藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
真夏に氷が生きた冷えひえのお茶を、凍える真冬に熱々のコーヒーをすすれる幸せを連れてきてくれる「タイガー サハラマグ」
2019年2月28日 06:00
街中に数多ある「自動販売機」で、いまだかつて見たことのない飲み物がある。それは、温かい「白湯」だ。
ミネラルウォーターが売られだした頃、当時の大人たちは口々に言ったはずだ。
「水を買うバカがどこにいる?」
しかし、案外いっぱいいた。
2018年に発表された、最新の「ミネラルウォーター」の市場規模は、なんと2,990億円にのぼる(2016年度、※1)。飲料市場全体のなかでもその割合は6%に届かんとしており、いま、ただの「水」への需要が底の固いものであることに疑いの余地はない。
しかし、「白湯」がない……。え、ほんとうに無いの、と思い、検索をかけてみた。
しかしなにかどこかの病院で薬の服用のためのお湯があるとか、ないとか、やっと「常温水」が自動販売機に入ったとかというトピックは目にするのだが、やはり「白湯の自動販売機発見!」のような報告は見当たらないのである。
ともあれそういうわけで、私が冬場、常に持ち歩いているのがこの貴重な「白湯」入りの水筒なのである。というのが今記事の長いマクラだ。
なぜ「お茶」「コーヒー」ではなく、「白湯」なのかと思われるかもしれない。理由はいろいろあるのだが、一番の理由は「飲みたくても出先で絶対に買えないから」に尽きる。
しかし、なにせシンプルなただのお湯、「白湯」なので、水筒そのもののスペックが悪いと容易に不味くなる。臭いが気になって仕方がなくなるのだ。
どうも金臭いとか、水垢の臭いがするとか、ちょっとでも感じてしまうと飲めなくなってしまう。デリケートな私なのである。
そのため、ボトルのいわゆるデザインやら色やらという見かけの問題よりも、個人的には内部機構の安全性、本体は当然としてパッキンなど細部にわたる洗いやすさを重要視していた。
まあそんなこんなで過去十数年にわたり、私は「マグボトルジプシー」と化していたのだが、数年前この「サハラマグ」に出会い、ようやくさすらいから脱したのである。
メーカー名 | タイガー魔法瓶 |
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製品名 | ステンレスミニボトル MMZ-A1 |
実売価格 | 1,754円 |
デザイン、カラーはシンプル。私は輪にかけてシンプルさを表出する「アイスホワイト」色を愛用している。
容量もちょうどいい。350mlはお茶・コーヒー用、500mlは白湯専用としている。キャップはそっけないほどあっさりした造りで、ゴムパッキンが1カ所だけある。これがまあ容易に外して洗えて良い。
内部も、よく言えば口が広く、悪く言えば「つっとおし」なので、水洗いだけでも綺麗になるし、茶渋が気になれば3Mの、あの「すごいボトル洗い」をつっこんでさらっと洗えて、ひっくり返しておくだけですぐ乾く。
全方位的にストレスなく使えるのである。そのうえ保温性、保冷性に優れ、ひっくり返そうが振ろうが漏れもない。これも超・大事!
そして、とにかく「軽い」。信じられないほど本体が軽いのだ。手に持ってみてほしい。
果たして、世の中には少なからず「マイボトル」を持ち歩くこと、イコール節約志向だとか、意識高い系だとか、手入れが大変だとか思って手に取れていない方もいるのだと思う。でももし、そうだとしたら大変もったいない話だと思うのだ。
真夏、常に氷が生きている冷えひえのお茶を飲める幸せ。真冬、駅ホームで凍えつつ熱々のコーヒーや白湯をすすれる幸せ。特に冬のそれは精神に来る。
いにしえの名作マンガ、『じゃりん子チエ』の、おばあはんもこう言っている(※2)。
「人間に一番悪いのは 腹が減るのと寒いゆうことですわ」
「ひもじい 寒い もお死にたい 不幸はこの順番で来ますのや」
この言葉とこの商品、ぜひ、腹に留めておいてほしいと思う。
※1 矢野経済研究所調べ
※2 「じゃりん子チエ」5巻