ぷーこの家電日記

第437回

今年の夏休みは大人の遠足へ

体温より高いような気温が日々続いている。この暑さは本当にこたえる。この暑さの中、久々に汗疹(あせも)なんてできてしまった。ポツポツと赤くなった湿疹を見て、我が家の猫が「怪我したのね? これは大変!」と汗疹ができた腕をすごく舐めてくれる。普段は自由気ままな感じなのに、ちゃんと心配してくれるんだなぁと感激! ただ、懸命な手当てはとてもありがたいのだけれど、ザラザラな舌が微妙に痛いし、薬は塗れない(舐めたら困る)しで、「ありがとねー! もう大丈夫だよ。ありがとねー!」と丁重にお断りしている。優しさが嬉しくてつい好物の「三ツ星グルメ 国産まぐろ」を献上しちゃったりするぞー(笑)。

こんな暑い中、世間は夏休み真っ只中。小学生の姪っ子も夏休みなので、先日泊まりがけで会いに行きました。週末だけだったけれど全力で遊び、プチ夏休みを満喫できて楽しかった。たった数カ月ぶりに会ったのに、とうとう姪っ子は私の身長を超えていた。あんなに小さかったのにとしみじみしてしまう。自分が子供の頃、お盆やお正月に会うたびに「大きくなったねー」「小さい頃はね……」と言う親戚の大人たちに、「いつも同じこと言うなぁ」って思いながら返事に困っていたけれど、その大人の気持ちが今は分かりすぎる(笑)。他に言うことがないんじゃなくて、ただ純粋に「大きくなったねぇ!」と思ってしみじみしているのだ。

子供の頃に親戚集まって過ごしたお盆が非常に懐かしい。子どもにとって夏休みって特別だったからか、記憶が鮮明によみがえってくる。高い雲とか蝉の声とか、雨が降る前の埃の香りとか草いきれの熱気とか。ずいぶん昔のことなのにプールの後の気だるさまで思い出せる夏休み。あの長い夏休みをもう一度過ごしたーい! なぁんて思うけれど、きっと今同じだけ時間があってもダラダラゴロゴロ過ごしてしまうダメな大人な私は、週末休みくらいが丁度いいんだろうなぁ(笑)。

そんな長い休みはないけれど、日帰りで山梨の桃農家の友人の所へ遊びに行った。大人の夏休みだ! かなりのインドア派な私は家庭菜園以外はほぼ家にこもっているので、遠出なんて久しぶり。ワクワクしすぎて前日なかなか眠れないとか、まさに遠足前の子供。朝4時半に起きて、キンキンに冷えた麦茶を水筒に詰めて、日焼け止め塗りまくってレッツゴー!

途中のサービスエリアで朝食を食べて、途中渋滞は少しあったけれど、9時前には到着。高速を降りる頃には葡萄や桃の畑が一面に広がる景色に、まさにフルーツ王国に来たぞー! って気分。桃の畑というものを見るのも実は生まれて初めて。別の友人とも合流して、初めての桃収穫体験! 1日中涼しい部屋の中で過ごしている私は、体力面で心配があったのだけれど、ただ暑いだけじゃなくて、なんとも爽やかでいい汗かいて気持ちがいいー!

桃の香りに包まれながら立派な桃を無我夢中でもいだ。夫も全身から楽しいがにじみ出ている。大人の夏休みだけれど、完全に気持ちは子供丸出しだ。畑で採ったその場で桃にかぶりつくなんて体験も、貴重すぎて嬉しすぎて泣きそうだった! キャンプ用の大きなワゴンカート一杯に桃を敷き詰めて、欲張り根性丸出しで持ち帰らせてもらった。我が家は2人家族だということを完全に忘れている(笑)。

結構な数の桃を近所の方や友人にお裾分けもしたけれど、朝起きたら桃を食べ、喉が渇いたら桃にかぶりつき、桃をつまみにワインなど嗜む……。もう贅沢を通り越して貴族の生活じゃないか! こんな贅沢をしていてバチが当たるんじゃないかと、ちょっと怖くなってしまう。

私が果物を食べるようになったのは、実はここ1〜2年だ。いや、もともと実家に住んでいるときは、食後必ずと言っていいほど果物を食べていた。家には常に果物があったし、当たり前のように日々食べていた。それが大学生の頃に一人暮らしを始めて実家を出てから、すっかり果物を食べる習慣が消えてしまったんだ。お金なかったし、わざわざ自分で買ってまで食べなかった。そして一度失った習慣はなかなか戻ってこないのである。そしていつまで経っても「果物は高級で贅沢」という感覚が抜けなくて、今でも果物を買うときはちょっとドキドキするし躊躇してしまう。

コロナ禍に入り、農産物を産直で買うことが増え、少しずつ果物も食べるようになるまではなかなか買うことがなかったけれど、産地から直接届く、美味しい果物を食べて初めて「うわぁ! 果物ってすごい! 果物って最高!」と、忘れていた習慣を取り戻すと共に、すっかり虜になっている。こんなに美味しい果物を作っている場所に行けて、作ってる人に会えて、そして体験できて、きっと桃を見るたびに思い出すんだと思う。子供の頃の夏休み並みに鮮明に残る、素敵な夏休み体験だったのであります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。