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家庭用品の見本市「シカゴショー」で見つけた古くて新しい家電たち!

米国シカゴ市にあるマコーミックプレイスコンベンションセンターで開催された「International Home+Housewares Show 2015」

 2015年3月7日~10日、米国イリノイ州シカゴ市のマコーミックプレイスコンベンションセンターで「International Home+Housewares Show 2015」が開催された。通称シカゴショーとも呼ばれるこのショーは、調理器具、食器、家電製品、バス・清掃用品、収納用品などの家庭用品が集まる見本市だ。

 今回初めてこのショーに足を運び、家電製品の動向を中心に取材してきた。実際に現地に行ってみるまでは、ショーにおける家電の割合はもっと少ないと思っていたのだが、予想に反して、その数も、家電が展示されていたブース「Lakeside Center」の広さもかなりの規模だった。

 ただし、毎年1月にラスベガスで開催される「CES」や、秋にドイツで開催される家電ショー「IFA」のような先進的な技術のお披露目や、コンセプトモデルを展示するというようなものとは全く異なる。バイヤーを相手にする商談の場なので、基本的に写真撮影はNGだ。プレスとして特別に許可をもらい、「photographer」と書かれたシールを貼ったプレスバッジを見せても、なかなか写真撮影の許可が下りないところも多かった。

 だが、有名インテリア店をはじめとする多数のバイヤーがやってくるため、その動向を見ているだけでも最新のトレンドが把握でき、出展メーカーの北米を中心とした戦略が見て取れるおもしろい取材となった。日本でも知られる海外メーカーの北米での製品展開の様子や、キッチン家電のトレンド、日本の家電メーカーの出展の様子などをお届けしたい。

ティファール、デロンギ、フィリップスのキッチン家電

マコーミックプレイスの3つの棟のうちの1つ、Lakeside Centerでは家電製品を中心にした展示がされていた

 「International Home+Housewares Show 2015」が開催されたマコーミックプレイスコンベンションセンターは、キッチン関連用品が展示されていた「South Building」、清掃関連用品の「North Building」、家電製品が並ぶ「Lakeside Center」と大きく3つの棟に分けて展示がされていた。すべて見て回ったが、ここでは「Lakeside Center」の様子をご紹介していく。

 まず目に付いたのが、日本でもキッチン家電やコーヒーメーカーで知られる海外メーカーのブース。日本ではティファールのブランドで知られる「グループセブ」の出展ブースでは、ヒスパニック系の家電ブランド「imusa」や「ROWENTA」など、初めてみるブランド名もあった。

 ティファールブランドでは、新製品として並んでいた「7-in-1 Multi-Cooker/Fryer」や「Actibread」が注目を集めていた。Actibreadはグルテンフリーのパンも焼けるベーカリーで、かなり大きい。ステンレスベースに黒の操作部を組み合わせたデザインは、あまりにシンプルでしゃれっ気のないものだった。

日本ではティファールで知られるグループセブの出展ブース。imusaはヒスパニック系の家電ブランド
新製品として展示されていた7-in-1 Multi-Cooker/Fryer
かなりサイズが大きいActibread

 日本でも昨年の秋に発売された「ActiFry」は、日本仕様と違ってビッグサイズで形状も異なり、日本で求められている万能さとは少し違う印象だ。

 また、「10-in-1 Rice&Multi-Cooker」という名の“炊飯器”をティファールが作っているのもなんだか不思議な気がした。長粒米を炊くのに使い、煮込み料理やパン、ケーキなど1台で何でもこなしてしまうマルチな炊飯器は、おいしいごはんを炊くことに骨身を削っている日本の炊飯器とはずいぶん考え方が違うようだ。

日本でも昨年の秋に発売されたActiFryは、日本仕様と違ってビッグサイズで形状も異なる
ごはんを炊くだけに留まらず、多機能な10-in-1 Rice&Multi-Cooker

 そのほか、「ROWENTA」ブランドで展開しているコードレススティッククリーナーや空気清浄機、加湿器なども並んでいた。ヘッドが三角形をしたスティッククリーナーは、同様のモデルを日本でも展開している。

