年末特別企画

2012年 私が選ぶ今年の1台――ライター編

~LEDペンダント、13万円の炊飯器、スマホ対応固定電話など多士済々

 その年に使用した製品で、“コレが一番!”と感じた家電を選ぶ「私が選ぶ、今年の一台」。昨日は編集スタッフ編を紹介したが、今回は数多くの製品レビューを執筆したライター陣に「一台」を選んでもらった。年末や新年にかけてお買い物をする際には、ぜひ参考にしていただきたい。

 [スタッフ編はこちら]

空中から柔らかく広がる新しい光 ~シャープ「LEDダイニングライト サークルタイプ」 by.藤原 大蔵

シャープ「LEDダイニングライト サークルタイプ」

 私の「今年の1台」は、シャープの「LEDダイニングライト サークルタイプ・6人掛けテーブル用(リーフパターンモデル) DL-PD04K」を選びたい。

 特に惹かれたのは、宙に浮かぶ“面発光”の照明器具という点だ。LED特有の強い輝きである点光源が、アクリル導光板を通すことで、板全体が光る面発光に変化し、眩しさや強い影が抑えられる。導光板全体からやさしい光が空間全体へ柔らかく拡散される、新感覚の照明器具だ。

メーカーシャープ
製品名LEDダイニングライト サークルタイプ
6人掛けテーブル用(リーフパターンモデル) DL-PD04K
希望小売価格オープンプライス
購入場所yodobashi.com
購入価格(レビュー当時)44,800円

 DL-PD04Kはダイニングテーブルを照らすのを目的とした「局部照明」の器具。明るさを示す器具光束は1,500lm(60W形白熱電球2個分弱)で、食事に十分な明るさが得られ、演色性もとても高い。また、リモコンを使って調光・調色ができるので、朝・昼・晩の食卓に合わせた明かりも、手元で簡単に演出できる。

 本来はダイニング用ではあるが、リビングルームで使用しても、その光は快適だった。たった1灯の器具だけで、かつてのシーリングライトや電球を用いたペンダントライトでは味わえない「心地良さ、くつろぎ感」が演出できたからだ。

 器具を敢えて低めに設置して点灯すると、柔らかな光がリビングルーム全体に広がり、床、壁、天井がほぼ同じような明るさで照らされる。見慣れたはずのいつものリビングルームが、天井は高く、部屋全体が広々と見え、時の流れさえもゆったりと感じるほど表情が一変する。しかも、部屋のどこに居ても、どんな姿勢をとっても不快な眩しさを感じないのが他と大きく異なる。

 さらに、安眠や癒しの効果があるとされる2色の「さくら色」照明も加わって、くつろぎ感はより一層充実する。見慣れた寒色~暖色の明かりも良いが、ソメイヨシノは演色性が特に高く、普段のあかりとして快適。八重桜の濃い紅色は、仕事後の気分をスッパリと切り替えるのに役立ち、どちらもゆったりと過ごすリビングルームの明かりとして相当気に入ってしまった。

 導光板とさくら色のLEDの組み合わせが作り出す明かりは新しく、ほかでは味わえない快適性に、価格以上の完成度の高さを感じる。ダイニングにはもちろん、使い方次第ではリビングルームの明かりとしても最適だ。2012年のイチオシの照明器具として、大いにお勧めしたい。

・家電製品ミニレビュー シャープ「LEDダイニングライト リーフパターンモデル」
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20121011_565192.html
・シャープ
http://www.sharp.co.jp/
・製品情報
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/120904-a.html

2012年時点、最も釜で炊いたごはんに近い炊飯器 ~象印「南部鉄器 極め羽釜」 by.藤山 哲人

象印「南部鉄器 極め羽釜」

 炊飯器メーカーはこぞって自社製品を「釜で炊いたようなおいしいごはん」が炊けると謳っている。筆者はここ数年で10台近い炊飯器をレビューしたが、2012年年末現在、象印の「南部鉄器 極め羽釜 極め炊き NP-ST10」が、一番釜で炊いた近い味ということを保証する。

メーカー象印
製品名南部鉄器 極め羽釜 極め炊き NP-ST10
希望小売価格136,500円
購入場所yodobashi.com
購入価格(レビュー当時)108,000円

 詳しいレビューは本編を参照して欲しいが、おこげを作って“釜で炊いた風”を名乗る炊飯器も少なくない中で、極め羽釜は本物志向。おこげはもちろん、食感から風味、お米の味まで、田舎の爺ちゃんが羽釜で炊いてくれたごはんにソックリ!

 その秘密は、南部鉄器を使った内釜にある。100%鉄製の炊飯器はこれまでになく重さも2kg近くとヘビー級。鉄はIHとの相性もよく蓄熱性も高いので、炊飯との相性はバッチリなのだ。

 一番驚かされたのは、ごはんの甘さ。過去にレビューしたおいしいと評判の炊飯器でも、どうやっても糖度12%止まり。土鍋プラスガスで何度も炊飯してみても、やっぱり糖度は12%で頭打ちだ。しかし、極め羽釜の「極めかまど」モードで炊くと、なんと19.5%という猛烈な甘さ。この数値はフルーツ級! バナナとかぶどうとか――。

 そんな甘いごはんが一番おいしく食べられるのが、味噌汁とお漬物。これらの塩分とごはんの甘さが舌の上で奏でるハーモニーは、これ以上オカズいらネーじゃん!というほど。1カ月レビューしていたのでウマいごはんばっかり食べて、脂っこかったり、味の濃いオカズはほとんど食べたくならなかった。結果、定期的に医者に見てもらっている血液検査では、塩分、悪玉コレステロールは減った一方でカルシウムが増えたことで、超健康体に戻った。これには医者も「食生活変えたの?」と驚いていた。

