藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
20年近い主婦生活ののちに定まった、我が家の臭わない「台拭き術」
2018年8月23日 07:00
「台ふきん」という存在が長年、謎だった。子どもの時分からだ。
台、つまり食卓を、食事の前に拭き清めたい、という意図は分かる。分かるがしかし、拭いているその濡れぶきんがどうも、いつも臭う。雑巾臭く感じる。あまり綺麗であるように思われない。しかし親はそこに頓着していない。なぜだろう?
当時は子どもだったし、知識もないし、親からの特別の教えなどもなかったので、ずっと「そんなもんだ」と思っていた。子どもは、親が自宅で振舞う家事の流儀以外にはなかなか触れる機会がない。帰省で親の実家に逗留することはあっても、実はそこでの振る舞いは母の実家である限り祖母のそれとあまり違いがない。
友達の家でまれにご飯をご馳走になる機会があったとしても、台所だの食卓周りだのは、あまりじろじろ観察するところではない(お行儀が悪い)と思っていたので、ほとんど記憶に残っていない。ただ基本的に他家というのは異文化の場だという意識はあった。
異文化ということで、「台ぶきん」とは話がずれるのだけれども、ある日友人Aから、「先日、友人B宅に泊りがけで遊びに行ったのだけど、夕飯に出てきたのが千切りキャベツの上に乗った某フライドチキンだった。驚いた」と告白され、私もひどく驚いたことがあった。なぜなら我が家ではあり得ない出来事だったからだ。
また友人Cより、「ライヴの後電車がなくなったので、友人Dの家に泊めてもらったところ、翌朝ご飯よ、といって出されたのが某チェーンのケーキとジャンボなシュークリームだった。驚いた」という告白をされたこともあり、私も仰天したことがあった。なぜなら我が家では(以下略)……。いずれも学生時代の話である。
かくいう「食卓」をめぐるインパクトにくらべ、「台ふきん」がどうであれ、地味で瑣末なことであるといえば言える。人によっては、ハッキリ、「どうでもいい」と感じることだろう。
しかしのちに長じて自分が一家の主婦となったとき、あの「台ふきん」が容易に臭くなる、黄ばんだり茶ばんだりする理由を合点しつつ、しかし「それ」をしれっと使い続けることは、私は「いただけない」のだと思った。
地味で瑣末な存在である「台ふきん」ではあるけれども、その「台拭き」作業は毎日のことであり、また食卓を拭き清めるという存在意義自体は否定できない(食卓は、やっぱり、拭きたい!)。でも、一体どう、あれを暮らしのなかに位置付けるべきなのか? 正解はどこにあるのか? わりあい試行錯誤の時間は長く続いたのである。
そんななか、私として「台ふきん」との付き合い方が定まったのは、20年近い主婦生活のうち、今からようやく6年前のことである。
一般的な「台ふきん」1枚には、10cm2あたり1,000万個もの雑菌が生息しているらしいことを知った。多いものでは1cm2あたり2.8億個というので恐れ入った(※)。食卓をキレイにしているつもりで、いままで私は何をやっていたんだろうかと気が遠くなった。
かくして以後、私が(我が家で)習慣にしているのが「消毒用エタノール(アルコール)」と「ティッシュペーパー」を利用した「台拭き」である。
メーカー名 | ジョンソン |
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製品名 | カビキラーアルコール除菌 食卓用 |
実売価格 | 348円 |
消毒用エタノール(アルコール)は溶剤の一種でもあるので、こぼしマヨネーズのような油性の汚れも、ジュース跡のような水性の汚れも溶解してくれる。拭くのに使用したティッシュは、そのまま使い捨てるので「台ふきん」にありがちな煮沸消毒やらなにやらの手間もない。もちろん雑巾臭いあのニオイなどまるで残らない。
意外とティッシュはテーブルの大きさにもよるが、5人座れるサイズでも1、2枚の消費で事足りる。子どもがダイニングテーブルで勉強した後の「消しカス」をさらうのにも、実は消毒用エタノールは相性が良かった。カスがまとまりやすいのだ。
もしも、今現在、なんともいえないモヤモヤを感じながら「台ふきん」を使っている方がいたならば、ぜひ騙されたと思ってティッシュと「消毒用エタノール(アルコール)」のコラボを試してみてほしいと切に願っている。
※使った後のまな板や台ふきんは雑菌だらけ! 衛生微生物研究センターが“キッチンの衛生管理”に関する実験結果を発表(衛生微生物研究センター)