 ただ、空気清浄機や加湿器などはまさに激戦区の日本においてはなかなか参入が難しいのかもしれない。でも、すっきりと美しいデザインには心ひかれるものがあったので、いずれ日本でも展開してみてはどうかとも思っている。

ROWENTAブランドで展開しているコードレススティッククリーナーや空気清浄機、加湿器
どこか日本的なイメージを漂わせた空間を作った空気関連の家電製品の展示コーナー

 続いてデロンギのブースへ。コーヒーマシン以外にキッチン家電も展示されており、油を使わない揚げ物やオーブン料理ができる「MULTIFRY」では実演もしていた。だが、かなりガードが厳しく実演の写真撮影はOKが出なかった。

 日本ではフィリップスといえばコンベクションオーブンのイメージだが、この「MULTIFRY」もフィリップスのノンフライヤーとは異なる形状でかなり気になる。北米で人気が出たら、日本にもやってくるのだろうかと楽しみだ。

エスプレッソマシンなどのコーヒーメーカーを中心に展示していたデロンギのブース
デロンギのブースには、小型のコンベクションオーブンなどの調理家電のコーナーも
大きな目玉商品として力を入れていたのがノンフライヤーのような調理ができるMULTIFRY

 フィリップスでは、あの「ヌードルメーカー」が「パスタメーカー」として精力的にアピールされていた。キッチンカウンターのような明るいブース作りをして、実演もしていたのでバイヤーの評判もなかなの様子。パスタメーカーキットにはお手入れ用のカバーもついており、日本向けに細部まで考えて開発されたものがこちらでも生かされているようだ。

 そのほか、10個の自動プログラムでヨーグルトから南米で人気のスーパーフード・キヌアまで自在に調理できる「Muticooker」も注目されていた。

キッチンカウンターのような明るいブース作りをしてバイヤーの人気を集めていたフィリップス
一番力を入れていたのはパスタメーカー
さまざまな形状のパスタが出来るように考えられたパスタメーカーのキット
パスタメーカー同様に注目されていたMuticooker

北米の家電メーカーは手ごろな価格が魅力

 日本では、電動工具やハンディクリーナーのイメージが強いブラック・アンド・デッカーだが、北米ではキッチン家電も幅広く展開していると以前に聞いたことがある。

 実際にこのショーでは、ピザの焼ける大きな庫内のオーブンのデモンストレーションを行なったり、ノンフライヤーのような家電も展示されていたりして、驚いてしまった。

 日本でこのようなキッチン家電を販売しないのは、元々北米でも普及価格モデルの家電を扱うメーカーとして定着しており、プレミアム戦略をとっていないからとのこと。

日本では、電動工具やハンディクリーナーのイメージが強いブラック・アンド・デッカーだが、北米ではキッチン家電も幅広く展開している
大きなピザが焼けるオーブンのデモンストレーションが行なわれた
ブラック・アンド・デッカーはアイロンのほか、ノンフライヤーのような家電も販売している
北米を中心に人気の高いスロークッカーはデザインが豊富だ
シンプルなデザインのオーブンやトースター

 同じようなキッチン家電を扱うメーカーとしてハミルトンビーチも、大きなブースを展開してバイヤーたちの注目を浴びていた。

 特に人気だったのは、マフィン、卵、ハムなどを一度に焼き上げるサンドイッチメーカーで、楽しいパフォーマンスに目を奪われる。高機能でなくとも暮らしを楽しく便利にする家電というのは魅力的だ。

 ブラック・アンド・デッカー、ハミルトンビーチのいずれのブースでも、さまざまなサイズやデザインのスロークッカーが展示されていたのも印象的だった。時短というよりはお任せでおいしく栄養のあるスープや煮込み料理を作る家電がスロークッカーだ。日本ではそんなに伸びを見せないスロークッカーだが、今後もっと注目されてもいいように思う。