 おいしいごはんは、家族を笑顔にするだけでなく、体まで健康にするってのを、はからずしも証明してしまった炊飯器だ。値段は張るけど、おいしいごはんを食べたい人や健康に気を使いたい人にはぜひオススメだ。

・長期レビュー 象印「極め炊き NP-ST10」その1
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/longreview/NP-ST10/20120919_560394.html
・象印マホービン
http://www.zojirushi.co.jp/
・製品情報
http://www.zojirushi.co.jp/syohin/ricecooker/kiwamehagama2012/npst/index.html

家電話の子機でスマートフォンの電話機能が使える ~シャープ「インテリアホン JD-4C2CL」 by.すずまり

シャープ「インテリアホン JD-4C2CL」

 今年の家電で印象に残ったものはいくつかあるのだが、ホームベーカリー好きとしては、パナソニックのお米からパンが焼けるホームベーカリー「GOPAN」と、象印のホームベーカリー「パンくらぶ」の一騎打ちだと思っていた。お米でパンが焼けるインパクトもすごいが、マニュアルモードでパンが焼ける芸の細かい「パンくらぶ」も捨てがたい。あれはパンだけでなく、手作りそばと餃子の皮もおいしかった! これは悩む! 迷う! 果たしてどちらか!?

 と迷っていたところへ、最後の最後に滑り込んできて、強烈なインパクトを残したのが、シャープの「インテリアホン JD-4C2CL」であった。パッと見はインテリア性の高いシンプルな固定電話機なのだが、Bluetoothでスマートフォンと連携させることで、子機でスマートフォンの電話機能が使えるというもの。「ふーん、それで?」となりそうなのだが、マナーモードを解除し忘れやすい自分としては、マナーモードのままでも必ず着信に気づくという安心感は捨てがたいのである。

メーカーシャープ
製品名インテリアホン JD-4C2CL
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格(レビュー当時)15,761円

 ものぐさ人間の救いの神となったインテリアホンだが、使っているうちに特に地味に効いてくるのが、スマートフォン側が充電したまま置きっ放しにできる点。充電中に着信すると、通話するためのケーブルを抜いて、終わったらまた挿して、というのが意外と面倒。ギリギリまで使ってからやっと充電を開始したばかりだと、残量が心配で集中できなかったりする。いくらバッテリーが持つようになっているとはいえ、帰宅したらまず充電しておきたいはずだ。その点、子機で話せると分かっていれば、自宅でのスマートフォンは、ひたすら充電に徹していただけるのである。

 よく通話をするけれど、しばらくスマートフォンの買い換え予定がなくて、常にバッテリー残量が気になっている方は、出かけるときの常時フル充電状態を目指して、インテリアホンを導入してみるっていうのもいいかもしれない。

・シャープ「インテリアホン JD-4C2CL」~自宅の固定電話でスマートフォンの着信・発信ができる!
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20121211_577745.html
・シャープ
http://www.sharp.co.jp/
・製品情報
http://www.sharp.co.jp/in-phone/products/4c2/

香りとともに広がる小さなシアワセ ~KEURIG「トレビエ BS100」 by.スタパ齋藤

KEURIG「トレビエ BS100」

 2012年の俺的「私が選ぶ今年の1台」は、KEURIG(キューリグ・エフイー)の「トレビエ BS100」。カプセル式のコーヒーメーカーですな。もう一台、カプセル式のコーヒーメーカーであるネスレ「ネスカフェ ドルチェ グスト ジェニオ プレミアム」も使っていて、満足感としては、ほぼ同等ではある。が、使用頻度の高さから「トレビエ BS100」とした。

メーカーKEURIG(キューリグ・エフイー)
製品名トレビエ BS100
希望小売価格9,980円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格(レビュー当時)8,510円

 ちなみに、現在は「トレビエ BS100」は販売終了となり、後継機種となる「ネオトレビエ BS200」が販売されている。以降の感想は、あくまでトレビエ BS100のものであることをお含み置きいただきたい。

 さて、いろいろ扱った家電製品の中からトレビエ BS100をベストに選んだのは、「ほぼ毎日使うから」であり、かつ「ほぼ使うたびに満足感があるから」だ。単純にトレビエ BS100でコーヒーやお茶、紅茶などを淹れると、小さな安堵~小さなシアワセを感じたりする。ひとことで言えば「ほっとする」感じ。専用カプセル(K-Cup)をセットしてボタンを押せば、間もなくコーヒーやお茶が入る。同時に、とても良い香りが広がる。そして口に含むと安堵&小さなシアワセ、みたいな。

 電源入れて専用カプセルをセットして、(予熱まで1分くらい待って)ボタンを押せば、コーヒーやお茶を淹れられる。手間は専用カプセルを捨てる程度。ほとんど手間を感じずに、とてもよい香りの暖かい飲み物ができるのは、とてもいい。「ほっこりする」ってやつかもしれない。

 ちなみに、専用カプセルのメーカー価格は、12個セットで1,008円~1,260円。1杯で84円~105円の計算になる。手軽に淹れられることからインスタントコーヒーというスタンスで考えてしまうと、けっこーお高い感じはする。が、手軽に「ちゃんとコーヒーやお茶を入れられる」ことと、その香りの豊かさを考えると、俺的には納得できる範囲である。

 てな感じで、この年末もほぼ毎日、「トレビエ BS100」が活躍中。良い香りの暖かい飲み物のともに、年の瀬を迎えるわけだがさておき、今年も一年ありがとうございました。良いお年をお迎えください。

・家電製品ミニレビュー キューリグ・エフイー「トレビエ BS100」
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20120802_550188.html
・KEURIG
http://www.keurig.co.jp/
・製品情報
http://www.keurig.co.jp/lineup/trevie.html

家電Watchライター陣