藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

【年明けからの大掃除その4】椅子も洗面器もまるっと漬け込む「お風呂まとめて泡洗浄」

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 数年前、身近なところで物議を醸した話題があった。入浴時の所作についてである。

 A氏は、「頭から身体まですっかり洗い場で洗ったのちに、浴槽に浸かる」と言った。

 B氏は、「掛け湯として、肩に湯をかけ、軽く隠部を手洗いしたのちに、浴槽に浸かる」と言った。

 C氏は、「そのままドボン」と言った。

 家庭の内風呂での話である。他人が口を挟む是非はない(公衆浴場であれば別。あとたぶん、健康上のリスクの高低も別)。

 当時この話題に対し、皆々の胸のうちに行き交う思いはいろいろとあったのだが、とりあえず私の思いは純粋に「Cさんの場合一番浴槽が汚れるだろうな……掃除タイヘンそう……」という掃除がらみのそれであった。

 体調が良ければ風呂に入らない理由はない、暮れでも正月でも。なので、「キッチン」に勝るとも劣らずという程度に浴室も「大掃除をせっかくやってもすぐ元の木阿弥」になりやすいエリアだ。

 普段から浴槽掃除などはやっているだろうから、「大掃除」をスキップされてしまうことも少なくない。単に冬場の水仕事は億劫だということもある。

 しかして普段から洗ったり濯いだりしていたところは、必ず汚れが溜まらないものかといえばそんなこともない。洗い残しもあるし、水場の場合はただそこに水道水の粒が付着して乾いただけで石灰系の水垢がつき、鍾乳石のようにじわじわ育っていく。石鹸かすの脂性汚れも、赤いバクテリア汚れも、黒カビも、じわじわ殖えていく。

 年明け、「大掃除」時期を越えてしまうと、もう掃除そのものへのモチベーションなども潰えてしまいがちだ。でもこのタイミングで、もし浴室掃除全般を行なわずいるようであれば、ぜひ試してみてはいかがか? というのが、「お風呂まとめて泡洗浄」を使った今回の掃除なのである。

「お風呂まとめて泡洗浄 ベビーローズの香り」
メーカー名フマキラー
製品名お風呂まとめて泡洗浄 ベビーローズの香り
価格(編集部調べ)680円

 方法は極めて簡便。入浴後の残り湯に多少の足し湯をし、そこに「お風呂まとめて泡洗浄」剤を振り入れて溶かし、風呂ふた、風呂いす、洗面器、シャンプー置き等々の風呂場小物を全部漬け込む。そして一晩放ったらかして汚れを緩め、取るというやり方だ。

 「放ったらかし」……甘美な響きである。

 そうして8~12時間後、取り出した小物類は軽く水洗いだけすればよい。洗剤液の残りを撒き、洗い場など少々擦ってもいいだろう。

 浴槽は水抜きをして、擦り洗っておこう。これであの「ドボン」で溜まった皮脂汚れなども、難なく落ちるはずである。

風呂場小物を全部漬け込み、一晩放ったらかしに

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。