10分こそうじ
「片付けても元通り」にならないために 整理収納アドバイザーが考えるこれから
2026年2月17日 08:05
年代によって、片付けの悩みやニーズはそれぞれ違います。私がこれまで多く関わってきたのは、30〜50代の子育て中のファミリーでした。仕事、家事、育児に追われる毎日。「片付けたい気持ちはあるけれど、どこから手をつけたらいいか分からない」そんな声をよく聞いてきました。
これまで子育て世代が求めていた片付け
以前多かったのは、「とにかく散らからない家にしたい」「片付けやすい仕組みを作ってほしい」、自分で考える余裕がないから、正解を教えてほしいというニーズでした。
自分で考えるより、プロに任せて整えてほしい、一度きちんと作ってもらえれば、あとはラクになるはず、そう思うのは、無理もありません。子育て世代にとって、片付けは外注して解決したいことだったように感じます。
短時間で結果が出て、暮らしがラクになる。それは今でも大切な価値だと思っています。けれど、現場を訪れる中で課題となったことは「一度整えれば終わりではない」ということでした。
子供は成長し、モノは増え、去年までうまくいっていた収納が、今はもう合わない。子育て世代の家庭で「片付いたのにまた元に戻ってしまう」理由は、そこにありました
今、子育て世代が求めているもの
子育て世代の暮らしは、常に変化しています。子供の成長、家族構成の変化、そして親自身の社会的立場や役割の変化もあります。共働きが当たり前の世代では、家事の分担も大きく変化。テレワークが進み、ご主人がキッチンに立つ割合が増えたご家庭も随分増えました。
最近のお客様からよく聞くのは、「我が家ではどう考えたらいいか知りたい」「無理なく続けられる方法を教えてほしい」そんな声です。
全部をプロに任せるのではなく、一緒に「我が家に合った整理方法と収納」を考えてくれる存在。整理収納アドバイザーには、そんな伴走者としての関わり方が、求められていると感じています。
片付けはイベントではなく、日常の中にある
年末に大掃除をして一時的にスッキリしても、ひと月程経てば元に戻ってしまった経験はありませんか? 散らかる理由がわかっていなかったり、維持していく気持ちがなければ、すぐにリバウンドしてしまいます。だからこそ、片付けは「特別なイベント」ではなく、暮らしの中で何度も見直していくものだと考えます。
「じゃあ、何から始めたらいいの? 時間もないし……」そんな方に向けてアドバイス。
大きなことはやらなくても大丈夫です。まずは、家の中の「渋滞する場所」を見つけてみてください。「あーもう!」と思う場所、つまり、人やモノの動きが重なって、スムーズにいかない場所のことです。
玄関:出入りの度に足元のごちゃつきが気になる
リビングの一角:学校のプリント、バッグ、日用品が集まりがちで、生活感が溢れている
洗面所:朝の身支度が重なり場所の取り合いになる
テーブル:郵便物、サプリ、文房具、子供のおやつなど、一時置きされて、どんどんスペースが狭くなる
使うモノは、まとめて使いたい場所に置く
例で挙げたような場所にあるモノを触ってみてください。引き出し1段、棚1段だけで十分です。まずはそこにあるモノについて「これ、どの程度使ってる?」それだけ考えてみてください。無理に捨てなくても大丈夫。
そして、よく使うモノはそれを使いたい場所へ。たまに使うモノは少し奥へ。捨てるか迷うモノは一時的に「迷い箱」に移動するなど。それだけでも、使いやすさは変わります。
うまくそこに収めようとカゴや仕切りを設置することは二の次、まずは頻度別に分けることです。間違ったらまたやり直せばいい。そう思えたら、片付けは継続できそうだと思いませんか?
さらに、片付けは未来への下準備となります。親世代にとってはこれからの暮らしを見据え、変化を受け入れるスペース作り。子供にとってはモノとの付き合い方や、自分で考えて選ぶ力を身につける場です。
片付けは、今をラクにしながら、これからの暮らしを更新するタイミングと捉えてぜひ、楽しんでくださいね。




