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3千円台のスマートホームコントローラー iPhoneから簡単操作Matter対応

Aqara M100ハブ

Aqara(アカラ)は、スマートホームの共通規格Matter(マター)に対応したコントローラー「M100 ハブ」を、4月24日より発売する。価格は3,180円。

MatterはスマートホームやIoT製品の接続規格で、AppleやGoogle、Amazonなども参画している。例えばiPhoneの「ホーム」アプリだけで複数メーカーの家電を操作できるなど、よく使うアプリだけで複数メーカー製品の操作がしやすいのがメリット。

Matterの最新規格1.4

Aqaraの新製品「M100 ハブ」は、Matter対応コントローラーに、Threadボーダールーター機能を備えた製品。安定性が高くBluetoothよりも低遅延を特徴とするThreadネットワークに対応し、他社のMatter対応製品との連携を強化するなど高い互換性を持つ一方、従来のスマートリモコンのような赤外線リモコン機能や、Ethernetなどは搭載せず大幅に低価格化した。USB Type-A端子へ直挿ししてバスパワーで動作する。

Thread対応

Matterコントローラーとしては、Aqara製のセキュリティカメラやドア開閉センサーといった製品だけでなく、他社製のMatter対応機器をまとめてAqaraHomeで管理可能。メーカーの垣根を超えたスマートホームを運用できるという。

従来のAqaraハブ製品にも、Matter非対応のAqara製品をMatterに対応させるブリッジ機能を持っていたが、一部機能の利用にとどまっていた。M100ハブは、従来利用できなかったような、例えば人のジェスチャー操作で別室のHue対応電球を点灯させるなど、Aqaraの独自機能を、iPhoneのホームアプリのようなAqara以外のアプリでも活用できるようになる。

M100が接続可能な機器の数は、AqaraのZigbee接続デバイス20台を含め、合計40台。この数は、同社の上位モデルであるM2ハブやM3ハブよりは少ないほか、ハブ同士の接続にもM100が対応しないなど一部機能に違いがある分、価格を抑えている。

M100はThreadボーダールーターの機能も備え、メッシュネットワークを構成できる。ハブと製品の接続が切れても他の機器経由で接続が維持され、通信エラーを起こしにくく、安定した状態で各製品を使えるという。

例えば家電とスマホの接続にBluetoothを使っていた場合、複数の部屋をまたぐと通信が届きにくくなるが、そうした不満を持っていた人も、AqaraのようなThread対応製品を使うことで問題を解消できるとしている。

本体サイズは108×30×8mm(縦×横×厚さ)、重量は40g。

Wi-Fiは2.4GHz接続。Wi-Fi 6にも対応し、WPA3セキュリティをサポート。高いトラフィック下でも速度や信頼性を損なわず、複数の機器をスムーズに接続できるという。

M100では、Wi-Fiに接続しなくてもローカルで自動化設定が可能。自動化とは、例えば人感センサーが人を感知すると照明やエアコンをオンにするなどの設定。自動化データはハブ本体内に保存され、インターネット接続環境がなくても、通知など一部機能を除いて自動化が利用できる。

USBバスパワーで動作。コネクター部は回転式

Matter対応「フルコミット」で日本のスマートホーム普及へ

Aqaraは2024年のM3ハブ(8,980円)という製品から、初めてMatterコントローラーとして利用可能になり、Matter対応コントローラーとブリッジを内蔵したカメラなども展開している。

Matterは技術的にはWi-Fi、Bluetooth、Zigbee、Threadなど多くの通信形式をサポートするものの、対応製品の少なさや価格の高さがネックで普及が遅れているとAqaraは見ている。同社は「オープンなエコシステム」をコンセプトに、Aqara Matterコントローラーの対応デバイスタイプを、4月9日より順次14種類から50種類以上へ拡大。他社MatterデバイスをAqaraへ統合できることで、これからスマートホームを構築したい人のMatter導入のハードルを下げていくという。

Aqaraは早期からMatter対応を始めていた
Matter対応をさらに加速する「フルコミット」を宣言したAqara ブランドマネージャーのミアさん

Matterを含むスマートホームの標準規格策定を進めるConnectivity Standards Alliance(CSA)日本支部の新貝文将 代表は、Aqaraが日本向けに多くのMatter対応製品を投入していくことを歓迎し、「日本でも使いやすく、安心して楽しめるスマートホーム環境が整っていくことを大いに期待しています」とコメントしている。

CSA日本支部の新貝文将 代表
スマートホームを推進するCSAのプロモーター31社。AmazonやApple、Googleなどのほか、IKEAなども