e-bike試乗レビュー
久々のe-bike旅へGO!! 天空の城の雲海や林道、MTBコースやサイクリングを満喫♪
2020年11月6日 08:00
コロナ禍が継続中で、e-bike部員らの自粛も継続中。たま~のサイクリングはソロ走行で、e-bike部員どうしのやり取りはネット経由でと、マジメに感染対策をしているのでした。
でも、そろそろ新型コロナウイルスへの対応策も明らかになってきました。ソーシャルディスタンスを取り、3密(密閉・密集・密接)を避け、ユニバーサル・ マスキング(すべての人がマスクを着用すること)を心がけ、手洗いなど励行すれば、どうやら大丈夫っぽい。
ということで、久々にe-bike部でサイクリング旅しようよ~サイクリング旅を~!!! サイクリングの季節だし~!!! てな流れに。
じゃあ、どこへ? サイクリング旅においても、やはり混雑しそうなエリアは避けたいところ。もちろんe-bikeを存分に楽しめるエリアがいい。どこ行く? どこ行きたい? とネットでやり取りしていたら、「兵庫県の北のほう」という案が上がりました。
えっ!? 全然ピンと来ない~。でも、実はけっこう自転車で巡れるよさげなポイントがあるのだそう。そして山や田畑が多いエリアでもあり、まぁ~ず密になったりするようなこともないとのこと。じゃあソコ!!! すぐ行きたいからソコ!!! そこにしましょう~と、前のめりに旅の準備に取り掛かるe-bike部の面々なのでした。
まずは……コロナ対策グッズ。マスクでしょ~アルコール消毒液でしょ~。
それから肝心のe-bike。今回は7車種のe-bikeを用意しました。現地でレンタルしたり、現地付近のe-bikeメーカーからお借りしたり、あるいは東京から配送したり。
ちなみにe-bikeはバッテリーが大容量であるため、飛行機での輪行が難しいです。車体のみを飛行機輪行で、バッテリーは宅配で現地に送るという方法はありますが、費用がそこそこかかっちゃいます。なのでまずは現地でのe-bikeレンタルが現実的ですね。
また、今回は数車種を東京から送りましたが、一応記事作成業務でもありましたので一般向けではないBtoBのサービスを使いました。裸の車両を渡すとトラックで配送してくれるサービスです。なお、個人向けのe-bike配送サービスについては、近々別途記事でご紹介する予定です。
さておき具体的な車種は、トレック「Rail 9.7」、エレクトラ「TOWNIE GO!」、スコット「GENIUS eRIDE」、キャノンデール「Topstone Neo Carbon 4」、キャノンデール「Topstone Neo Carbon Lefty 3」、コラテック「E-POWER X VERT CX」、コラテック「E-POWER SHAPE PT500」。車体ラインナップが凄い!!!
これらのe-bikeを時々クルマに積んでトランポしつつ、兵庫県の北のほ~でe-bikeサイクリングを敢行するわけです。楽しいe-bikeサイクリングになる予感♪
日の出に浮かぶ天空の城!!! 果たして、見えるかな?
配送したe-bikeの受け取りなどもあり、旅先には前日入り。諸々の準備を済ませて早寝です。翌日は未明から活動するから、しっかり早寝なのですっ!!!
暗いうちからe-bikeサイクリング? どんだけ走りたいんだよ~、みたいな感じがしますが、実は暗いうちから登山なのでした。
実はここ、天空の城跡として有名な「竹田城跡(たけだじょうせき)」が見える山の上なんです。「立雲峡(りつうんきょう)」と呼ばれる峡谷に、竹田城跡がよく見える展望台が複数あります。
で、運がいいと北側の山の頂上にある竹田城跡が雲海に包まれ、まるで空に浮かぶ城跡のように見えるらしい♪ ……運がいいと、ですが。
出るかな~雲海。見えるかな~天空の城跡。期待しつつ日の出を待っていたら……。
ナンと、そうそう見ることはできないらしい雲海に浮かぶ竹田城跡が見えましたっ!!! これは幸先がいい!!! このe-bikeサイクリング旅は超楽しくなるハズ!!! というわけで、縁起担ぎの早朝登山に大満足。さぁこれからe-bikeで走るぞ~♪
e-bikeだと城下町巡りも周辺散策も快適♪
