あってよかった

5年保存おにぎりなど、もしもに備えて試しやすい防災グッズ3選

くらしを快適にしてくれるアイテム探しに余念がない住生活ジャーナリスト・ライターの藤原千秋が、注目のショップで買って使ってよかったお気に入りを紹介するコーナーです (店頭では予告なく販売終了となることもあります)
5年保存できる備蓄用おにぎり

何もなければ、使わなくて済む防災グッズ。

いや、まあ、「防災対策」までは「やるべき」ではある。でも対策でひと揃えたグッズを実際に使うことは、活用することは、ないなら、ない方がいい。
ないに越したことはない。やらずに済むなら、そうできるなら。

3年前に非常用トイレを「試用」して困惑したあの日から、あっという間に時間が経った。幸い筆者自身には活用の機会は訪れていないが、この3年の間にも能登半島地震のような災害は起きている。

手近な100円ショップやドラッグストアなどで防災グッズを検分しているとき、よく目にするメーカー名に「小久保工業所」がある。

ただ防災グッズ専門というわけではなく、家庭日用品・生活雑貨をものすごく幅広く取り扱うメーカーなので、普通に100円ショップやドラッグストアを使っているなら、おそらく一つもここの製品を使ったことがないという人はあまりいないんじゃないかと思われる。

かくいう筆者も意識せず集めたグッズの中に小久保工業所のものがだいぶ混じっていて改めて「アレ?」と気づいた次第。

今回は、小久保工業所の「試用しやすい」3商品をご紹介したい。

常温で5年保存できる備蓄用おにぎり

備蓄用おにぎり 塩むすび

「備蓄用おにぎり」はMADE IN JAPAN、国産米使用のそのまま食べられるおむすびである。非常時において、お湯や水や加熱を要さない。かつ5年間の長期にわたり常温保存可能とある。バラ売りもしている。

家庭日用品・生活雑貨メーカーの作りしおむすび、という時点でやや不安を覚えつつも、防災グッズとしてこのスペックはかなり絶妙ではないだろうか。筆者は唸った。とにかくは試用というか実食である。

塩むすびは筆者が食し、しょうゆむすびの方は食物アレルギーの関係で大学生の娘に食べてもらって感想を聞く。

まず筆者の率直な感想を言えば、見た目からも想像できると思うが、塩むすびはおむすびというより、餅に近い。ただ餅米ではなく、うるち米の味がする。

原材料はシンプルに「国産米、食塩、米油、酵素」とあり、まさにその素材の味がするといっていいだろう。化学的な危険を感じる味ではない。

しょうゆむすび
常温で保存できる

筆者は初めて開けたのでウッカリ袋から取り出してしまったが、実際には外袋に入れたまま、内袋の中のおにぎりを絞り出して食べるようにすれば手を汚すこともないし、汚れた手のままでも食べられるように設計してある。衛生的なのである。

ただ大学生の娘は、しょうゆむすびを食べ「風味はとても良いが、なぜか悲しくなる」と言った。秋の常温の冷たさに引きずられるところがあると筆者も思った。何らかの方法で熱を加え、「温かみ」を感じられるだけでも旨味は変わってくるだろう。

体を温めるブランケット

緊急簡易ブランケット

そう。長い夏が終わったかと思ったらいきなり冬(と感じるような気候)が来たおかげで、日々冷えにやられている。

これも当媒体の別連載で引用したことのある漫画「じゃりん子チエ」のおばあはんの名言、

「人間に一番悪いのは 腹が減るのと寒いゆうことですわ」
「ひもじい 寒い もお死にたい 不幸はこの順番で来ますのや」

というのがあるのだが、このセリフを噛み締めながら生活しているところだ。

「冷え」感はメシを不味く感じさせるし容易にメンタルを悪化させる。体調も然り。

暑すぎても熱中症の恐れがあり危険だが寒くても人体には悪い。これからの季節、なんとかして適切な体温を保たなければならない。

「アルミ蒸着PETフィルム」でできたこの「緊急簡易ブランケット」はそんな寒さにさらされる非常時に初めて広げる類のグッズだ。そして「そのとき」確実に暖かくないと詰む。効果を確認できるなら、前もってしておいたほうが良い。

「アルミ蒸着PETフィルム」を使用している

筆者は底冷えを感じる日の仕事場で試用した。わしゃわしゃとブランケットという名のピカピカパリパリシートを広げ、まずは膝掛けのように使い、その後肩から身体を覆ったが、なるほど自分の体温が反射されて温もるのが自覚された。

そう、あくまで熱源は自分自身なのである。保温効果とは「そういう仕組みか!」と体感、理解できたのは良かった。ただ防風、防水の効果は理解する機会をなるべく持ちたくないものだなとしみじみ。さして嵩張らないので冬の間はこれをバッグの片隅にでも放り込んでおくだけでも安心感があるなと思った。

100円ショップで買える緊急簡易トイレ

緊急簡易トイレ

安心感という点でいえばやはり排泄の出口を何らかの方法で確保しておきたい。野ざらし可能な環境ではない限り、排泄物は衛生的社会的に処理しなければならないからだ。

とはいえいきなりトイレ数十回分のセットを備蓄するのはハードルが高いと感じる向きにも、この1回分ずつのパッケージは手に取りやすいし準備もしやすいだろう。

1回分が買える

この小久保工業所の「緊急簡易トイレ」は手近な100円ショップ(会社は違えど)複数で取り扱われており、入手のハードル自体も極めて低い。まあ試用の心理的ハードルは自体は高いのだが……練習するにしても、ここからだ。

ハードル、ハードルかしましいが、本当に切羽詰まっていない状態ではこのたかが排泄があまりにも難しい。

防災グッズ。試用、体感をしてみて初めて分かることがある。でも実際の経験はできるだけしないに越したことはない。

二律背反、悩ましい商品群だが、ぜひ、一度この「ハードル」を超えてみてほしい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして20年以上活動。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、10~20代の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。