藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

衣類の防虫/消臭/黄ばみ防止がこれ1つ! 消臭ピレパラアース

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
アース製薬「消臭ピレパラアース」

寒暖差が激しい春だ。健康のことを考えるとあまりTPOに振り回されまい、寒いなら素直にダウンを着よう、などと思ってはいるのだが、暦が5月に近づくとそんな気持ちはどうも日和ってしまう。

じっさい朝は寒くても急にモワーッと気温が上がる日もある。そうなると着ている上着もろとも汗がちになり、家に帰る頃にはうんざりしてそのままクリーニングに出してしまいたくなる。

温暖化なのか寒冷化なのか、春も秋も、どうにも衣替えのタイミングがはかりにくくなってきた。とはいえいずれ夏は来る。冬物、特にウールやシルク混の動物性繊維の暖かな衣類は洗濯やクリーニングを適宜行ない、今年も収納しなければならない。

さて、そんな衣替えで収納する衣類に添えるべき防虫剤については、長年やや複雑な感情を抱いていた。その必要性と弊害の可能性の兼ね合いについてである。

今あらゆる人工物と化学物質とは、切り離せない関係と言える。ことさら防虫剤だけを取り上げるのはフェアではない。しかし衣類をしまう空間と寝室との距離感など、そのものとのバランスは、長期的な健康を考える上で決して軽視してはいけないものだというのが筆者個人の考えにある。

とはいえ今の気密性の高い住居環境ゆえの、虫の発生の問題は別の意味で深刻だ。虫はごく小さく、どれほど気をつけていても家の中に入り込まれてしまうし、短期的にでも快適環境を与えてしまったら最後、繁殖されてしまい、そうなると根絶は容易ではない。

衣類は虫に食われるものだし、どこにでもダニはいるものだと鷹揚に構えられればまた問題のフェーズは変わるのだろうが、残念ながらそこまでの達観にもなかなか至れない。自分的に高額な衣類に穴が開けば心底がっかりしてしまうし、ダニはアレルギーを引き起こす。化学物質とは別の健康被害の原因になる。やはりできるだけ増やしたくない。予防する方向で動きたい。

などと、もごもご葛藤しているうちに防虫剤の方が進化していた。

この「消臭ピレパラアース」の防虫についての主成分は、ピレスロイド系のエムペントリンで、「イガ」や「コイガ」、「カツオブシムシ」といった代表的な衣類害虫に即効、奏功する一方、哺乳類への毒性は低いとされる。防虫剤といえばかつてパラジクロロベンゼンが一般的で、かつ健康被害が懸念されていたものだが、いつの間にか主流の殺虫成分は変化していた。

ピレスロイドは、自然に存在する除虫菊から抽出した殺虫成分の総称で、子供にしばしば発生するアタマジラミに使用する「スミスリン」という薬剤もこの仲間である。

衣類の害虫に効くが人間への毒性は低いとされるピレスロイド系のエムペントリンを採用

「消臭ピレパラアース」と「消臭」を冠するだけに消臭成分はもちろん、防カビ成分、黄ばみ防止成分も擁し、かつダニ忌避効果も備えているとのことで、驚く。使い方も50Lほどの衣装ケースに2~4個放り込むだけの簡便さ。効果の終わりは粒色の変色で確認できる。ついでにパラジクロロベンゼンや樟脳(しょうのう)といった既存の防虫剤との併用もできる。家にすでにいろいろあるので、一緒に使っちゃいたいなどといった雑な要望にも応える。懐が深い。スーパーザックリ人間に優しい。うれしい。

木綿から毛皮まで衣類の素材も問わず使えるが、人形の虫除けには別の専門のものを使おう。

筆者宅では娘たちが長じ、年々衣類がでかくなり、かつおしゃれ着が爆増し、おしゃれ着用中性洗剤の使用量も激増するなど、衣類周りの環境が激変期にある。

衣替えにもこれまで以上の気合が必要となっている。「消臭ピレパラアース」の力を借りつつ、粛々と作業を進めたい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。