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【基本の薬膳17】簡単リストで「体質チェック」~「気」「血」編

薬膳では、東洋医学の「気」「血」「水」を基に健康を考え、この3つがバランスを保って体を巡る状態を良しとします。今回は、誰でも簡単にできるリストで健康状態をチェックしてみませんか?具体的には、「気」が不足する「気虚」、「気」が滞る「気滞」(【基本の薬膳5】)と、「血」が不足する「血虚」、「血」が滞る「血瘀」(【基本の薬膳6】)の「証(しょう・反応や症状のこと)」を診ていきます。チェックが多く入ったからダメということではなく、大切なのは「バランス」です。体の偏りを見直す機会にしてみてくださいね!

 

「気」「血」「水」のバランスが良いと健康に

「五臓」を中心に体内を巡る「気」「血」「水」は、「陰陽」で考えると「気」=「陽」、「血、水」=「陰」になり、不調を探る手立てにもなります。「陰陽」のバランスが崩れる=不調なので、「気」「血」「水」のバランスを保つことが大切なのだと分かるかなと思います。とは言うものの、なかなか説明だけではピンとこないので、今回は「気虚」「気滞」と「血虚」「血瘀」の症状をチェックリストにまとめてみました。リストでは、チェックの数が一番多くなった証の傾向が、自分の症状のなかで強いと考えていきます。

 

「気虚」の度合いを知る、チェックリスト

当てはまると思う項目にチェックを入れてみましょう。

 

  1. □ 食欲がないときが多い、または少食である
  2. □ 胃腸虚弱、または胃もたれがして、下痢することがある
  3. □ 普段から便は柔らかめである
  4. □ やる気が起こりにくい
  5. □ 筋力が少ない方だ
  6. □ 体温が低く、風邪を引きやすい
  7. □ 太りやすい体質である
  8. □ 動くと動悸、息切れ、胸が苦しい感じがする
  9. □ 下半身がむくみやすい
  10. □ 冷え性、頻尿の傾向がある
  11. □ 落ち込みやすい性格である
  12. □ 睡眠がとれなかったときに、疲れが強く出る
  13. □ だるいと思うことが多い
  14. □ 朝起きるのが苦手
  15. □ 声が小さい

 

「気滞」の度合いを知る、チェックリスト

当てはまると思う項目にチェックを入れてみましょう。 

 

  1. □ 胃腸にハリを感じる
  2. □ ストレスで下痢をする
  3. □ 便秘や軟便を繰り返す
  4. □ 胸にハリやつかえを感じる
  5. □ げっぷが出やすい
  6. □ 顔色が悪い、白い
  7. □ 偏頭痛に悩んでいる
  8. □ ストレスに弱いと思う
  9. □ 寝つきが悪い
  10. □ 憂鬱な気分になる、心配ごとで眠れない
  11. □ 体にコリや痛みを感じ、むくみがある
  12. □ ちょっとしたことが頭にくる
  13. □ イライラしやすい
  14. □ 月経痛や更年期障害が重い、月経不順がある
  15. □ 生理に伴う気分偏重がある

 

「血虚」の度合いを知る、チェックリスト

当てはまると思う項目にチェックを入れてみましょう。 

 

  1. □ めまいがする
  2. □ 歩いていて、クラクラすることがある
  3. □ 肌にツヤがない、肌荒れしやすい
  4. □ 顔色が悪い
  5. □ 色が白い、または青白く、貧血
  6. □ 性格がコツコツ、まじめ型
  7. □ 便秘しやすく、固い便が出る
  8. □ 眠りが浅い、不眠症状がある
  9. □ 筋肉の痙攣、足のツリが起こる
  10. □ 月経の期間が長め、月経がダラダラ続く
  11. □ のぼせやすく、上気した感じがある
  12. □ 集中力が続かない、眼精疲労で目の奥が痛い
  13. □ 髪質が細い
  14. □ 毛が抜けやすい
  15. □ 爪が割れやすい、白く、スジが入ることがある

 

「血瘀」の度合いを知る、チェックリスト

当てはまると思う項目にチェックを入れてみましょう。 

 

  1. □ だるいと感じることが多い
  2. □ 肩凝りがある
  3. □ 頭痛に悩んでいる
  4. □ 不整脈、鼓動のドキドキがある
  5. □ シミ、そばかすが多い
  6. □ 吹き出物が出やすい
  7. □ 目の下にクマができやすい
  8. □ 肌がくすみがち
  9. □ ケガや吹き出ものが治りにくい
  10. □ がまん強く、まじめな方だ
  11. □ 月経痛が重い、月経前に辛い症状がある
  12. □ 月経で血塊(けっかい・血の塊)が出る
  13. □ 舌や唇が紫色
  14. □ 手足の先端が冷たいことが多い
  15. □ アザになりやすい

 

東洋医学や薬膳では体感を重視して、体質を判断

チェックリストはあくまでも目安なのですが、体の症状を具体的に知るのに役立ちましたか?薬膳では、体の冷えを重視するので、これまで「寒(かん)」「熱(ねつ)」の体質などもご紹介し、何より自分の体感を大切にすることをお伝えしてきました。とは言うものの不調が強く、ハッキリ自覚している場合は重症化させないよう、必ず専門医を受診しましょう。薬膳での対処法は、「気」については【基本の薬膳5】で、「血」については【基本の薬膳6】でご紹介しています。食材を選んで調理する時間のない方は、避けたほうがいい食べ物だけでも気を付けてみてくださいね!また、これまで不調に焦点を絞って「イライラ、不快を吹き飛ばす!爽やか葉物食材4選」(【不調の薬膳5】)や、

「「気」の不足!? 活力切れを補うレスキュー食材4選」(【不調の薬膳7】)などもご紹介していますよ。時間に余裕があれば、旬の食材を摂り入れたメニューや規則正しい生活で、体を労わって(いたわって)あげてくださいね。来週は、「水毒」「津液虚」の体調判断です!

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。