家電ラボの徹底「本音」レビュー
1万円で買える「子育てにちょうどいいミシン」、公式使い方動画で初心者も安心!
2020年5月1日 07:00
4月からの新入園、新入学で一番困るのが学校指定のバッグや袋類。本格的な洋裁をするつもりはなくても、バザーに出品する品物作りなど、入学後も何かとミシンを使うことがあるので、購入を検討する方も多いのではないだろうか。
そこで、3月下旬に発売されたばかりのアックスヤマザキ「子育てにちょうどいいミシン(MM-10)」を使ってみた。1万円(税抜)という低価格で、ミシン初心者も「ちょっとやってみよう」と思える買いやすさが魅力だ。
コンパクトで軽いからミシンを使うのが億劫ではなくなる
アックスヤマザキは、1946年に創業した国内のミシンメーカーで、「気軽に使えるミシン」をコンセプトに開発している。「子育てにちょうどいいミシン」はその名の通り、子育て中の親のために企画された製品で、余計な機能は削ぎ落としたシンプルな設計だ。
AC電源のほか、単三形アルカリ乾電池4本を使用してコードレスでも使えるようになっており、すき間時間でもサッとミシンを出して縫い物ができる。
最初に見て驚いたのは、サイズが小さいこと。294×115×265mm(幅×奥行き×高さ)で、質量も2.11kgと軽い。女性でも楽々持ち歩けるサイズで、ミシンにありがちな「出すのが面倒」ということがなかった。
付属品はボビン2個、糸通し器、糸こま押え、針(1本)、ボタンホール押え、鉄板ドライバー、ACアダプター、フットスイッチ、スマホスタンド(針ガード)。
製品の公式サイトには、基本の使い方がすぐにわかる動画が用意されているので、ミシン初心者でも安心して始められる。公式サイトのQRコードシールが付属しているので、スマートフォンからすぐにアクセスできた。
初心者にとって上糸のかけ方、下糸の準備などは取扱説明書だけではわかりづらい。だがこの動画を見れば、これまで一度もミシンを触ったことがないという方でも迷わず使えるだろう。
ユニークなのは、解説動画をスマートフォンで見やすくするために、スマホスタンドが付属していること。筆者のスマートフォンは大きいせいか縦に置くことはできなかったが、横位置で見ることができた。
スマホスタンドは、子どもが針を触ってしまわないように、針を覆うカバーとしても使える。子育て世帯向けのミシンでは、こういった細かい配慮が嬉しい。
100円ショップで購入した材料を使って巾着トートを作ってみた
今回は「分厚い生地も縫えるのか」ということを試してみたかったので、生地には接着芯を貼り、しっかりとした厚みのあるトートバッグにあえて挑戦してみた。材料の生地となるカットクロス、接着芯、ヒモ、持ち手などは100円ショップで購入した。
:縫い模様は地縫い用の直線縫い(送り幅:小/中/大/最大)、ほつれ止めのジグザグ縫い(振り幅:小/中/大)、ボタンホール3種類、パッチワーク用の点線ジグザグ、まつり縫いが用意されている。これだけあれば、大抵の小物は作ることができる。
「押え上げレバー」を上げて生地をセットしたら、押えを下げる。押えを上げ下げする際に、本体が軽すぎて少し動いたり、浮いたりしてしまうことがあった。縫っている最中なので問題はないが、軽すぎるためにちょっとぶつかっただけで動くことがある。
最初は糸調子の調整に苦戦したが、何度か試し縫いしているうちに、きれいに縫えるようになった。糸をセットする手順などを間違えるとうまく縫えないので、動画を見て確認してほしい。
スピード調節ツマミもあり、「SLOW」か「FAST」を選ぶことでミシンが動く。「返し縫い」レバーなど、必要な機能は揃っているので、特に問題なく縫い進められる。