手ごろな価格帯のキッチン家電を多く取り扱っているハミルトンビーチ
ハミルトンビーチでの一番人気は、マフィン、卵、ハムなどを一度の焼き上げるサンドイッチメーカー
一度に2組のマフィンが焼けるサンドイッチメーカーで、マフィンサンドを焼いたもの
ハミルトンビーチでも、さまざまなサイズやデザインのスロークッカーが展示されていた

キッチン家電のトレンドは「健康調理」

 ここまで代表的な家電メーカーの様子を見てきたが、会場全体で大きなトピックとして心に残ったのが「健康調理」だ。特に人気を集めていたのが、「スロージューサー」「ディハイドレーター(ドライフルーツ・フーズメーカー)」「真空調理機」の3つ。ヒューロムやクビンス、SDSをはじめとする韓国勢に加え、OEM製品を多数手がけるTribestによる「slowstar」など、会場にはスロージューサーが花盛り。

 スロージューサーといえば、日本でも昨年夏以来ブームになりつつあるコールドプレスジュースが思い浮かぶ。ブーム発祥の地である北米では。高速ジューサーのバイタミックスを押さえ、圧倒的にスロージューサーの波が来ているように感じられた。

スロージューサーの中でもヒューロムのブースは最大ベース
1974年からのヒューロムのスロージューサーの歴史が展示されていた
数あるスロージューサーの中でもシンプルなデザインがかえって目立つ
Tribestのスロージューサー「slowstar」
クビンスのスロージューサーも出展

 ディハイドレーターは、果物や野菜、きのこなどを乾燥させるものだ。グラノーラやシリアルを自分で作り、よりヘルシーな朝食をと考えている人が多いことから注目度が高く、製品も充実していた様子。油を使わず、素材のままを乾燥させて長期保存を可能にするという点でも、ヘルシーだし、食材を無駄にしないという点でエコ。

 試食してみたところ、フリーズドライしたものに比べると味の点では劣るけれど、噛みしめるほどに味わい深くなるし、やわらかいものばかりを食べるという風潮を補えるのも魅力的だ。

かなり多くのメーカーが出展していたディハイドレーター(食物乾燥機)
イチゴやバナナ、ブドウなどの“ドライフルーツ”のほか、ショウガやトマト、キノコなども乾燥できる
カラフルなデザインのディハイドレーター
前面のふたを持ち上げると乾燥用の網が何段も並んでいる
NESCOのディハイドレーター
NESCOの丸型のディハイドレーター
カリカリに乾燥したバナナが試食できるようになっていた
一緒にドライフーズのハウツー本も

 そしてもう1つ外せないのが、「SousVide Supreme」という真空調理機。真空保存できるシーラーと、約60℃の湯煎による低温調理ができるウォーターオーブンがセットになったもの。焼き目を付けたステーキ肉を真空パックし、低温調理すると、やわらかで極上の味わいの仕上がりになる。

 この調理の方法は、油を使わない点や、調味料が少なくてもしっかりと味が染み込む点など、まさに健康に配慮した調理法。こうした真空調理はやわらかな食感に仕上がるため、ソフト食として高齢者向けの調理方法としても今後さらに注目されるはず。

 すでに業務用調理機器の世界では広がりつつあるが、その便利さや有用性が認知されれば、家庭用でもぐっと広がりを見せるのではないだろうか。

健康調理に貢献する真空調理機「SousVide Supreme」。左奥にあるのが真空パック用のシーラーとセットで使う
真空パックしたものをこのウォーターオーブンに入れて湯煎して熱を通す仕組み。真空パックしたものを立てて入れられるようにブックエンド状の仕切りがついている

SMEG USAの「50's STYLE」にみる“古くて新しいもの”への希求

 今回のシカゴショーで各所に見られたのが「design innovation」の文字だ。家電製品に限らず、キッチン雑貨の集まる「South Building」でも、ポイントになるのはデザイン。心浮き立ち、愛着の持てるデザインという意味でも、使いやすさという点でも、デザイン性を見捨ててはおけないということなのだろう。

