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ビギナーでも自分の眠りを即把握! 睡眠トラッカーとして便利な活動量計「HUAWEI Band 3 Pro」
2018年11月28日 06:00
HUAWEIが、活動量のトラッキング、睡眠測定、ワークアウトの記録とコーチングという3つの機能を備えたGPS内蔵のスポーツタイプのリストバンド型活動量計「HUAWEI Band 3 Pro」を10月19日に発売しました。色はブラックとゴールドの2色で、現在実売価格12,830円(税込)で販売されています。
GPSと心拍センサーを内蔵した活動量計
「HUAWEI Band 3 Proは約0.95インチ有機ELタッチスクリーンを搭載しており、重さは約25gととても軽量です。
コンパクトながら心拍センサーと6軸センサー、GPSを内蔵。水泳も可能な5気圧防水性能も備えます。心拍センサーは心拍計測システム「HUAWEI TruSeen 3.0」により精度が向上。GPSを使用しない場合のバッテリー持ちは約10日、GPSを有効にすると連続で約7時間利用できます(利用状態によって変化します)このGPSは低消費電力GPSとのことで、小さいながらもフルマラソン完走まで記録できるバッテリー持ちがウリになっています。
ボタン類は一切なく、操作はタッチスクリーンのみ。文字盤は本体で変更可能で現在3種類が用意されています。
文字盤の状態でスクリーンを上にスワイプすると、文字盤→活動量→心拍数→睡眠→ワークアウト→その他(文字盤、スマートフォン探索、タイマー、ストップウォッチ、明るさ、リセット、再起動、電源OFF、規制情報、端末情報)→メッセージの順で切り替わり、最後にふたたび文字盤に戻ります。見ての通り、ペアリング中のスマートフォンを探索する機能や、タイマー、ストップウォッチ機能のほか、振動によって起こすアラーム機能、長時間座っていることによる健康上のリスクを減らすための活動促進通知機能も備えています。
スマートフォンの着信をはじめとしたメッセージの通知機能もあり、最大35文字のメッセージを表示可能です。
測定項目は歩数、移動距離、消費カロリー、中強度と高強度の活動時間、そして睡眠です。ワークアウトは、ランニング、ランニングマシン、ウォーキング、サイクリング、エアロバイク、プール、オープンウォーター、自由訓練をサポートしています。
スマートフォンとBluetoothで連携することにより、測定したデータをアプリ「HUAWEI Health」で管理します。アプリはiOSとAndroid版の2種類が用意されています。
睡眠機能が充実
今回、本コーナーで「HUAWEI Band 3 Pro」を取り上げたのは、睡眠のトラッキングと分析に力を入れていると発表されたからです。
ハーバード大学医学大学院 動的生体指標センター(Beth Israel Deaconess Medical Center)の睡眠計測試験認証を取得した「HUAWEI TurSleep 2.0 睡眠トラッキング」を搭載しており、睡眠を正確にトラッキングできるだけでなく、睡眠時間、眠りの深さ、レム睡眠の割合、深い睡眠の連続性など、睡眠の質も解析。200件以上用意されたアドバイスから、自分の眠りの記録にあわせたアドバイスを表示するとしています。
そこで、どのようなデータが取れるのか、またそのデータからどんな情報が得られるのか。老舗ともいえるFitbitの睡眠トラッキングデータとどの程度違うのかをチェックしてみました。
その結果、ビギナーでも参考にしやすい親切な作りであることがわかりましたのでご紹介していきましょう。
眠りについて詳しく採点。アドバイスを表示
「HUAWEI Band 3 Pro」が一晩の睡眠データとして記録するのは、睡眠時間、就寝時間、起床時間、深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠、目が覚めた回数の7項目。これらが睡眠サイクルとしてグラフ化されます。グラフ内の気になる部分をタップすると、その時間と睡眠段階、その段階が継続した時間を確認できます。
また、グラフとは別に、睡眠全体、夜間の睡眠、深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠、深い睡眠の連続性、目が覚めた回数、呼吸の質について採点され、スコアとともにその日のアドバイスが表示されます。
評価される項目は、日単位と、週・月・年で異なり、週・月・年では平均から評価されます。
週・月・年で提供される評価は、睡眠の質、夜間の睡眠、深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠、深い睡眠の連続性、起床回数、呼吸の質、就寝時間、起床時間、昼寝の平均値と、就寝時間の規則性、起床時間の規則正しさについてです。
グラフも睡眠段階が分かりやすくなっているのですが、一般的には見ただけではいいのか悪いのか分からないものです。そこをフォローしているのがスコアやアドバイスです。評価項目はいずれも点数とともに、良好、標準といった評価がつくので、誰が見てもわかりやすくなっています。ここまで細かく評価してくれるサービスはなかなかありません。
Fitbit Versaと比べてどうなのか
筆者は長年、個人的にFitbit社の活動量計を利用しています。そこでFitbit Versaを腕に並べて装着して計測。データを比較してみました。
比較対象にFitbitを選んだのは、睡眠に対する取り組みが早かったこと、ヘルスケアに力を入れており、デバイスの精度向上とアプリの改善に継続して取り組んでいるためです。
「HUAWEI Band 3 Pro」とFitbit Versaはいずれも睡眠を自動的に記録します。ときおり大胆なズレはあるものの、就寝時間と起床時間は非常に酷似していました。
睡眠ステージについては完全に一致していることはありませんでしたが、ざっくりみたときにグラフの中で深い睡眠として認識されている時間帯や、覚醒に向けて眠りが浅くなっていく様子などは似ているようです。
2つのデバイスが示すグラフが違うと、どちらを信じていいのか不安になりますが、脳波や筋電図を測定し、さらに眼球運動もチェックするなどしない限り、実際どのようなサイクルになっていたのかはわかりません。活動量計は医療機器ではありませんので、どちらが絶対正しいと断言できるものでもありません。
ですからあまり細かいステージの変化に一喜一憂するよりは、最初の深い睡眠がしっかりでているか、中途覚醒を頻繁にしていないか、深い眠りが睡眠全体の前半に多く、後半はレム睡眠が多い構成になっているかの3点を意識するといいでしょう。
グラフのデータも結局アプリ側でどう見せるかが鍵になってきます。アプリで提供される情報は、切り口の数でいえばFitbitに軍配があがります。しかし「HUAWEI Band 3 Pro」のグラフはステージの変化が見やすく工夫されていることもあり、十分参考にできると言えると思います。
「HUAWEI ヘルスケア」(HUAWEI Band 3 Pro)は、評価項目が多く、いいのか悪いのかがストレートにわかるので、ビギナー向きと言えそうです。
活動量計としてもGOOD。自分を知りたい方の買い足しに
睡眠は「よく眠れた」「寝た気がしない」といった主観的な判断と、このようなデータが示す評価の2つがあります。自分がよく眠れていると思っても、データ上で問題点に気づく人も中にはいるはず。
活動量計がどんどん時計然としたスマートウォッチ化する中で、「HUAWEI Band 3 Pro」はちょっと古いデザインですが、活動量計としても使いやすく、この性能で市場想定売価は11,880円(税抜)というのは、かなりコストパフォーマンスが高いと思います。唯一、ベルトが交換できないためスーツにあわせにくいという欠点はありますが、自分の睡眠に意識を向けたい方はお試しください。