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【不調の薬膳16】「ストレス太り」に!体スッキリ食材5選と、食事改善法

脂肪を摂り過ぎているわけでも、体の水はけが悪いわけでもないのに「なぜか太る」のは、ストレス太りかもしれません。過食のほか、動悸、怒りっぽいなどの症状が表れるストレス太りに、薬膳で対処してみませんか。ストレス耐性が弱まると過食のほか、拒食を引き起こすこともあるので注意が必要です。まずは血流を良くして代謝を上げたり、腸内環境を整える食材を試しながら、ストレスを軽減して毎日を健やかに過ごせるようにバランスを調えていきましょう! 

 

「ストレス太り」の傾向や特徴、生活習慣の見直しも

ストレスを解消しようとして食べることに執着し過ぎたり、ストレスを感じる度に飲酒すると体に悪影響があるのは、みなさんすでにお分かりですね。ところがストレス解消のために多食、飲酒することが習慣になっていると、自分でも気付かないうちに余分な脂肪や老廃物を体に溜め込み、不調を抱えてしまいます。そしてストレスが続くと、過食のほかに動悸、怒りっぽい、のぼせ、記憶力や集中力の低下といった症状も表れてきてしまいます。まずは自分を観察するつもりで、生活習慣を振り返ってみませんか?とは言うものの薬膳には「薬膳酒」もあるくらいなので、適量の飲酒なら「血」を巡らせて疲労を回復してくれますよ。

 

血液浄化!肩凝りに効いて、体を調える「レンコン」キンピラ

レンコンは、薬膳の帰経(食材がどの臓腑に入り、効いていくかを示した 経路のこと)に「肺」をもつので、喉の渇きを和らげて粘膜を潤したり、肌乾燥を防ぐ作用が有名です。また血流を良くしたり血液を浄化する働きが強いので、ストレスで肩が凝ったときに症状を和らげたり、消化も助けますよ。熱して食べると「気」を補う薬効を期待でき、すりおろした汁は薬に代わって止血に使われたそうです。煮物、スープ、炒め物、天ぷらとアレンジが豊富ですが、おすすめなのは「ゴボウ」と調理したキンピラ。整腸と利尿の作用が強いゴボウで、体のデトックスを促しましょう!レンコンは吐き気止めにもなり、胃腸にやさしく作用するので、お酒を飲んだあとにも適していますよ。

 

必要な栄養素を補って太らない!「豆腐」たっぷり炒め

豆腐や油揚げの原料「大豆」は、気疲れ(きづかれ)を和らげる作用があるほか、「豆腐」なら、消化力を気にせずに良質な「タンパク質」を補って体に必要な力を付けます。タンパク質には基礎代謝を上げる力がありますが、活動量が多かったりストレスを受けると大量に消費されるため、しっかり補充していくことが大切。必要なタンパク質を食事で補えれば、揚げ物のドカ食いや、お菓子を1袋一気に食べてしまうといった行動が減っていくはずです。豆腐を使った炒めものなら熱を通すので、豆腐のもつ「涼性」を和らげるほか、溜まった疲れを取る「ニラ(温性、辛味)」や「ショウガ(温性、辛味)」と和えているので、「涼性」の豆腐とのバランスが良く代謝が上がります。目の疲れが気になるときは「ニンジン」を、胃腸の機能を高めたりイライラへの対処なら「トマト」を投入するといいですよ。

 

「キノコ」でシェイプアップ、気分が爽やかになるトッピングも

さらにストレス撃退には、肉、魚類の「キノコ」添えソテーをおすすめします。マイタケ、エノキ、シメジ、シイタケ、キクラゲなどの「キノコ類」全般は、腸内環境を良くして免疫力を高めるのでストレスに対抗でき、薬膳ではスーパーフードとしてデトックスや美肌に引っ張りだこなんですよ。「キノコ類」は味噌汁、アヒージョ、グラタン、ピザでも美味しくいただけ、お子さんが食べやすいアレンジも豊富ですね。ストレスが溜まると「肝」の働きが行き過ぎて、イライラしたり興奮ぎみに。そんなときは「セロリ」や「パクチー(コリアンダー、香菜・こうさい)」といった香味野菜を飾り、気分をスッキリ落ち着けます。和食なら「ミョウガ」や「葉ネギ」を刻んで添えると、体を温めて疲れを発散させ、胃腸の消化吸収力も上がりますよ。塩分(「鹹味」)が気になる方は、代わりにレモン汁を使ってみましょう!