 そうしたデザイン性重視の流れの中で目を引いたのが、今回、初出展となるSMEG社の「50's STYLE」と題された1950年代のデザインを復刻させたクラシカルなデザインの家電群。SMEGはイタリアの家電ブランドだが、今回の出展は北米法人の「SMEG USA」によるものだ。

 ポップアップトースターや電気ケトル、スタンドミキサー、ブレンダー、冷蔵庫などはレッド、ブラック、シルバーに加え、イエロー、ミントグリーン、ピンク、ブルーなどの豊富なカラーバリエーションで展開。

SMEG社の「50's STYLE」が初出展。バイヤーからも各国のメディアからも注目を浴びていた
ポップアップトースターや電気ケトル、スタンドミキサー、ブレンダー、冷蔵庫などがラインアップ
シカゴ市内の百貨店・ブルーミングデールズHOMEの「50's STYLE」のコーナー
冷蔵庫を開けてみるとワインや飲み物のボトル用の棚も設けられていた

 SMEG以外にも、こうしたレトロなデザインの家電が見られ、そこに集まる各国のバイヤー氏たちの熱心なやりとりを目にした。中国のGalanzの米国法人Galanz USAでは“Made in USA”をうたい、丸みのある電子レンジ群を展開。いちばん注目を集めていたのが、オレンジやグリーン、ホワイトなどのカラーバリエーションをそろえた超小型タイプのものだ。

Galanz USAの電子レンジはコンパクトさと丸みのあるデザインが特徴
カラーバリエーションもオレンジ、ライムグリーン、グレーなど他にはないものをそろえている

 そのほか、「NOSTALGIA ELECTRICS」というブランドを展開しているNostalgia Products Groupでも、こうしたレトロなデザインの家電を積極的にアピールしているのが心に残った。

「NOSTALGIA ELECTRICS」という名前のとおりのノスタルジックな家電たち
濃いめのレッドの家電はさらに古めかしいデザイン

 いずれも形(デザイン)こそ、古いものを復刻させているが、機能そのものは最新のものにしっかりと作り直しているところがポイントだ。50~60代以上の世代には懐かしく、若い世代にはとても新しく目に映るのだろう。ぜひ日本の冷蔵庫あたりでもこれを見習って欲しいものだと思う。

カラフルさが目を引いたDASHブランドのキッチン家電
おなじみのホットドッグトースターも大人気
デンマークで生まれ、現在はスイスに本拠地を持つボダムも出展
日本でも発売されたばかりのステンレスフィルター付きのドリップ式コーヒーメーカー「POUR OVER」が華やかに並んでいた

アイロボット、ネイトロボティクスなどのロボット掃除機も

 キッチン家電だけでなく、ロボット掃除機を手掛ける家電メーカーも出展していた。ロボット掃除機「ルンバ」や、床拭きロボットの「ブラーバ」を展開するアイロボット社は、このシカゴショーでルンバの人気に火が付いたと言われているそうだが、今回ももちろん出展。

アイロボット社も出展
ブラーバやルンバを上から吊るし、ブラシやタオルがセットされた底面を見せる展示方法が斬新だった

 同じく米国のシリコンバレーのロボット研究チームが主体になって開発されたネイトロボティクスもロボット掃除機「Botvac」を展示し、デモンストレーションなどを行なっていた。

 グーグルの無人走行車に使われた人工知能を搭載。360度を検知するレーザーセンサーで部屋の形や家具のレイアウトを記憶し、現在の部屋の掃除が完了後、隣の部屋を自動認識して掃除を行なうなど、掃除力にも優れている。

 もう1つ特徴的なのはそのデザイン。ホワイトを基調にしたD型のスタイルが、北欧のインテリアに合うということで、北欧ではアイロボットを抜いて、シェアナンバー1になっているという。

シリコンバレーに本拠地を置くロボットメーカー・ネイトロボティクス
D型のデザインをしたロボット掃除機「Botvac」
掃除能力はもちろんデザイン性が高く評価されすでに34カ国で展開、特に北欧での人気が高い
愛嬌のあるシールを前面に貼って、デモンストレーションが行なわれていた

