年末特別企画

2012年 私が選ぶ今年の1台――スタッフ編

 家電Watchで、毎日更新している家電製品のレビューコーナー。今回は日々、数多くの製品レビューを執筆するスタッフ陣が「今年1番」といえるお勧めの家電製品を選択した。

 年末年始の買い物の際に、ご参考になれば幸いだ。

賃貸住宅でも便利で快適な食洗機ライフを! パナソニック「プチ食洗 NP-TCR1-CK」by 正藤 慶一

パナソニック「プチ食洗 NP-TCR1-CK」

 今年の1台は、“とにかくラク”の一言に尽きるこの1品、パナソニックの食器洗い乾燥機「プチ食洗 NP-TCR1-CK」を挙げたい。

メーカーパナソニック
製品名プチ食洗 NP-TCR1-CK
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシ.com
購入価格(レビュー当時)59,700円

 この商品は、470×300mm(幅×奥行き)という水切りカゴと同じ面積で設置できるという、コンパクト性が特徴。我が家の幅が500mm程度しかないキッチンにも、ちゃんと設置できた。上位機種のファミリー向けモデル「NP-TR5」は、面積が550×343mm(同)なので、おそらく設置はできていなかっただろう。

 設置に来た業者の人も、「このキッチンの幅じゃ入りませんよ」と勘違いしていた。ちゃんと設置できたところを見て「こんな商品もあるんですねー」と驚いていた。

 設置後に驚いたのが、その洗浄力の高さ。こびりついたコーヒーの汚れや油汚れも、簡単に取り去ってしまう。予洗いや二度洗いの必要はまったくなかった。操作も庫内に皿を入れてスイッチを押すだけと、とにかく簡単だ。

 心配していた電気代、水道代も、大きな変化はなかった。そもそも独身で働いている身、使うのはせいぜい1日1回程度なので、急に支払額が伸びるわけもない。たとえランニングコストが増えたとしても、億劫な食器洗いの手間がなくなったこと、シンクに掘っておき放しの食器が消えたメリットの方が大きい。何より、「冷たい水に我慢をしながら皿を洗う」という苦痛が消えたことがうれしい。

 あまり良いことばかりを言うのもウソっぽいので、気になったことも指摘しておこう。本製品はコンパクト性を重視しているため、庫内はそれほど大きくない。フライパンと鍋と食器を同時に洗う場合は、パズルのように入れ方を工夫しないと難しい。また、運転モードは基本的に1つだけで、上位モデルに搭載されているような「80℃すすぎモード」や「庫内洗浄モード」もない。置き場所に余裕があるのであれば、前述の「NP-TR5」のような高級ファミリーモデルを選ぶのがベターだろう。

 とはいえ、我が家のような設置場所がない家でも、食器洗い乾燥機の恩恵が得られたのは、この「プチ食洗」のおかげ。“ウチは賃貸だから”とハナから諦めている方、このプチ食洗という選択肢があることを、ぜひ頭の片隅にでも入れておいていただきたい。

・長期レビュー パナソニック「プチ食洗 NP-TCR1」
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/longreview/20120402/20120404_523555.html
・パナソニック
http://panasonic.co.jp/
・製品情報
http://panasonic.jp/dish/petit/

パソコンで電気代を“見える化”する、イマドキのエアコン~富士通ゼネラル「ノクリアS AS-S25B」 by 小林 樹

富士通ゼネラル「ノクリアS AS-S25B」

 今年のベスト家電として、富士通ゼネラルの「nocria(ノクリア)S AS-S25B」を挙げたい。ノクリアの最大の特徴は、パソコンで電気代を見える化する点。あらかじめパソコンに専用ソフト「おしえてノクリア」をインストールすれば、リモコンを経由してデータを転送し、電気代や運転時間の推移がパソコンの画面上でひと目でわかる。

メーカー富士通ゼネラル
製品名ノクリアS AS-S25B
希望小売価格オープンプライス
購入場所ビックカメラ.com
購入価格(レビュー当時)138,000円

 これまで、エアコンは電気代がかかるイメージだった。だがノクリアで電気代や運転時間をグラフ化してみると、冷暖房の温度設定を弱めに設定したり、消し忘れを防ぐといった小さな努力が、電気代の抑制にちゃんと繋がっていると実感できた。

 例えば我が家では寝室にノクリアを設置したが、運転時間は平日夜間がメインで、外出の多い休日はほとんど使っていない。そこで、平日の夜、就寝前の読書や映画鑑賞の時間を家族のいるリビングで過ごすことで、寝室の滞在時間を減らし、エアコンの運転時間を短くして節電するようになった。パソコンに表示したグラフを見ると、運転時間が短い日は如実に電気代が低く抑えられていた。

 使い勝手の面ではほかに、このリモコンは、2.4GHz帯の電波を採用した無線リモコンで、室内機に向けずに操作できる点も特徴だ。今の季節、2階の寝室に行く前に1階のリビングから暖房運転をONにしておけば、ちょうど良い温かさになった頃に布団に入れる。

 ほかに便利な機能として、本体に人感センサーを搭載し、人が不在だと運転を弱めたり、停止する「不在ECO」機能を搭載している。例えば、人が不在になってから10分後に省エネ運転を開始し、30分後に運転を休止、その後に人が戻ってくると自動で運転を再開するといった設定が可能だ。これなら切り忘れの心配もないし、再度エアコンの運転をONにする手間も省けて一石二鳥だった。

 電気代の無駄をあぶりだすのにもってこいのノクリア。やみくもに節電するよりも、自分の生活サイクルを見つめなおし、効率的に節電する方法を探れるエアコンだ。

・長期レビュー 富士通ゼネラル「nocria(ノクリア)S AS-S25B」

・家電製品ミニレビュー 富士通ゼネラル「nocria(ノクリア)S AS-S25B」 冬使用編
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20121221_579659.html
・富士通ゼネラル
http://www.fujitsu-general.com/jp/
・製品情報
http://www.fujitsu-general.com/jp/products/aircon/2012/nocria_s/lineup/ass25b.html

