e-bike日々徒然

カービングナイフで廃棄予定のヘルメット帽体を削ってみた

たま~に唐突に「木材をナイフで削って何か作りたい!!!」てな衝動に駆られる筆者です。なんか適当な木材を削ってカタチを作りたくなるわけですが、ホントにやりたいコトは「ナイフで木を削りたい」という部分。よく研いだナイフで木材をシャッシャッと削り、その行為にハマり没入し我を忘れたい、みたいな。

極端なことを言えば、鉛筆をナイフで削るだけでもいいんです。が、鉛筆だと没入する前に削り切っちゃう。もうちょっと手応えのある対象じゃないと……。というわけで、「木材 削る 作る」をキーワードに検索していたら、↓こんな検索結果が。

あ~、スプーン作りかぁ~。イイね!!! 木材からスプーンを削り出す。かなり削り応えがありそう。ナイフで削るという行為をたっぷり堪能できそう~♪

ところで、スプーンなどの食器作りの画像が結構ヒットしまくりだけど、流行ってるのかな? そう思って今度は「木材 カトラリー 自作」で検索したら↓こんな検索結果が。

なるほど、けっこう流行っているもよう。もしかしたら「おうち時間」が長くなったから、小さな木工品を作る趣味人が増えているのかも?

そしてさらに検索していったら、木を削ってマグカップを自作する人が結構いるらしい。木製マグカップ自作とは楽しげな!!! 「木材 カップ 自作」の検索結果が↓こちら。

非常に多くヒットした木製マグカップが「ククサ」と呼ばれるものでした。ククサ(KUKSA)とは、フィンランドやスウェーデンの北部地域に古くから伝わる「白樺のコブをくり抜いて作られたマグカップ」のことだそう。プレゼントされると幸せになるんだとか。↓が「ククサ」の検索結果です。

これだ!!! これをやってゆきたい!!! たくさん削るのダ!!! そして成果物もイイ感じ♪

ただし、ククサを自作するにはカービングナイフと呼ばれる、カップのくぼみを削っていく特殊なナイフが必要っぽい。特殊なナイフ……うひひ。じゃあまずはそのナイフを買わなくては!!! はい、何事もカタチから入る筆者ですっ♪

アレコレ調べ、結局買ったカービングナイフが↓こちら。モーラナイフのウッドカービングナイフです。木工用のナイフって感じでイイ雰囲気。

手前が「モーラナイフ フックナイフ 162 ダブルエッジ」で、奥が「モーラナイフ フックナイフ 163 ダブルエッジ」。モーラナイフ・ジャパン直販価格は、どちらも4,290円です

って、この記事ってe-bikeコラムじゃないの? なんだよナイフって? e-bikeの話ひとつも出てこないじゃん! とお思いのアナタ、ここからが本題です。

ククサとかいうのを作ろう!!! と思って買ったこれらのカービングナイフ。見ていたら「あっコレはアノコトをするのに便利なハズ!!!」と直感しました。

アノコトというのは、ヘルメットの帽体削りです。以下、全部完全に自己責任の世界であり、できれば絶対にマネしないでください。

自転車用ヘルメットって、そうそうピッタリと頭にフィットしなかったりしますよね。通販で買ってみたら「頭部の一部がヘルメット内側に当たって痛い」とか「頭部左右が狭くて頭が入らない」とかってこともアリガチ。なので、自転車用ヘルメット購入時は試着が必須です。

とは書いたものの……「いや必須とか言われても近くに試着できるお店ないし」ってことが多い。試着できるお店があっても「欲しかったヘルメットが頭に合わなかった」ということもあります。

そんな場合、まず試したいのが、ヘルメット内側のスポンジ的素材の交換です。厚みの違うものに交換すればフィットするかもしれません。一回り大きいヘルメットにして、インナーキャップ(スカルキャップ)などで頭部とヘルメットの隙間を調節するという手もあります。

でも、「そもそも一番大きいサイズのヘルメットでもキツい」という場合は? 「どのサイズのヘルメットにしてもコメカミがヘルメットに圧迫されて痛い」という場合は?

……そのような場合、やらないほうがいいし、やるとメーカー保証が受けられない以上に、非常にリスキーでありかつ命にも関わる「禁断の秘技」があります。ヘルメットの帽体(頭部を覆って衝撃から守る層)を頭に合わせて変形させることです。

例えばスプーンのような丸みがあって硬いモノで、ヘルメット内側の「頭に当たって痛い箇所」や「頭に対して狭い部分」を変形させる。その硬いモノをグイグイと押し当ててヘルメット側の出っ張りを凹ませる。そうして頭にフィットさせる。

あるいはヤスリやナイフで削っちゃう。やはり同じくヘルメット内側を変形させることで、頭にフィットさせるというわけです。

ただし、そーゆーコトをすると、ヘルメットの安全性が確実に損なわれます。帽体を削れば、当然、衝撃吸収性が下がる。たくさん削ればもっと下がる。帽体を圧縮するように変形させても、やはり衝撃吸収性が下がるでしょう。つまり、ヘルメット越しに頭を打った時の危険性がグッと高まってしまう。非常にリスキーですので、こういう禁断の秘技には手を出してはいけません。

とは書いたものの「どうしてもこのヘルメットが自分の頭にフィットするようにしたい、帽体をちょっと削りたい」ということがあるかもしれません。いや筆者はありました。

なので、まずはカッターナイフを使って帽体を削りました。でもカッターナイフは全然オススメしません。切れ味は良いのですが、不意に「パッキーン」とか折れて刃先が飛んで危険だからです。帽体って薄いカッターナイフで削るには、けっこう硬いのです。

でも、もうちょっとだけ削りたい。安全に削りたい。そこで筆者が使ったのが、「フルーツ&ベジタブルカービング」に使うカービングナイフです。↓こんなの。

フルーツや野菜を美しく彫刻するために多用されるカービングナイフです。切れ味が良く、刃先は短め。刃はどちらも手前側にあり、対象をすくい取るようにして切ることができます。短いナイフが多く、ヘルメット帽体内でもわりと扱いやすい

こんなカービングナイフを使い、「こめかみに当たるこの出っ張りを削りたい」などと、ヘルメット帽体内側を削りました。もちろん自己責任で。でも、ちょっと削っただけで「そうそう、このフィット感がちょうど♪」ってなるんですから、禁断の秘技に手を出しがちな筆者なのでした。

ただしこのカービングナイフだと、帽体のエッジはサクッと削れても、帽体の奥のほうは削りにくい。例えば頭頂部付近の帽体の出っ張りを削ろうとしても、けっこう無理があったり、不可能だったり。

そこでコレ↓ですよ!!! これなら帽体内側の奥まった頭頂部もサクッサクッと削り取れるハズ!!!

で、廃棄予定の古いヘルメットで試してみたところ……すご~い!!! 帽体エッジ以外でも、どこでも削れる~♪ 力も入れやすいし、切れ味も十分。って、木をくり抜いてマグカップを作るような道具だし、まあ当然ではあります。

というわけで、「どうしてもどうしてもどうしても、誰に止められようとリスクが大きくなろうと落車時の死亡可能性が高まろうと、完全自己責任でヘルメット帽体の内側をちょっと削りたい~」という方は、このカービングナイフを吟味してみるといいかもしれません。カッターナイフやフルーツ用のカービングナイフよりずっと安全&効率よく使えると思います。

でも、「ヘルメットの多少のアンフィット感はどうでもいい。命こそが超絶大切だッ」と言う方は、絶対にヘルメット帽体を削ったりしないでください。絶対に絶対に絶対に絶対に絶~っ対に、です。

スタパ齋藤