神原サリーの家電 HOT TOPICS

今なら3万円台でOK! ミドルクラスのおすすめ炊飯器5選

 「炊飯器の場合、価格とおいしさは比例する」というのが持論です。各社がその技術を競っている10万円前後の高級炊飯器がおいしいのは当たり前のこと。しかし、たとえおいしさは最上級とはいえないまでも、そのメーカーのフラグシップモデルの炊き方や機能、使い勝手などを踏襲していて「これなら!」とおすすめできるキラリと光る中級モデルというのがあります。

 しかも昨年の夏から秋にかけて発売された2017年モデルの炊飯器は、この時期かなり価格が落ち着いてきて、値ごろ感のあるものになっており、おすすめ機種が3万円台で買えるのもうれしいところ。炊飯器は東と西のメーカーでは目指す味(特に食感)が微妙に異なるので、出身地や好みに応じて選ぶのもポイントです。

 中級モデルの炊飯器の場合、メーカーによっては機種がありすぎて、店頭ではその違いを判断しづらく、ついつい価格だけで選んでしまいがち。これから紹介するモデルを、ぜひ炊飯器選びの参考にしていただければ幸いです。

※いずれも5.5合炊き

しゃっきり硬めのごはんが好きなら東のメーカーで

炭釜と超音波吸水でしゃっきり&ふっくら
メーカー名三菱電機
製品名備長炭炭炊釜「NJ-VX108」
価格(編集部調べ)36,800円

 三菱の炊飯器と言えば、圧力をかけずに炊く、しゃっきりとした炊き上がりが特徴。フラグシップモデルは1台1台シリアルナンバーがついた「本炭釜」を採用していますが、こちらは5層厚釜をダブル備長炭コートしており、「炭釜」というコンセプトを受け継いでいます。

 厚釜というとおり3.5mmの内釜を採用し、炊飯の最初の工程である吸水時に独自の可変超音波吸水をしているため、芯まで水をしっかり吸ってふっくらと炊き上げます。最近健康のためにと注目されている「麦飯」をおいしく炊き上げる「麦飯モード」も搭載されています。

 今回は“3万円台”をテーマにセレクトしていますが、もう少し予算がある場合は、同じく5層の備長炭の厚釜に可変超音波吸水機能を採用しつつ、蒸気の出ない機構により高火力で炊き上げる「蒸気レスIH NJ-XS108J」も魅力的です(こちらは5万円弱程度)。いずれもスクエアでスタイリッシュな本体デザインになっています。

メーカー名三菱電機
製品名蒸気レスIH「NJ-XS108J」
価格(編集部調べ)46,362円
打込鉄釜と圧力スチーム炊きで甘く艶やか
メーカー名日立
製品名圧力スチーム炊き ふっくら御膳「RZ-AV100M」
価格(編集部調べ)33,900円

 フラグシップモデルのすぐ下の機種ながら、お値打ち感のある1台。圧力をかけながらスチームで蒸らす独自の炊飯方式に加え、本体側に蓄熱性を持たせた「全周断熱構造」を採用し、内釜は日立のこだわりである鉄釜を採用しつつも、720gと軽量で扱いやすいのが特徴。内釜の保証期間を6年としています。圧力をかけた炊き方ながら、もっちりというよりはふっくらと噛み応えのある炊き上がりで「東らしさ」があります。

 ファミリー向けの5.5合炊きですが、「おいしい少量炊き」ボタン(0.5合から2合まで対応)も。玄米・発芽玄米・雑穀米・麦ごはんモードのほか、ケーキや雑炊、温泉卵などのバラエティー調理コースがあるのも“全部入り”を愛する日立らしさにあふれています。

もっちりやわらかめがお好きなら西のメーカーで

好みの食感を選べる“わが家炊き”機能も
メーカー名象印マホービン
製品名圧力IH炊飯ジャー 極め炊き「NW-JA10」
価格(編集部調べ)33,960円

 1.0~1.5気圧まで、圧力の強さと圧力をかける時間を調整して、7通りの食感に炊き分けられる「炊き分け圧力」機能を搭載。すしめし、カレー、白米、焼きおにぎり、玄米など、料理やお米の種類に合わせた炊き分けや健康メニューが充実しています。内ぶたと内釜内面のプラチナコートの効果で、プラチナの触媒作用が水を弱アルカリ化し、お米の表面のたんぱく質を分解することで、お米の中まで水を浸透させて甘みをアップさせているのも象印の炊飯器ならでは。

 炊飯後にアンケートに答えていくことで好みの食感に近づけていく「49通りのわが家炊きメニュー」もあり、フラグシップモデル「南部鉄器極め羽釜」のコンセプトをきちんと踏襲した1台です。ベースとなるおいしさが東のメーカーに比べて、やややわらかめの印象なので、好みに応じて食感を調整できるのはうれしい機能だといえます。蒸気口のセットがなく、内ふた2点と内釜だけと洗い物が少なくて済むのも魅力です。

土鍋対流&可変W圧力でもっちり・しっかり
メーカー名タイガー魔法瓶
製品名圧力IH炊飯ジャー 炊きたて「JPC-B101」
価格(編集部調べ)37,216円

 タイガー魔法瓶と言えば土鍋。このモデルでも釜の内側には遠赤土鍋コーティング、外側には熱風土鍋コーティングを施した5層遠赤特厚釜を採用して、土鍋のような細やかな泡立ちや蓄熱性を再現しています。炊きあげ時に1.25気圧の圧力をかけてねばりともちもちした弾力を引き出し、炊きあげ直後に1.05気圧まで減圧して高温炊きあげにより、ごはん粒を炊きしめる「可変W圧力炊き」で、もっちりしているのに、べたつかない仕上がりに。

 360度どこから見ても美しい本体デザインで、操作ボタンや液晶ディスプレイの配置もわかりやすい。押し麦、もち麦の2種類の麦ごはんメニューを搭載し、1割用・3割用の麦ごはん用計量カップも付属するなど、4万円を切る価格ながら、タイガーらしい魅力のある1台です。

【お詫びと訂正】
記事初出時、製品名に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

可変圧力おどり炊きを採用してもちもち銀シャリに

パナソニック「可変圧力おどり炊きSR-PA107」

メーカー名パナソニック
製品名可変圧力おどり炊き「SR-PA107」
価格(編集部調べ)36,800円

 これまで最上位モデルにのみ搭載していた「可変圧力機構」を中級モデルにも採用。スチーム機能は搭載しておらず、加圧と減圧を繰り返す「可変圧力おどり炊き」によって、お米をおどらせて芯まで加熱することで、もちもち銀シャリに炊き上げます。加圧・減圧を細かく制御することで、より甘みのあるごはんに。「銀シャリ」「かため」「やわらか」「もちもち」の4種類の炊き分けのほか、おこげコースもあります。

 内釜は軽くて扱いやすいダイヤモンド竈釜で3年保証。側面や底面だけではなく、ふたにもIHを搭載して、全面から大火力で釜を包み込むように加熱します。

神原サリー

新聞社勤務、フリーランスライターを経て、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立。現在は家電+ライフスタイルプロデューサーとして、家電分野のほか、住まいや暮らしなどライフスタイル全般の執筆やコンサルティングの仕事をしている。モノから入り、コトへとつなげる提案が得意。企画・開発担当者や技術担当者への取材も積極的に行い、メーカーの現場の声を聞くことを大切にしている。 テレビ・ラジオ、イベント出演も多数。