電球型蛍光灯は、決して過去の製品ではない~NEC「コスモボール・ミニ」 by 伊達浩二

NEC「コスモボール・ミニ」

 東日本大震災以来の節電要請が背中を押す形で、照明器具のLED化が進んでいる。昨年の電球に続いて、今年はシーリングライトのLED化が進んだ年だった。

 ちょうどマンションの管理組合役員になったこともあって、マンションの共有部分についてもLED化による節電を図ろうとしたのだが、廊下や階段は専用の蛍光灯を使う照明器具が使われていて、簡単に置き換えができない。

 とりあえず白熱電球が使われている1階ロビー部分に絞って、LED電球への置き換えを検討した。しかし、これが結構な難題だったのだ。

 まず、使用されている電球は小さいE17口金を使う、ミニクリプトン電球と呼ばれるタイプで、交換できる製品が限られてしまう。また、電球が上向きに配置されており、電球の側面と下方が明るくないと使用できない器具だった。電球の上方向というか、口金と反対側にしか光が行かない一般的なLED電球を使うことができない。

 困ったあげくに、LED電球ではなく、以前から販売されているNECライティングの電球型蛍光灯「コスモボール・ミニ」を試してみた。電球型蛍光灯はなんとなく、過去の製品というイメージが強かったので、しぶしぶ検討したというのが本音だ。

 しかし、これがドンピシャで、必要条件に合致した。下方向は白熱電球ほど明るくないが、側面の明るさは十分だ。しかも、1個780円と安い。

メーカーNECライティング
製品名電球型蛍光灯 コスモボール・ミニ
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシカメラ
購入価格(レビュー当時)780円

 電球型蛍光灯の欠点は、点灯直後に暗いことと繰り返しの点滅に弱いことだが、夕方にタイマーで点灯したら、朝まで点灯しっぱなしの場所なので、今回は問題にならなかった。

 そもそもの目的である節電についても、白熱電球の54Wから7Wに削減できる。照明器具は11個あるので、月に約4千円の電気代が節約できる。年間では4万8千円にもなる。電球の代金などあっという間に取り返せてしまう。

 照明器具については、「節電=LED化」という発想にとらわれていたが、やっぱり適材適所であり、複数の要素を含めて考えなければならないのだということを実感した。

 公の場所なので導入にあたっては、いろいろと調整が必要だったが、無事に交換も終わり、今日もロビーを煌々と照らしている。電気代が安くなった分は、防災用品の備蓄に回すことになり、まずは管理人室に救急箱と工具が備えられる予定だ。

・家電製品ミニレビュー NEC「電球型蛍光灯 コスモボール・ミニ」
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20120202_508460.html
・NECライティング
http://www.nelt.co.jp/
・製品情報
http://www.nelt.co.jp/navi/la_cosmini/efd10/l.htm

一度使ったら手放せない! スマートフォン機能でレシピを活用できる~パナソニック「3つ星ビストロ NE-R3500」 by 阿部夏子

パナソニック「3つ星ビストロ NE-R3500」

 私の今年の1台は、パナソニックのオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-R3500」だ。短時間で食材を一気に焼き上げる「光ヒーターシステム」や、加熱時間10分の「10分でちゃんとごちそう100レシピ」などビストロならではの機能はいくつもあるのだが、今年モデルの目玉は、なんといってもスマートフォン連携機能。スマートフォンでビストロ専用レシピを確認できるほか、スマートフォンで本体のメニュー設定もできるというものだ。

メーカーパナソニック
製品名3つ星ビストロ NE-R3500
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシ.com
購入価格(レビュー当時)132,800円

 これまでたくさんのオーブンレンジを使ってきたが、いつも感じている不満があった。たくさんのレシピが用意されているのは嬉しいが、分厚いレシピブックをその都度、パラパラとめくって材料をチェック、作り方を見ながら調理するのはなんとめんどくさいことか。実際使ってみると、どこのメーカーのオーブンレンジのレシピもすごく良く作られていて、食材に最適な加熱方法や加熱時間がきっちり設定されている。そのため、可能な限りレシピ通りに作るのがベターなのだ。

 しかし、夕食のメニューを考えるのは帰りの電車の中、買い物するのは仕事帰りという生活をしていると、おいしくて、簡単にできるのは分かっているのに、付属のレシピを活用できるのは自宅でレシピブックを確認できる土日のみというのが現実だった。そんな不満を一挙に解決してくれたのが、ビストロのスマートフォン連携機能だ。出先でレシピを確認できるので、レシピと自宅にある材料、さらに買い物していかなければいけない材料を頭の中でつきあわせながら、帰宅できる。

 多くの共働き家庭において、夕食作りのために割ける時間は限られているもの。出先でレシピを確認できるということは、帰宅してからの段取りを頭の中で組み立てられることにもつながる。とにかく、一度使ったら便利で手放せない。今までこういった機能がなかったのが不思議に感じるほどだ。

 スマートフォン連携機能と聞くと、なんとなく難しそう、次世代の新しい機能というイメージがついて回るが、本来は、いつも持ち歩いているスマートフォンを使って、今ある家電製品をもっと便利に使うためのもの。パナソニックの3つ星ビストロは、それをうまく提案してくれた製品だと思う。

・長期レビュー パナソニック「3つ星ビストロ NE-R3500」
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/longreview/ne-r3500/20120918_559787.html
・パナソニック
http://panasonic.co.jp/
・製品情報
http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=NE-R3500

編集部