 自動窓拭きロボットのWINBOTで知られるECOVACSも、空気の汚れなどにも反応するFAMIBOTや床用のロボット掃除機などを展示していた。

自動窓拭きロボットのWINBOTで知られるECOVACSのブース
空気の汚れなどにも反応するFAMIBOTのデモンストレーションコーナー

日本メーカーの海外展開モデルとは

 日本の家電メーカーも、現地に支社を持つ、タイガー魔法瓶、象印マホービン、パナソニックなどが出展し、日本でも人気の炊飯器や美容家電などが注目を集めていた。

 タイガーは北米向けにステンレス+ブラックのシンプルでスタイリッシュなモデルの炊飯器、ポットなどに力を入れているほか、背面まで美しい「360度デザイン」の3カラーの炊飯器、北米モデルのタクックを展示。日本で「わたしのタクック」として発売しているモデルを北米向けに初めて出展していた。

タイガーは北米向けに、ステンレス+ブラックのシンプルでスタイリッシュなモデルに力を入れて展開している
日本でもおなじみの背面まで美しい360度デザインの炊飯器
北米モデルのタクック
今回、日本で「わたしのタクック」として発売しているモデルを北米向けに初めて出展
保温マグやボトルは温度よりも丈夫さがポイントになるという

 毎年出展しているという象印も、タイガー同様にステンレスベースのシンプルなデザインの炊飯器やコーヒーメーカーを中心に展開していた。

象印のブースでも、北米向けにシンプルなデザインの炊飯器やコーヒーメーカーを展開
丸みのあるこぶりの炊飯器も並んでいた
保温性の高い「魔法瓶」も人気だ

 美容家電が目立っていたのがパナソニックのブース。女性用のスチーマーやドライヤーだけでなく男性用のシェーバーも種類豊富に並んでいた。そのほか、日本で人気のWヘッドのアイロンや大型のヘッドを採用したサイクロンクリーナーなどもバイヤーの目を引いていたようだ。

北米パナソニックが展開するPanasonic Beautyのブース
日本でも見られる美容家電だが、ドライヤーなどは北米向けにデザインされたものもあった
男性用シェーバーの展示も
どちらの方向にもアイロン掛けがしやすい独自形状、Wヘッドのアイロンの展示が印象的だった
小型化している日本のクリーナーに比べ、大きいサイズのサイクロンクリーナー。特にヘッド部分の形状が日本とは異なる

 すでに20年近く出展しているというアイリスオーヤマの現地法人IRIS USAも、キッチン関連用品が展示されていた「South Building」で大きくブースを設けていた。子どもたちに人気の高いCrayolaや、ジップロックと提携した北米限定のブランドや、鍋などのキッチン用品のオリジナルブランド「MAKER」など、独自の展開もしており、北米にしっかりと根をおろして事業を行なっている様子がうかがわれた。

キッチン関連用品が展示されていたSouth Buildingで大きくブースを設けていたIRIS USA
ジップロックと提携した密閉性の高い保存容器を北米のみで展開している
子どもたちに人気の高いCrayolaとも提携し、子ども部屋まわりのグッズや収納用品を手掛けている
テーマごとにコーナーを作り、イメージカラーを設定しており、見せ方がうまい。ホビーはパープルでまとめられていた
ホリデーはクリスマスのイメージで赤を基調に
IRIS USAでは、鍋などのキッチン用品のオリジナルブランド「MAKER」も展開している

定点観測をしていきたいシカゴショー

 今回の記事では触れなかったが、キッチン雑貨を扱う「South Building」ではトレンドカラーやこれからのデザインが把握でき、見るべきものの多い見本市だった。未来予測ができるような先進性はなくとも、時代の空気が感じられると言ったらいいだろうか。

 今年注目を集めていたクラシカルなデザインの家電たちは、来年はどうなっているのだろう。北米の家電が日本にやってくることはあるだろうか。

 日本のメディアでは、取材をする人がほとんどいない「International Home+Housewares Show」だが、定点観測をしていくことでさらに見えてくるものがあるのではないかと思っている。

神原サリー