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待ち続けた復刻版。ダイソンの羽根のない扇風機が暮らしに溶け込む理由
2026年7月23日 08:04
我が家でダイソンの羽根のない扇風機を使い始めたのは2013年のこと。息子がテーブルに置いて、暑がりの自分だけを集中的に冷やすものとして使う様子が夏の風物詩となっていました。その後、我が家で12年間愛用したAM06もさすがに劣化し、「羽根のない扇風機の復刻版が出ないかしら」と話していたところにビッグニュースが飛び込んできました。すぐに購入した新モデル「Dyson Cool CF1 ファン(ダイソン クール シーエフワン ファン)」の進化ぶりと共に、ダイソンの羽根のない扇風機の心地よさの理由を紐解きたいと思います。
わが家に羽根のない扇風機を迎えたきっかけは高野山でした
ダイソンの羽根のない扇風機「AM01 エアマルチプライアー」(その頃は技術名でなく、製品名としてもこう呼ばれていました)は、独自の技術により、これまでの扇風機とは全く違う、羽根のない形状を実現したもの。気流が周囲の空気を巻き込むことで、吸引した空気の10倍以上の風量を生み出すだけでなく、一般的な扇風機とは異なり、ムラのないスムーズな風を送ることができるのが特徴です。高速回転する羽根がないため安全ですし、お手入れが簡単なことでも注目を浴びました。
そんな羽根のない扇風機をわが家に迎えたいと思ったのは、2013年の夏に高野山総本山金剛峯寺にプレスツアーで出かけたことがきっかけでした。というのも、この夏、金剛峯寺では、「AM02リビングファン」を25台、「AM01テーブルファン」を5台、合計30台を“涼をとるための製品”として設置したのです。
なぜ、金剛峯寺でこの扇風機が導入されたのかといえば、羽根がないために僧侶の方々の袈裟などが巻き込まれる心配がなく、安全なことに加え、寺院の歴史ある美しい景観を損なわないシンプルなデザインが評価されたから。そして何より、高野山の自然なそよ風のような心地よい風を送ることができる点がよかったからだと言います。
現地に足を運んで実際にその様子を目の当たりにし、景観に馴染んでいるだけでなく、山から吹き降りた風のような心地よさに「これなら、家に置いてみたい」と切望し、AM01を迎えることとなったのです。
2009年秋に初代モデルが登場した際にも、(創業者兼チーフエンジニアの)ジェームズ・ダイソンさんに直接インタビューし、バージョンアップのたびに開かれる記者発表会での取材や店頭でのチェックなどは重ねてきてはいましたが、自宅で使ってみる機会がなかったのです。
奥行、空間、風……存在感を感じさせないテーブルファン
いざ、届いてダイニングテーブルの上に置いてみると、風を出していないときにはそれなりに存在感があったのに、スイッチを入れた瞬間にその存在を消したように思われたのです。これまで羽根のない扇風機の良さは、「安全性」「お手入れの簡単さ」「ムラのない自然な風」の3点だったと思っていたのに、それだけではなかったのです。
30cmの輪の向こうがきちんと見えて、空間を遮っていないから、たとえテーブルの上にあったとしても奥行を感じさせます。しかも羽根がないため「いったいどこから風が吹いてくるのだろう」という視覚的なマジックもあります。ただ自然の風だけが感じられて、いつしかこのテーブルファンの存在が気にならなく(目に入らなく)なっていることの驚き! 当時のブログにも「使っていない時には美しいデザインで目を楽しませ、使っている時には存在感を感じさせない扇風機」と自分で書いていました。
そんな存在感を感じさせないテーブルファンの魅力をいち早く理解して、自分専用機として愛用し始めたのが、暑がりの息子でした。軽いので持ち運びもラクだし、夕食の際に食卓の上の自分の食器などのすぐ右脇に置いて、自分だけが涼むものとして使うこと、早12年。輪っかがあるだけで存在感がないので、そうやってテーブルに置かれても気になりません。
13年間使い続けてわかった「パーソナル空調家電」としての魅力
と、ここで思い出すのは、似たような使い方をしている人たちがいたな……ということ。ほとんどが男性の編集者さんやライターさんだったと思いますが、原稿を書くなどのデスクワーク時にパソコンと自分の間に、このテーブルファンを置いて使っていたのですね。当時は東日本大震災の影響もあって、省エネ・節電が声高に叫ばれていたころで、エアコンの温度設定もかなり高めでした。いくらクールビズの服装をしても暑いものは暑い。そこで、このテーブルファンを今でいう“パーソナル空調家電(ファン)”として使っていたわけです。
