをある程度片付ける必要がある。ただし、ロボット掃除機のようにブラシがないため、コードなどを巻き込んでしまう心配はない。

音が静かだからテレビ見ながらだって使える!

椅子の下はもちろん、汚れがちなキッチンの床もきっちり掃除してくれる。音が静かで、時間を気にせず使えるのが魅力

 ブラーバの良いところは、とにかく運転音が静かなこと。テレビを見ながらだって、全く邪魔にならないし、深夜だろうが、気にせず使える。これはルンバとは大きな違いだ。ルンバは、ゴミを吸引するため、それなりに運転音がする。そのため、使うのは外出中がオススメ。しかし、ブラーバはむしろ人がいる時間帯に使うことが多い。

 例えば、日曜日の朝洗濯して、掃除機をかけて、食器を洗っている間にブラーバのスイッチをON。あるいは、平日昼間にルンバに掃除してもらって、夜は仕上げのブラーバをON。という風な使い方だ。週に3回ほど、ブラーバを使っているのに、いつでも必ず、ホコリやゴミをびっしり取ってくる。どこにこんな汚れが? と不思議に感じるくらいだ。

人よりも丁寧に、キレイに

 最初、自宅でこの製品を使い始めた時、母に「そんなことまでロボットにさせるなんて! 人がやれることは人がやった方がいいわ」と言われた。しかし、実際ブラーバを使ってみせて、取れるゴミの量を見せたら、「これは人間ではかなわない」と言い、以降は積極的にブラーバを使うようになった。ブラーバは人が楽をする、怠けるための製品ではなく、人がやるよりも丁寧にキレイに床掃除を仕上げてくれる床拭きロボットだ。フローリングで生活していて、床拭き掃除を定期的にしているという人ならきっと満足できるだろう。

阿部 夏子