藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

薬剤なしで蚊を駆除する充電式殺虫器。つけて2分で蚊がポトリ

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です
ハタヤの「充電式殺虫器 電撃! ちょこっと DGK-1B」

人類を最もたくさん殺している生き物、第1位に暗く輝く「蚊」。

第2位が「人類」、第3位が「ヘビ」という、まあまあ頷ける並びに比べて、なんと卑小なれど恐ろしい存在なんだろうか「蚊」とは。

人類への直接の悪影響度合いで言ったら、あのおぞましいイニシャルGとも比較にならない。Gが就寝中に足の上を横切ったからといって、眠っていて気づかなければ実害はない。しかし、蚊に刺されればかゆいし、皮膚が弱ければはれ上がりかねない。

なにせ蚊が出て、最も不愉快かつ憎々しく感じるのは、そんな「寝ているとき」に「耳元で羽ばたかれたとき」だ。その後、身体のどこかにかゆみを感じれば、気のせいではなかったのだという答え合わせ感とともに、蚊への憎悪は最高潮に達する。

とはいえ今日日、熱中症を恐れる熱帯夜なら、エアコンをかけて寝る。網戸にすらしないという人も多かろう。そうなれば、どこか外から蚊が入ってくる懸念もないはずなのだが、実は蚊の動きが活発になる最適温度は気温25℃から30℃程度なのだという。

25℃というと、だいぶ低い。衣類でいえば長袖でちょうどいいくらいだ。真夏の気温ではない。

つまり、ある意味エアコンをガンガンかけた部屋の環境が蚊の最適環境で、外出時などに家の外から蚊を連れ帰ってしまったら最後、涼しい部屋の中で一緒に暮らすことになりかねない。

蚊が産卵しボウフラから成虫になるまで、ほんの10日前後だという。観葉植物の鉢の皿のような家の中のひそかな溜まり水で産卵……うっかり自家増殖……。十二分にありえる流れだ。

筆者宅ではアレルギー体質で皮膚の弱い家族が多い。「蚊」に刺されるだけではれ上がる子もいる。とはいえ外出時はともかく、エアコンをかけて締め切った夜の室内などでは薬剤も使いたくない。しかし蚊帳を吊れるような広さもない。

さいわい居住環境の妙で「耳元のささやき」を喰らうのはひと夏に1~2回と、比較的低頻度ではある。そんなこんなで蚊対策とはいっても、何か良い手はないかなあと思案しつつこれといった決め手のないまま、十年単位で方策を見送っていた。

今回ご紹介するハタヤの「充電式殺虫器 電撃! ちょこっと DGK-1B」は、最近、薬剤嫌いの知人から教えてもらったものだ。

字面だけ見るとかなり物騒な代物だ。またザックリ「夏のコンビニの自動ドアの上によくあるやつの家庭版」と聞いていささか怯んだ。

「あのバチバチいうやつ? 怖くない?」「でも非常用のランタンも兼ねて3,000円くらいだし小さいから大丈夫」「ほんとかなぁ?」。

と、まあ、やや半信半疑ながら購入したのだ。

「充電式殺虫器」という字面だけ見ると物騒
リチウムイオンバッテリーを内蔵した充電式

そうして、風薫る5月にしてすでに野外ではヤブ蚊がブンブンしている、北関東の実家の片付けの際に試用、稼働させたのだが……。

なんと屋内で電源を入れ、殺虫灯(青い光)を点灯させてものの2分ほど、目の前のライトの前で蚊がハタリと畳に「落ちた」。

え、蚊どこにいたの!? 何が起こった!? 怖!!!

あまりに鮮烈なデビュー戦。ランタンに切り替えてみて、光量にもおののいた。充電式で良かった。めちゃくちゃ明るい。

しかしてこの威力、「夏の夜のエアコンを効かせ閉め切った室内殺虫器」として、これほど心強いものはないのではないだろうか……。

充電式殺虫器、蚊のみならずコバエの類にも奏功するという。

バナナを常駐させているようなキッチンの常夜灯としてもいいのかもしれない。

殺虫灯
ランタンになるが、めちゃくちゃ明るい
藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして21年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、大1、中3、小5の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。