ぽっかりと空いた輪っかの向こうにちゃんとパソコンの画面が見えて、自分だけが涼しくて快適。上下の角度も変えられるので、まさにピンポイントで風に当たることができます。もちろん、左右の首振り機能もついていますし、サーキュレーターとしても使える大風量の機能も備えていますが、我が家の息子も編集者さんたちもパーソナルファンとして使っていたという点が何だか面白いなと思います。
我が家のAM01は、翌年にはより静音性と省エネ性を高めたAM06へと買い替えました。とはいうものの、「10年以上使わないでください」というところを12年も使ってきてしまい、今年はもう使えないと思ったタイミングでの復刻版の登場がどれだけうれしかったことでしょう。
実は市場から消えたあと、何度も他社に似たコンセプトの商品を作れないか提案してきたのですが、特許などの問題もあるのでしょう。全く実現できる気配がありませんでした。何より、この羽根のない扇風機の本当のよさをなかなかわかってもらえなかったのが残念だったなと思います。本家のダイソンからの再登場に拍手を送りたいところです。
さらに静かで省エネ性が高まったCF1は、使い勝手もぐんと向上
ワクワクした気持ちいっぱいで箱から出した新モデル、これまでマットブラックの本体だったので、ホワイト/シルバーの清潔感のあるデザインがとても新鮮です。そして持ち上げてみると、軽く感じられるのですよね。確認してみると、AM06が1.9㎏だったのに対して、こちらは1.8㎏。さらに100g軽くなっています。
2つを並べてみると、その形はほとんど変わっていませんが、操作部のところなどに変化が見られます。ダイヤルを押すと電源がオンになり、回すことで風量が調節できる仕様で、左右の首振りは、0°、15°、40°、70°の4段階で細かく設定できます。この15°というのが絶妙で、「自分だけに風を送ってほしいけれど、同じところばかりに当たるのはちょっと」という要望をぴたりとかなえてくれます。風が少しだけ揺れるような体感で、より自然の風に近づいたといったところでしょうか。
最大消費電力でも30Wと省エネ設計で、ブラシレスDCモーターが、細かな出力調整を可能にし、消費電力を抑えながらパワフルな風を生み出します。運転音も最小18.5dB、最大42.8dBだから、使っていて運転音が気になることはほぼありません。
風量やディスプレイの明るさを自動で調整するナイトモードも備えていて、ダイヤル左の月のマークで設定できますが、電源オンにすると前回と同じ設定から運転が始まるので、ナイトモードにした後は要注意です。なぜなら、我が家では昼間に「動いているのかわからない」という声がありましたが、調べてみるとナイトモードで使っていたことが原因でした。通常モードでは風量表示が点灯するため、運転中であることはきちんと確認できます。
新モデルはテーブルの隣りの窓際に決定。アプリで家族みんなの一台に
実は、新モデルの置き場所は、昨年の夏から義母が同居することになって家族が増えたので、これまでと違って窓際のマッサージスツールの上が定位置になりました。テーブルを広く使えるだけでなく、近くに構えた書斎コーナーにも風が届くようになり、家族みんなで使う一台になったのです。もちろん、夕食時にもスイッチオン。少し暑がりの義母のために首振りの角度を40°にして、息子と2人に風が届くようにしています。
もう1つ、このCF1にはリモコンが付属していません。最初のうちは「なんだか不便だ」と思っていたのですが、ダイソンのアプリをダウンロードして連携させれば、リモコン代わりになるだけでなく、タイマー設定や首振りの角度まで自在に設定ができるのです。家族分のスマホと連携できるので、すっかり便利になりました。
こうしてあっという間に我が家に馴染んだ新モデルは、新しい機能のおかげでさらに使うシーンが増え、欠かせない一台になっています。ホワイトとシルバーのデザインも箱を開けたときに感じた以上に、暮らしの空間にしっくりと収まっていていいなと思います。
窓を開けて使っていると、外から入ってくる風と見分けがつかないくらい自然で「わあ、いい風ねー」と声が出てしまうほど。その後で、思わず本体の表示を見ると、風量の数字が点灯していて、「あ、ついてたのね」と思わず笑ってしまう。そのくらい、風が暮らしの中に自然に溶け込んでいる毎日です。











