藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
油汚れがヌルッと落ちる! ウルトラオレンジクリーナー
2022年5月27日 06:05
子供の頃、手のひらが黄色くなるほどミカンを食べる筆者は、よく暇つぶしにそのミカンの皮を絞って果皮の油を食卓に散らしては、ティッシュで拭くという遊びに興じていた。なんとなく食卓が綺麗になるような気がしてのことだったが、気のせいかなと当時は思っていた。
ところが大人になってから、あの果皮の油(オレンジオイル)に含まれるリモネンという成分が溶剤様の効果をあらわし、洗浄剤に添加されていると知った。
リモネンを含んだ洗剤は、一様に大好きなミカンの香りがする。そんなところに好感を抱き、その後オレンジオイルを冠する洗剤にはおよそもれなく手を伸ばすようになった。
というところで、今回ご紹介する、この「ウルトラオレンジクリーナー」は、そんな年季の入ったオレンジオイル好きの筆者的に、ある意味「行き着いた」感のある洗剤である。
まずウルトラオレンジクリーナーは、汎用性が高い。でもいちばんのお勧めは油脂汚れの多い掃除箇所になるだろう。例えばキッチンのコンロ周り、レンジフード、換気扇、壁面、床。それからフライパンなどを洗った後の油っこいシンクなどの掃除に、やはりうってつけだ。
オイルの汚れにオイルを浸透させることでその汚れを浮かせる。そのため基本的には、汚れ部分にこのスプレーをして数分おき、こするなり拭き取るなりするだけで、汚れ落としは済む。厄介な油汚れ、焦げ汚れがズルッ、ヌルッと「溶解」されていく感が、面白いほどだ。これで掃除をすると体感的に「話が早い」という感覚をおぼえる。
もう一つ、本体が「どでかい」点が良い。掃除の際にケチケチせずに済む。コンロ壁面、魚焼きグリル、冷蔵庫や電子レンジなどの家電の表面についた油汚れを拭き取るのにも効果が早いので、とにかくザックリと、でも確実にキッチン周りの掃除をやっつけたいなら、ガンガン使って手を動かすだけでよい。プロセスが単純なのだ。
とはいえ油系の汚れというところで皮脂のそれにも奏功するかと、浴室の清掃にも使ってみたがこちらの使い勝手にはさほどの感慨はなかった。やはり浴室は全般的に皮脂よりも水アカ系の汚れが強いと見え、浴槽の喫水線や風呂椅子などの石鹸カス汚れに限ってはやや強めの効果は感じられたが、やはり水場には酸性の洗剤をぶつけたほうが感動がある(ウルトラオレンジクリーナーの液性はアルカリ性である)。
皮脂に効果がないわけではなく、たとえばワイシャツなどの襟汚れの下処理に使うことはできる。ただ、こう掃除のみならず洗濯にも活用可能となると、汎用性の高さゆえに家中のあちこちに持ち歩く必要が出てくる。しかしなにぶん本体が大きいのでかなり持ち重りがする。移動させやすいとは言えないのでそこは若干ネックになるだろう。普段、これを家のどこに常駐させておくかは各家庭での考えどころだ。
夏が近づき、気温も水温も上がってくるこれからの時期はとくに油が緩みやすく、すすぎ水も常温で済むようになるため、キッチンコンロや換気扇掃除をするのに適してくる。
我が家ではキッチンの片隅の床にこの本体をデンと置きつつ、なるべく小分けにコンロ、換気扇の掃除を行なっていき、年末大掃除の圧を抜いていくつもりである。