 

何となく「熱っぽい、落ち着かない」は「海藻」で鎮める

何となく熱っぽかったり、落ち着かないのは「熱」バランスが崩れて不快感があり、どこかスッキリしない状態と言えます。「海藻類」(「涼寒性」)をサラダや味噌汁にプラスして食べれば、熱を冷ましながら腸の働きをスムーズに、便秘も解消して体内の流れをスムーズにしていきます。また海藻全般に含まれる「アルギン酸」は 、コレステロール値を下げると言われているんです。海藻ならカロリーが低いのでたくさん食べても太りにくく、なかでも昆布や海苔は旨味成分が豊富なのでよく噛んで食べると満足感が大きいのも嬉しいですね。ドレッシングの「酢(米酢や黒酢)」は、「温性」なので海藻の「涼寒性」を中和してバランスを良くし、血中の「中性脂肪」や「内臓脂肪」も減らすのでダイエットに最適。また水太りかなと思ったら、「コンニャク」で余分な水分を排出しましょう。

 

紫玉ネギや紫キャベツの「紫」パワーで体スッキリサラダ

「紫玉ネギ(赤玉ネギ)」や「紫キャベツ」は、鮮やかな色合いがテーブルに華を添え、視覚からリラックス効果を得られる野菜ですね。薬膳で「キャベツ」や「玉ネギ」などの春野菜は、「気」を巡らせたり体を温めて、体を活性化させます。注目すべきはそれぞれに含まれる紫色の色素「アントシアニン」で、抗酸化作用で活性酸素を消したり、落ちた肝機能を助けるので、体を内側からスッキリさせたいときにお試しください。また暴飲暴食が続いたときもおすすめです!特に「紫玉ネギ」は、「玉ネギ」より辛さが少なく、生食の方が効果を余すところなく吸収できるので、「鶏肉(チキン)」で「タンパク質」も補えるサラダとしていただくことをおすすめしますが、温かいスープに加えても美味しいです。加熱料理にするなら、含まれる「ビタミン群」の酵素が失活しないよう、最後に和えて食卓へ出しましょう。

 

食事の摂り方でも改善できる「ストレス太り」

ストレス太りや、きちんと食べているのに疲れが抜けない方は、食生活を1度振り返ってみましょう。レコーディングダイエットのように食べたものを書き出したり、レシートをチェックすると一目瞭然。乱れを感じたら、食材のバランスを調整します。また食欲がないのに嗜好品にばかり走ってしまう方は、朝食で白米や雑穀で作ったお粥と梅干しを、夜ごはんでしっかりと卵や赤味肉といった「タンパク質」を、補うと体バランスが整いやすいです。嗜好品を全く摂らないとストレスになるという方は、スナック菓子を食べたいときにドライフルーツやナッツで置き換えたり、小豆(【不調の薬膳2】メニュー)やエンドウ豆を使った「和菓子」を試すのも手です。最後に、早食いになっている方は、時間が許せば意識してゆっくりめに食事を摂り、よく噛むこと(咀嚼・そしゃく)も試してみてくださいね。消化吸収が良くなるだけでなく、唾液の分泌量が増えて虫歯の予防になったり、脳への血流が促されて頭がスッキリしますよ!

 

 

A's Pumpkin(薬膳マイスター)

日々健やかに過ごしたいと考える、おばちゃまライターです。
薬膳マイスター資格を取得、自然由来食材のエネルギーをよりよく活かすことで、ひとりでも多くの方が健やかに過ごせるお手伝いが出来ればと思っております。国際薬膳食育師3級。