フットペダルも付属している。本体の操作を、スイッチとフットペダルの両方から選べるのは便利だ。左手で布地を押さえながら右手でツマミを調整するよりも、両手で生地を押さえながらフットべダルを使うほうがズレることなくキレイにできた。
ただフットペダル自体がとても軽く、ペダルのコードに少しでも触れるとひっくり返ってしまったり、足が当たって動いてしまったり、安定しなかった。それでも、縫うときは足で踏んで押さえる形になるので、いったん足に収まれば問題なく縫うことができる。
厚手の生地を縫うときは一手間が必要
厚手の生地を端から縫い始めるときや、持ち手を縫うときに押えが傾くと、生地が進まなくなることがある。その場合、押えの下(奥側)に厚紙などを置き、傾きをなくすと縫えるようになる。
トートバッグと巾着のつなぎ目では、表地に接着芯を貼り、裏生地、巾着用の生地も合わせて縫ったので生地が分厚くなった。端のほうは、そのままではやはり押えが傾き進まなかったので、ダンボールを小さく切って使用した。慣れてしまえばそれほど手間ではないが、今まで使っていたミシンではこういったことはなかったので、少々面倒に感じた。
途中に持ち手も挟んだところでは、さすがに止まってしまったが、持ち手は幅2cm強だったので、手ではずみ車を回して縫い進めた。持ち手部分が過ぎたところからは、フットスイッチを使ってまた普通に縫うことができた。
あえてかなり厚みのある、しっかりとしたトートを作ってみたが、特にストレスもなく、無事に完成した。これなら子ども用の小物は問題なく作れそうだ。
サイトには豊富なレシピ、マスクも自作できる
製品サイトでは、動画でさまざまなレシピが紹介されている。レッスンバッグ、体操着入れ、ランチョンマット、お弁当&コップ入れなどがあり、動画なので初心者でもわかりやすい。
子どもの給食などで欠かせないマスクのレシピも。筆者宅でも給食用のマスクがヨレヨレになってしまったので購入したかったのだが、品薄で買えずに困っていた。
最近はなかなか手に入りにくいマスクも、ミシンと材料(ダブルガーゼとゴム)があれば何枚も作れる。サイトにも大人用と子ども用のレシピが動画で用意されているので、ぜひ挑戦してほしい。
ミシン初心者の小物作りにぴったりの1台
コードレスで使用できるので、学校で集まって洋裁などをするときにも便利だ。軽いので持ち運びがラクで、家でもすぐに出してパッと使える。
「ママ向け」ミシンにありがちなピンクなどの甘いカラーではなく、流行りのマットな黒もスタイリッシュだ。部屋に置いても違和感がなく、インテリアにも馴染む。小さいので、棚などにも収納しやすい。
ただ、洋服やカーテンなどの大物を縫うのには向いていない。下の台の部分が狭いため、巾着袋や子ども用の小物を縫うのには気にならないが、大きいものを縫う際は布地が安定しない。
これはあくまでも初心者用のミシンなので、初めて洋裁に挑戦する方や、ゼッケンを縫ったり、子どもの給食袋やランチョンマットなどを作ったり、ぞうきんなどの小物作りの用途に向いている。
安いので不安だったが、分厚い生地もきちんと縫えたので安心した。厚手の布地を端から縫い始めるときは、厚紙などを挟まなければならないが、それも慣れてしまうと気にならない。
糸の調子も最初にきちんと調整しておけば、途中でトラブルが起きることはなかった。地縫いなどのほかにジグザグなど必要なものは揃っており、小物作りであれば十分使える。
なお、名入れ刺しゅうができる「刺繍キット」も別売で用意されている。少し手を加えたい方にもぴったりだ。
1万円で買えるコスパの高さは魅力だ。さらに使い方やレシピの動画が用意されていて、初心者でも安心して使える本機。これから洋裁を始めてみたい、という方にぜひお試しいただきたい。
【お詫びと訂正】初出時、メーカー社名を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。