10分こそうじ

キッチン掃除は洗剤の「使い分け」がポイント! 頑固汚れになる前の工夫

年に一度の大掃除より、日々の“小”掃除。整理収納アドバイザーとお掃除スペシャリストの資格を持つ筆者が、1日の終わりに10分でできる掃除や片付けのポイントをお伝えします
キッチンには2種類の汚れがあります。汚れの性質に合わせた洗剤でお掃除しましょう

家事に関するアンケート調査を見ると、「苦手な家事」の上位に入るのは以下の通りです。

  • コンロ&換気扇掃除
  • トイレ掃除
  • お風呂掃除
  • 食器洗い
  • アイロンがけ

筆者は、大いに納得していますが、みなさんはいかがでしょうか。最近では、優秀な全自動家電にお任せできることも増えましたが、まだまだ自力で対応しなければならない家事は多いものです。

特に放っておくと厄介なのは、キッチンの水回りや火周りのお掃除。食器や調理器具などモノが多く置かれているうえ、油や調味料の汚れはあっという間に頑固汚れになってしまいます。食後にやろう……明日やろう……週末に……と先延ばしすることで、汚れ落としに工夫や手間が必要になるのです。

今回は、キッチンの「コンロ/換気扇/シンク」のお掃除を考えていきましょう。まず、キッチンの汚れを大きく分けると2種類です。

  • 酸性汚れ
  • アルカリ性汚れ

わかりやすく言うと、

  • 酸性汚れ→ベトベト系(油・手あか)
  • アルカリ性汚れ→カリカリ系(水垢・石鹸カス)

それぞれの汚れを落とす洗剤には、反対の液性を用います。

  • ベトベト系酸性汚れには、アルカリ性
  • カリカリ系アルカリ性汚れには、酸性

洗剤を買う時は、パッケージだけでなく裏面の液性もぜひ、確認してください。

キッチンのこそうじで、汚れを溜めない工夫

キッチンの日頃のお掃除を、汚れの種類別に解説します。

【ベトベト系油汚れ】
  1. 食器洗いのついでに五徳を洗う
  2. クロスでコンロ周りを拭く

油汚れは、時間との勝負。早いほど楽に汚れが取れます。ガスコンロも毎日拭けば、ピカピカを維持できますね。

ただ、面倒くさ〜い!

そんな自分に打ち勝つため、筆者が心掛けているのは、「夜の食器洗いのついでに五徳も洗う!」ということ。五徳を外すだけで、ガステーブルがフラットになり、掃除のハードルが、グ〜ンと下がるから不思議です。

作業台のついでに、ガステーブルもクロスで拭きます。キッチン掃除用のクロスでオススメなのは、「カウンタークロス」。さまざまなメーカーが販売しており、水拭きにも洗剤拭きにも使え、水切れも良いため重宝しています。コンロ周りの壁やレンジフードも、そのままついで拭きするといいでしょう。

カウンタークロスはキッチン周りのお掃除に重宝します
【水垢などのカリカリ系汚れ】
  1. シンクを洗う
  2. 全体を乾拭きする

シンクのカリカリ系汚れは、食器洗いの最後にシンク用スポンジで洗います。中性洗剤をつけたスポンジに、クエン酸水を2プッシュほど。油汚れと水垢落としを同時にやってしまいます。(クエン酸水の作り方は後ほどご紹介します)

最後に全体を乾拭きすれば、水垢防止にもなります。この手順だと、シンク/カウンター/ガステーブルのお掃除をしても毎日10分程度で済みますよ。

もし汚れがこびりついてしまったら……頑固汚れの落とし方

気合を入れてキッチンをお掃除するときは、重曹やクエン酸を活用して頑固な汚れを落としましょう。汚れの種類に合わせて洗剤を使い分けます。

ベトベト系の汚れがつきやすい換気扇やコンロには、アルカリ性の洗剤を使います。そして換気扇のフィルターやガスコンロの五徳など、外せる部品はつけ置き洗いができます。

つけ置きには、重曹が便利。さらに効果を高める為に、時間と温度にも助けてもらいましょう! 温度が下がらないように、ゴミ袋などに入れてつけ置きするといいでしょう。

換気扇や五徳などのつけ置き洗い
  1. アルカリ洗剤(1Lに対し重曹50g)を入れたお湯(40~50℃)に30分ほどつけ置く
  2. 表面の油汚れが浮いてきたら、スポンジでこすり洗い

つけ置き洗いで気をつけたいのが、アルミ製の部品。換気扇内部のシロッコファンはアルミ製が多く、アルカリ性の洗剤に長くつけすぎると変色し、劣化の原因になります。アルミ製の部品は、中性洗剤でつけ置きしましょう。

換気扇のフィルターは重曹でつけ置き洗い
ゴミ袋の口を閉じればお湯の温度が下がりにくいです

水垢などのカリカリ系の汚れは、シンクで特に目立ちます。カリカリ系には酸性の洗剤を用いますが、なかでも気軽に使えるのは「クエン酸」です。

200mlの水に小さじ1杯のクエン酸を入れたクエン酸水を作っておくと、キッチンのお掃除に使いやすいですよ。

シンクのカリカリ汚れ落とし
  1. シンクを中性洗剤で泡立てたスポンジで洗い、水で流して表面の汚れを取り除く
  2. 水滴を拭く
  3. クエン酸水を多めにかけて、乾燥を防ぐためラップで覆い30分〜2時間放置して、スポンジで軽く擦る

クエン酸水は長持ちしません。2週間を目安に使い切りましょう。

ベトベト汚れには重曹、カリカリ汚れにはクエン酸を使いましょう

キッチンを汚れにくくするコツ

最後に、筆者が実践している汚れを減らすコツをご紹介します。日頃から汚れないように工夫することで、お掃除がもっと楽になりますよ。

キッチンを汚れにくくするコツ
  • 深めのフライパンで調理する
  • 揚げ物時は、油はね防止ネットを活用する
  • キッチンペーパーを小さく切って置いておく
  • 換気扇は調理後しばらく回しっぱなしにする
  • スクイージーでシンクの水滴を取り除く

ベトベト系の汚れは、調理時に出る油を抑えるのがポイント。深めのフライパンで調理したり、揚げ物をするときは、油はね防止ネットを使うと油の飛び散りを減らせます。

また油が飛んだらすぐに拭けるよう、布切れやキッチンペーパーを小さく切って準備しておくのもいいでしょう。

キッチンの換気扇は調理後すぐに止めてしまうと、壁や天井に油が張りつき、汚れや悪臭の原因にもなります。調理中に浮遊する油を十分に排気するため、換気扇は調理後30分〜1時間ほど回しっぱなしにしましょう。

カリカリ系の汚れを防ぐためには、水滴を取り除くことが肝心。スクイージーを使って水切りしましょう。

油などのベトベト系汚れにはアルカリ性、水垢などのカリカリ系汚れには酸性。このように使う洗剤や道具の特徴を知り、活かすことでお掃除の仕上がりがUPします。まずは手軽にできるこそうじから始めてみてください。

シンクの水垢を防ぐため、スクイージーで水切りします
丸 マイ

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。