ぷーこの家電日記
第589回

新しいミシンに刺繍専用機、物欲が刺激されまくる
2025年10月3日 07:05
先週に引き続きミシンのおはなし。久しぶりに使おうと思って引っ張り出したミシン、いざ縫おうとすると布が全然進まず縫えなくなっていた。おそらく送り歯という場所に何かしら不具合が出ているのだろう。他は全然問題なし。
そんなミシンは私がまだ若かりし頃に買った20ン年選手。修理するべきか買いなおすべきか、悩んで迷ってぐるぐるしつつ、とりあえず壊れたミシンを持ち込んで、相談する予約だけ取り付けていた。
買い直すぞと即決できなかった理由は「思い切って背伸びして高いものを買った」という呪縛で、手放すのが惜しい思いが強かったのもあるけれど、もう1つの理由は「刺繍ができなくなる」だった。
刺繍スロットというところに、刺繍データが入ったカードを挿すと、自動で刺繍をしてくれる機能が付いていたミシン。自分で作った画像を刺繍データに変換して刺繍できる「刺しゅうPRO」というソフトウェアをミシンと同時に買ったので、自分で描いたイラストを刺繍した服を犬に着せることもできる。20数年前の私にとってそれは夢のようなマシーンだったんだ(ちなみにミシンの語源はマシーンというのが定説。“sewing machine”がミシンとして定着したのである)。
ただ、その夢のような機能は、その時代は少し精度が低かったようで、データから微妙に、でも看過できないレベルでズレていて結構私をイラつかせたし、私の創作能力も追いつかず、全然良いデザインもできずに上手く活用できなかった。そしてソフトウェアもかなり高価なもので、バージョンアップもできぬまま、化石となって我が家の地層の奥深くに埋もれてしまったのでありました。
「いつかまたちゃんとやりたいなぁ」とずっと思っていたし、この刺繍機能付きミシンが「ソフトを買えばまたやれる」という心の保険みたいなものになっていた。これをコンパクトなミシンに買い替えるとなると、「もう刺繍はできない」ということが心残りというか引っ掛かっていたのである。
買い直す方向に心が傾いていたとはいえ、まだどこかで引っ掛かりを残しながら訪れたミシン売り場。担当の方が離席されていたので、その間に売り場のミシンをうろうろと見て回る。そんな中、私は衝撃的なものに出会ってしまった。ブラザーの刺繍専用機「SKiTCH PP1」というものである。
タッチパネルなどは付いておらず、Artspira(アートスピラ)というアプリを使い、スマホやタブレットでデータの作成や転送などの操作を行なう。刺繍専用なので、もちろんまっすぐ縫ったりすることはできない。でも、刺繍機能付きミシン+高価なソフトを使ってしかできないと思っていたことが、ソフトと同じくらいの価格の専用機+スマホアプリ(有償機能もあるが、無償でも十分使える)で実現できるのかと、かなり衝撃的で心震えた。
「欲しい。欲しすぎる! ヤバい。衝動買いしてしまいそう。でも待て、まずはミシンだ。ノーマルミシンだ!」と脳内が騒がしく、ラッパの音すら聞こえてきそうに心が躍った。と同時に、心の引っ掛かりがゼロになったので、壊れたミシンは100%買い替える気持ちが固まった。
そんなタイミングで担当の方が戻ってこられたので壊れたミシンを出すと「わー、これまた懐かしいミシンだねー」とニコニコしながら電源を入れ確認。私の父くらいの年齢であろう大ベテランのその担当の方は、ミシンのお医者さんって感じで、問診と触診で「送り歯のギアが飛んじゃってるねぇ」と即診断。
「でも、よくここまで持ったねぇ。大事に使ってる」と軽く褒められ、「あまり使ってなかっただけです」とも言えず「ありがとうございます」と照れる(笑)。ミシンのあれこれを聞いて話も面白かった。
電話で相談した時から、修理にしても買い替えにしてもお願いしようと決めていたので、言われるがままに勧められた機種を即購入することにした。買ったのはブラザーのシャリオ990。考えていた予算よりも少し高めだったけど、ベテラン販売員が私の相談の内容から迷いなく選んでくれた機種だったので完全に信用できるし、下取りという形か少し安くしてくれたしということで悔いなし。
折角ミシンを買ったんだもの。もっともっと使わねばもったいない。そして今すぐは買えないけれど、色々作り始めて慣れてきて、刺繍を入れて可愛い作品を作りたいなぁと思うくらいまで余裕が出てきたら、SKiTCH PP1を買えたらいいなぁ。
オリジナルTシャツやエプロンは、プリントもいいけど刺繍だともっと可愛いものになりそう! 物作り熱が再加熱しかけているけれど、とにかく時間がない。趣味がとっ散らかりすぎていて時間がいくらあっても全然足りないのだ。
寒くなってきたら畑(の雑草)も落ち着くし、ミシンと編み機と家に籠って思い切り遊ぼうと思う。その前に、ミシンが壊れて頓挫していたリュック作り、まずはちゃんと仕上げたいと思っているのでありました。やっぱり新しい道具にはテンション上がるー!