下山後は竹田城跡周辺、つまり元城下町を散策してみることに。無料の観光駐車場があり、そこまで自転車をトランポで運んで拠点とし、城下町のe-bikeで巡ってみることにしました。
城下町エリアの町並みは、南北800mほどの範囲がこんな雰囲気。味のある建物が点在しつつ、お店などもポツリポツリとありますので、歩いて全部見ていくのはちょっと時間がかかる。道路もさほど広くないので、クルマで回るのも現実的ではありません。
なので、やはりe-bikeで見て回るとスムースに観光できる感じ。じっくり見たい場所ではe-bikeから降りて観光。見終えたらまたe-bikeで移動。時間を節約して充実した観光を楽しめるというわけです。
竹田駅から2kmほどの場所に、竹田城跡へ続く道の途中にある「虎臥城大橋(とらふすじょうおおはし)」があるとのこと。なかなかイイ感じの橋だということでe-bikeで見に行きました。
天気もよく、最高に気持ちのよいサイクリングを楽しめました。このあたりの一般道で、とりわけ裏通りはクルマ通りも少なく、景観ものんびりしています。ただ、アップダウンもけっこうキツいので、やはりe-bikeサイクリングで良かった~と思いました。
余談ですが、この時に筆者が使ったe-bikeはキャノンデール「Topstone Neo Carbon Lefty 3」。ドライブユニットとしてボッシュ「Performance Line CX」を搭載しています。
Performance Line CXはボッシュ製ドライブユニットの中ではもっともパワフルな部類で、Topstone Neo Carbon Lefty 3に搭載されているものは最大75Nmのトルクを発揮します。なので、厳しいアップダウンもラクに登坂可能。Topstone Neo Carbon Lefty 3は独自の片持ちフロントサスペンション(フォーク)とリアのKingPinサスペンション機構があり、乗り心地がいいグラベルロードバイクなんですが、それにパワフルなドライブユニットがあると、どこを走っても軽快で楽しい♪
やっぱりPerformance Line CXいいな~。次買うならPerformance Line CX搭載e-bikeにしたいな~♪ と思った次第です。
西日本エリア最大のe-MTB専用コース「Bosch Uphill Flow Volcano」で遊ぶ!!!
早朝から山に上ったりサイクリングしたり。でもまだまだ時間はたっぷりある! ということで、昨年別メンバーが遊びに行ったそうで、気になっていたMTBコースへ行ってみることに。
兵庫県豊岡市の神鍋高原(かんなべこうげん)には、通年型のアウトドアフィールド「アップかんなべ」があります。人気のスキー場としても知られています。
そこにはMTBフィールドの「UP MTB PARK IN KANNABE」があり、その一部が西日本エリア最大のe-MTB専用コース「Bosch Uphill Flow Volcano(ボッシュ アップヒル フロー ボルケーノ)」となっています。
MTBフィールド内にe-bike(e-MTB)専用コースがあるんですね。上りのみの一方通行コースです。
このMTBパークは、人力MTBはリフトで上ってダウンヒルを楽しむというスタイル。e-bike(e-MTB)も下り各コースを走ることができます。e-bikeならヒルクライムでも上れますが、リフトを使用することも可能。何度か上りを楽しんだ後にリフトで上って下りを楽しむ人もいるそうです。なお、e-bikeレンタルもあり、車体はナンとトレック「Rail 9.7」です♪
このMTBコース、とてもイイです。シーズンオフのゲレンデで、コース周囲はだいたい草。完全なダートと違ってあまり汚れませんし、転んでも怪我をしにくい。草地をMTBで走るとけっこうグリップもよく、初心者でも安心して走れる感じです。
ただ、下りの上級コースにはけっこうな難所があります。上級者なら楽しめるコースだと思いますが、初心者は……避けるのが無難かも!? なお、下りの初級コースは視野が広く安全ですが、スピードがけっこう乗ってわりとエキサイティングに楽しめたりもします。
天空の林道でグラベルe-bikeを楽しむ!!!
