10分こそうじ

「片付けても元通り」にならないために 整理収納アドバイザーが考えるこれから

年に一度の大掃除より、日々の“小”掃除。整理収納アドバイザーとお掃除スペシャリストの資格を持つ筆者が、1日の終わりに10分でできる掃除や片付けのポイントをお伝えします
子育て世代と10年以上向き合ってきた整理収納アドバイザーが、これからを見据えて思うこと

年代によって、片付けの悩みやニーズはそれぞれ違います。私がこれまで多く関わってきたのは、30〜50代の子育て中のファミリーでした。仕事、家事、育児に追われる毎日。「片付けたい気持ちはあるけれど、どこから手をつけたらいいか分からない」そんな声をよく聞いてきました。

これまで子育て世代が求めていた片付け

以前多かったのは、「とにかく散らからない家にしたい」「片付けやすい仕組みを作ってほしい」、自分で考える余裕がないから、正解を教えてほしいというニーズでした。

自分で考えるより、プロに任せて整えてほしい、一度きちんと作ってもらえれば、あとはラクになるはず、そう思うのは、無理もありません。子育て世代にとって、片付けは外注して解決したいことだったように感じます。

短時間で結果が出て、暮らしがラクになる。それは今でも大切な価値だと思っています。けれど、現場を訪れる中で課題となったことは「一度整えれば終わりではない」ということでした。

子供は成長し、モノは増え、去年までうまくいっていた収納が、今はもう合わない。子育て世代の家庭で「片付いたのにまた元に戻ってしまう」理由は、そこにありました

今、子育て世代が求めているもの

子育て世代の暮らしは、常に変化しています。子供の成長、家族構成の変化、そして親自身の社会的立場や役割の変化もあります。共働きが当たり前の世代では、家事の分担も大きく変化。テレワークが進み、ご主人がキッチンに立つ割合が増えたご家庭も随分増えました。

最近のお客様からよく聞くのは、「我が家ではどう考えたらいいか知りたい」「無理なく続けられる方法を教えてほしい」そんな声です。

全部をプロに任せるのではなく、一緒に「我が家に合った整理方法と収納」を考えてくれる存在。整理収納アドバイザーには、そんな伴走者としての関わり方が、求められていると感じています。

片付けはプロに「任せる」時代から「一緒に考える」時代へ

片付けはイベントではなく、日常の中にある

年末に大掃除をして一時的にスッキリしても、ひと月程経てば元に戻ってしまった経験はありませんか? 散らかる理由がわかっていなかったり、維持していく気持ちがなければ、すぐにリバウンドしてしまいます。だからこそ、片付けは「特別なイベント」ではなく、暮らしの中で何度も見直していくものだと考えます。

「じゃあ、何から始めたらいいの? 時間もないし……」そんな方に向けてアドバイス。

大きなことはやらなくても大丈夫です。まずは、家の中の「渋滞する場所」を見つけてみてください。「あーもう!」と思う場所、つまり、人やモノの動きが重なって、スムーズにいかない場所のことです。

玄関:出入りの度に足元のごちゃつきが気になる
リビングの一角:学校のプリント、バッグ、日用品が集まりがちで、生活感が溢れている
洗面所:朝の身支度が重なり場所の取り合いになる
テーブル:郵便物、サプリ、文房具、子供のおやつなど、一時置きされて、どんどんスペースが狭くなる

使うモノは、まとめて使いたい場所に置く

例で挙げたような場所にあるモノを触ってみてください。引き出し1段、棚1段だけで十分です。まずはそこにあるモノについて「これ、どの程度使ってる?」それだけ考えてみてください。無理に捨てなくても大丈夫。

そして、よく使うモノはそれを使いたい場所へ。たまに使うモノは少し奥へ。捨てるか迷うモノは一時的に「迷い箱」に移動するなど。それだけでも、使いやすさは変わります。

よく使うモノを使いたい場所に置き、使用頻度が少ないモノは奥へ

うまくそこに収めようとカゴや仕切りを設置することは二の次、まずは頻度別に分けることです。間違ったらまたやり直せばいい。そう思えたら、片付けは継続できそうだと思いませんか?

さらに、片付けは未来への下準備となります。親世代にとってはこれからの暮らしを見据え、変化を受け入れるスペース作り。子供にとってはモノとの付き合い方や、自分で考えて選ぶ力を身につける場です。

片付けは、今をラクにしながら、これからの暮らしを更新するタイミングと捉えてぜひ、楽しんでくださいね。

丸 マイ

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。