翌日は、グラベルロード乗りに密かに人気のある林道へ行ってみようということになりました。グラベルロードとは、ロードバイクの一種で、舗装路に加えて砂利道(グラベル)も走れる仕様の自転車です。
e-bikeのグラベルロードとしてはキャノンデールの「Topstone Neo Carbon 4」や「Topstone Neo Carbon Lefty 3」が注目を集めています。アーッ!!! 今回その2台とも借りてるーっ!!! スイマセン、わざとらしかったですね。
さておきその林道、けっこうな高所にあるそうで、展望が素晴らしいのだとか。わりと深い山の中にあるとのことで、その林道の付近までe-bikeをトランポして移動します。
ウワサどおりのスゴ~い林道なのでした。適度にワイルドで、適度に走りやすく、そして素晴らしい景観。高度感もけっこうあり、確かに天空の林道って感じです。
そして、2台のキャノンデール製グラベルe-bike。両方とも乗りましたが、Topstone Neo Carbon Lefty 3は凄くイイですね~♪ 砂利道のガタガタ感を緩和して、段差の突き上げを吸収。グラベルを快適に走れるのに加え、舗装路ではサスペンションがパワーロスにつながるような挙動がまったくなく、剛性感が十分あり、速い! 乗った瞬間「コレ欲しい~」という気分に。
また、Topstone Neo Carbon 4も非常にイイ。これも乗り心地がいいし、剛性感があり、これまた速いんです。フロントサスはありませんが、カーボンフレームやタイヤのエアボリュームがほどよいクッションになり、グラベルでの快適性も十分にあります。
両方ともボッシュ製ドライブユニットのPerformance Line CXを搭載しているのもナイス。悪路でも舗装路でもしっかりパワフルです。
2台のTopstone Neo、共通する魅力は「突出したオールマイティ感」だと思います。舗装路では快速、砂利道も無問題&快適で、実はMTBコース的なダートもイケちゃいます。何でも来いの汎用性に大きな魅力を感じました。
などと、Topstone Neo欲しいマンになった筆者ですが、それ以上にお腹が空いた! ということで、海の幸を求めて兵庫県の北端にある豊岡市へと移動です。
個性バラバラe-bikeで城崎サイクリング、走行ペースが揃ってみんな笑顔
続いては、関西圏で有名な城崎温泉(きのさきおんせん)へ。日本海に面した関西有数の温泉街で、1,300年以上の歴史があるそう。e-bikeサイクリング旅の最終日、ここを拠点にし、城崎温泉周辺を巡ってみようというわけです。
この時にe-bike部メンバーが使った車体は、けっこうバラバラ。キャノンデールの「Topstone Neo Carbon 4」と「Topstone Neo Carbon Lefty 3」がグラベルロードバイク。コラテック「E-POWER SHAPE PT500」がクロスバイク。それからコラテック「E-POWER X VERT CX」はマウンテンバイク。さらに筆者が乗ったエレクトラ「TOWNIE GO!」はビーチクルーザータイプのe-bikeです。
ここまで個性の違うe-bikeで走ると、スピード差が出て走りにくそう……というのが少々の懸念でした。ですが、蓋を開けてみてビックリ、どこを走ってもだいたい20km/h前後の速度に揃ってしまう感じ。ちょっと上りだと18km/hくらいで、ちょっと下りだと24km/hくらいとなり、各e-bikeがそのスピードに揃うという印象です。
不思議ではありますが、e-bikeのアシスト力が乗り手の体力差や自転車のスピード域を吸収してしまう感じ。もちろん、意識的に走行スピードを高めようとすると、ビーチクルーザーやマウンテンバイクは、ロードバイクやクロスバイクに追いつけなくなります。でもリラックスして走ると自然に速度域が揃うので、サイクリングの楽しさや気持ちよさが増幅されるという感覚です。
気の向くままに様々なスポットに寄れるe-bike、楽しいですね~♪ ストップ・アンド・ゴーを繰り返しても全然疲れないので、「ちょっとそこに立ち寄ろう!」という気になる。やっぱりe-bikeは観光にピッタリの乗り物です。
e-bike部員一行はさらに走る。円山川(まるやまがわ)沿いに走りやすそうな道を見つけたので、川面を眺めつつのサイクリングです。
この時のサイクリングにて、筆者はビーチクルーザーのエレクトラ「TOWNIE GO!」で走りました。筆者はこのe-bikeを、砂浜をゆったり走ったり街中をチョイ乗りしたりする自転車と捉えていました。今回のようなツーリングには、そんなに向かないのかな、と。
ところが、走ってみたらビックリ。ひとつは、前述のとおり、他の「もっとスピードが出そうなe-bike」と同じ速度でフツーに走れちゃったこと。
もうひとつは、やや長距離をそこそこ速いスピードで走っても違和感がないこと。TOWNIE GO!は短距離をゆっくり走るためのe-bikeだと思い込んでいましたが、そんなことはなく、そこそこ長い距離をスピーディーに走ることも全然できちゃうe-bikeでした。
なので、このe-bikeを、例えば普段遣いのe-bikeとして買い、時には1日かけてのツーリングに使うというのもアリだと思います。リラックスしたポジションで乗れるTOWNIE GO!ですので、普段遣いでもサイクリングでもラクな姿勢で乗っていられて快適だと思います。
あとこのe-bike、登坂能力も十分あります。e-MTBほど(ギア比やドライブユニットの違いから)「凄い坂でもグイグイ上れる」って感じではありませんが、いわゆる「激坂」も座ったままクリアできるのは他一連のe-bikeと同様です。しかもラクな姿勢で激坂クリアできちゃうので、とても快適です。
こうして終わったe-bikeサイクリング旅。e-bike部メンバーは全員笑顔で、口々に「川沿いサイクリング最高だった~」「天空グラベルも凄かった」「ゲレンデのMTBコースおもしろかったですね!」「いや~久々に心が解放されたー」と大満足です。このご時世だからこそ、都会を離れた広々としたエリアで、楽しさと快適さを両取りできるアウトドアアクティビティであるe-bikeサイクリングを、ぜひ楽しんでみてください♪